セントビンセント・グレナディーン

セントビンセント・グレナディーン
Saint Vincent and the Grenadines
(セイント・ヴィンセント・エンド・ザ・グレナディーンズ)
(英語)

Flag_of_Saint_Vincent_and_the_Grenadines.png

セントビンセント・グレナディーンは中米のカリブ海に浮かぶ島国で、その名の通りセントビンセント島とグレナディーン諸島を領土としています。地図好きな人なら、この長い国名を覚えようとしたこともあるのではないでしょうか。この地には歴史的にカリブ族などの先住民が暮らしていましたが、大航海時代以降はフランスが食指を伸ばし、1719年に植民地化。アフリカから黒人奴隷を導入して植民地経営を行いました。1763年にはフレンチ・インディアン戦争の講和条約として知られるパリ条約によって支配権がイギリスに移り、1830年代の奴隷制廃止後も移民によって労働力不足を補いながら、イギリスはサトウキビや各種フルーツの供給地としてこの地を統治し続けます。転機が訪れたのは1958年のことで、この年カリブ海のイギリス領の島々が共同で西インド連邦という自治国を結成し、セントビンセント・グレナディーンもその一員となりました。この連邦は将来的には統一国家として独立する予定でしたが、連邦内でも人口が多くリーダー格だったジャマイカとトリニダード・トバゴ、そして最も経済開発が進んでいたバルバドスといった各島間で主導権争いが起こり、わずか4年で連邦は崩壊。セントビンセント・グレナディーンは1969年に改めて単独の自治領となり、1979年には正式な独立を達成しました。

他のカリブ海の島国と同様、セントビンセント・グレナディーンも温かな陽光と青い海を生かした観光業が盛んで、イギリス人やアメリカ人など主に英語圏から多数の外国人観光客がこの国を訪れます。しかし観光客の宿泊拠点は、小島・浅瀬が多くクルーズやサーフィンの名所を抱えるグレナディーン諸島の島々を中心に置かれており、主島であるセントビンセント島では昔ながらの農業中心の社会が根付いています。前述したサトウキビの栽培は、植民地時代の名残であり国民の間で忌避感が強いため徐々に衰退してしまいましたが、今でもバナナなどの果物は国の主要輸出品であるほか、タロイモなどの穀物栽培も進められ、それらを製粉して各国に輸出しています。中でも葛粉の生産は小国ながら世界トップクラスで、観光以外の外貨獲得源に乏しいこの国の経済を支える貴重な輸出品として重宝されています。

セントビンセント・グレナディーンの国旗は、独立当初は国旗の中央に現在のものより複雑な国章を配していましたが、1985年にこの国旗に移行しました。この旗はThe Gems(ザ・ジェムズ、宝石旗)と呼ばれ、中央のV字に配された3つの菱形はSaint Vincent(セントビンセント)のVを象っていると同時に、島国セントビンセント・グレナディーンの点在する領土を図案化したものでもあります。また、青はカリブ海と広い空、黄は太陽の光と輝く砂浜、緑は豊かな農産物と植生を表しています。

縦横比:7対11

【旧国旗】
Flag_of_Saint_Vincent_and_the_Grenadines_(1979-1985).png
1979年の独立から、1985年まで用いられた国旗です。中央の紋章は1912年から既に植民地旗の一部として用いられていたもので、オリーブの枝を持つ女性は平和を、祭壇の前でひざまずいている女性は正義を意味します。周辺はパンの木の葉で覆われており、下部の帯にはラテン語で「平和と正義」と書かれています。また、青と黄、黄と緑の境界には白い帯が引かれています。

1985年、色の境界にある白い帯が省かれた国旗が制定されましたが、同年のうちに現在の国旗に移行しました。


セントビンセント・グレナディーン諸島
Saint Vincent and the Grenadines

Map_of_Saint_Vincent_and_the_Grenadines.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (カリブ海)
面積:約389km² (五島列島の福江島より少し大きい)
人口:約11万人
都市人口率:50.6%
首都・最大都市:キングスタウン (英:Kingstown)
主要民族:アフリカ系黒人66%
       ムラート(白人と黒人の混血)19%
       インド系6%
       ヨーロッパ系白人4%
       先住民(インディオ)2%
主要言語:英語が公用語だが、標準英語は政府機関や教育、メディア
       などの公共性の高い場で用いられる程度で、日常会話では
       セントビンセントでは英語系、グレナディーン諸島ではフラン
       ス語系のクレオール言語が広く話される。
主要宗教:キリスト教82%
        聖公会18%
        ペンテコステ派17%
        メソジスト派11%
        セブンズデー・アドヴェンティスト教会10%
        バプテスト教会10%
        ローマ・カトリック教会8%
        少数の福音派など。
       無宗教10%
       ヒンドゥー教3%
       少数のイスラム教など。

[政治・軍事]
独立:1979年10月27日
国連加盟:1980年9月16日
政治体制:立憲君主制(英連邦王国)、議院内閣制
元首:国王
    イギリスの国王が兼任、世襲制。
    国王の名代として総督が元首の権限を代行。
    総督は現地人有識者の中から国王が任命。
政府:内閣
    総督が議会最大会派の指導者を首相に任命。
    他の閣僚は首相の指名に基づき、総督が任命。
議会:一院制の会議院(単に国会とも表記される)
    23議席。15議席は直接選挙(小選挙区)で選出。8議席は
    与党と最大野党の指名に基づき、総督が任命。任期5年。
政党制:統一労働党と新民主党による二大政党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:なし (正規軍なし)
備考:小規模な警察隊を除き、軍事力を持たない。

[経済・通信・その他]
中央銀行:東カリブ中央銀行 (注1)
通貨:東カリブ・ドル (dollar, XCD, 注1)
国内総生産(GDP):7億2900万米ドル
1人当たりGDP:6827米ドル
GDP構成比:農林水産業7.9%
        鉱工業17.2%
        サービス業74.9%
労働人口:6.1万人
失業率:不明 (10~20%と推計される)
輸出額:4980万米ドル
輸出品:再輸出品、穀物の粉、イモ類、船舶、酒類、バナナ、魚介類
輸出先:トリニダード・トバゴ19%、セントルシア15%、バルバドス12%、
     ドミニカ国10%、グレナダ9%
輸入額:3億2070万米ドル
輸入品:船舶、精製石油、機械類、小麦、肉類、医薬品、衣類、木材、乳製品
輸入元:トリニダード・トバゴ29%、米国17%、シンガポール9%、中国8%、
     バルバドス6%
固定電話回線数:2万5000回線
携帯電話回線数:11万3000回線
国別電話番号:1-784
ccTLD:.vc
インターネット利用者数:約6.6万人
車両通行:左側通行
平均寿命:75.4歳 (男性73.3歳、女性77.4歳)

[日本との関係]
国交樹立:1980年4月15日
相手公館:無し (日本を兼轄する他国駐在公館も無し)
駐日相手国人数:7人 (永住者1人)
相手輸出額:233万米ドル
相手輸出品:魚介類がほぼ全て
日本公館:無し (駐トリニダード・トバゴ大使館が兼轄)
在留日本人数:7人 (永住者3人)
日本輸出額:563万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、ゴム製品
現行条約:2000年 青年海外協力隊派遣取極

(注1)
カリブ海に浮かぶ小島嶼のうち、6つの独立国とイギリス領の3地域は、東カリブ諸国機構(OECS)という地域統合組織を結成し、東カリブ・ドル(ECドル)という共通通貨を使用している。これはセントキッツ・ネイビスの首都バセテールに本店が置かれる東カリブ中央銀行によって発行され、通貨価値は1米ドル=2.7ECドルに固定されている。


《国歌「セントビンセント、美しき地」》
制定:1979年
作曲:ジョエル・バートラム・ミゲル
作詞:フィリス・ジョイス・マクレーン・パネット

セントビンセント、美しき地。
心を歓喜に染め、汝に誓わん。
我らの忠誠、愛、そして誓約は、
汝を自由たらしめ続けるために。

この先何があろうとも、
我らの信念は我らを見通さん。
この国の岸から岸まで、平和のもとで統治されんことを。
そして神の加護があらんことを。
我らを真実たらしめんことを。

《国名の由来》
セントビンセント島とグレナディーン諸島の合成地名。セントビンセントはクリストファー・コロンブスがキリスト教カトリック教会の聖人「聖ヴィンセンチオ」から名付けたもので、この島を発見したのが1498年の1月22日(カトリック教会における聖ヴィンセンチオの祝日)だったことに由来する。

グレナディーンはこの国の南に位置するグレナダと同様、スペイン本土のグラナダ市を直接の由来とする(詳細はグレナダを参照のこと)。

国名が長いため、SVGと略される場合もある(国内唯一のテレビ放送局であるSVG放送協会など)。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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