セネガル

セネガル
Sénégal (セネガル) (フランス語)
Senegaal (セネガール) (ウォロフ語)
Senegal (セネゴゥル) (英語)

Flag_of_Senegal.png

セネガルはアフリカ大陸最西端に位置するヴェルデ岬を有する熱帯の国です。古くから西アフリカ一帯に栄えたイスラム諸王朝の版図とされてきましたが、19世紀に入るとフランスの植民地となり、奴隷貿易の拠点として利用されました。1848年の奴隷制廃止、1895年のフランス領西アフリカ成立以降は首都ダカールが植民地統治の中心地となり、セネガルの黒人は高度な教育と一定の経済基盤を保障されるなど優遇されていました。そのため植民地統治にも協力的で、本国と密接な関係を保ちながら準支配層を形成した一方、セネガル人を疎んじた他の植民地の人々からは「黒いフランス人」と揶揄されたこともあったそうです。そんなセネガルでも第二次大戦後からレオポール・セダール・サンゴールを中心に独立を求める運動が盛んとなりましたが、特に隣のフランス領スーダン(現在のマリ)で同様の活動をしていたモディボ・ケイタとは将来の両国統合を目指して連携し、運動拡大を推進。その甲斐もあって1958年にまず自治権を獲得し、次いで1960年4月にはケイタを大統領、サンゴールを首相とするマリ連邦として正式な独立を達成しました。しかしマリ連邦は結成当初から、経済力で勝るセネガルの富が、人口や面積は大きいもののほとんど未開発だったスーダン(マリ)側に振り分けられる体制に批判が集まり、程なくして瓦解。同年8月に改めてセネガル共和国が樹立されています。

独立後のセネガルは当初こそ初代大統領サンゴール率いるセネガル社会党(PSS)の一党制のもとに置かれたものの、引き続きフランスを軸に西洋諸国と友好関係を維持し、現実主義的な穏健外交を採ってきました。もとより教育水準の高かったセネガルでは市民社会の形成も早く、一党制の廃止も他のアフリカ諸国に先駆けて1974年には実現し、民主的な体制を維持しています。周辺国が内戦やクーデターで混乱し、結局は独裁のもとでしか安定を実現できなかったのとは対照的ですね。一応、ガンビア領土を境界とした南部(カザマンス地方)では独立を求める運動もあるものの、国情に大きな影響を与える程の混乱は無く、西アフリカのフランス語圏のリーダー格として紛争の仲介に乗り出すなど、その国際的地位は旧フランス領西アフリカの中でも突出しています。経済的には農業、水産業、そして鉱業といった第一次産業が未だ産業の中心ではあるものの、生産物をそのまま輸出するのではなく、加工業を発展させて付加価値を付けて輸出するといった工業化も進展しており、更には安定した政情と多様な文化を生かした観光業で外貨を稼ぐなど、特定の産業だけに頼らない多角化された経済構造を目指しています。

セネガル国旗はマリ連邦から分離した1960年8月に制定されたもので、フランス国旗に汎をとった三色旗の中央に星を配したデザインとなっています。緑、黄、赤の配色は「アフリカ最古の独立国」と呼ばれるエチオピア国旗を参照した汎アフリカ色であり、緑は農業と希望を、黄は国土と天然資源、そしてそこから得られる富を、赤は独立のために流された血を象徴します。中央の緑の星は、国民の団結と自由を表します。仲違いで分かれたとはいえ、一時は同じ国として共に歩もうとした過去からか、隣国マリの国旗とよく似ていますね(違いは星の有無のみ)。

縦横比:2対3


セネガル共和国
République du Sénégal (レピュブリック・デュ・セネガル)
Réewum Senegaal (レーイウム・セネガール)
Republic of Senegal (リパブリック・オブ・セネゴゥ)

Map_of_Senegal.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約19.7万km² (日本の約52%)
人口:約1497万人
都市人口率:43.7%
首都・最大都市:ダカール (仏・英:Dakar ウ:Ndakaaru)
主要民族:黒人諸部族がほとんど。最大民族ウォロフ人が約4割を、
       第二の民族フラニ人が約2割を占めるほか、トゥクロール、
       セレール、ジョラ、マンディンカなど20以上の民族が存在
       する。他に少数のフランス人、レバノン人など。
主要言語:フランス語が公用語で、政府機関やメディア、教育、ビジネス
       などの分野で広く用いられるが、話者数は国民の3割前後で、
       ある程度の教育を受けられるエリート層の言語と見なされてい
       る。都市部から離れるほどフランス語の通用度は低くなる。国
       民の大半は自らの属する部族の固有言語を母語とし、ウォロ
       フ語は国民の8割が母語、もしくは第二言語として習得する実
       質的な共通語となっている。他にフラニ語、ソニンケ語、ジョラ
       語など各民族語。
主要宗教:イスラム教92%
        スンナ派64%
        特定の宗派に属さない27%
        アフマディーヤ教団1%
       キリスト教7%
        ローマ・カトリック教会5%
        プロテスタント諸派2%
       伝統宗教(各部族固有の精霊信仰)1%

[政治・軍事]
独立:1958年11月25日(自治国)、
    1960年6月20日(マリ連邦の一部として独立)、
     1960年8月20日(マリ連邦解消につき単独の国家として独立)
国連加盟:1960年9月28日
政治体制:共和制、半大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期5年、3選禁止。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    首相は大統領が任命。
    他の閣僚は大統領との協議に基づき、首相が任命。
議会:一院制の国民議会
    150議席。全議席が直接選挙制に基づき選出される。任期5年。
    60議席は比例代表から、55議席は大選挙区から、35議席は小
    選挙区から選出。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:2億5600万米ドル
軍組織:セネガル軍
     陸軍1万2000人
     海軍1000人
     空軍800人
     国家憲兵隊3000人

[経済・通信・その他]
中央銀行:西アフリカ諸国中央銀行 (注1)
通貨:CFAフラン (franc, XOF, 注1)
国内総生産(GDP):156億5800万米ドル
1人当たりGDP:911米ドル
GDP構成比:農林水産業15.9%
        鉱工業23.8%
        サービス業60.3%
労働人口:652万人
失業率:不明 (10~20%と推計される)
輸出額:23億1000万米ドル
輸出品:精製石油、魚介類、金、リン鉱石とリン酸肥料、ナッツ類、野菜、チタン鉱
輸出先:マリ13%、スイス10%、インド6%、コートジボワール5%、中国5%
輸入額:49億1800万米ドル
輸入品:機械類、穀物、精製石油、自動車、原油、医薬品、鉄鋼、繊維原料
輸入元:フランス18%、中国10%、ナイジェリア9%、インド6%、スペイン5%
固定電話回線数:30万1000回線
携帯電話回線数:1495万9000回線
国別電話番号:221
ccTLD:.sn
インターネット利用者数:約365万人
車両通行:右側通行
平均寿命:61.8歳 (男性59.7歳、女性63.8歳)

[日本との関係]
国交樹立:1960年10月4日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:515人 (永住者139人)
相手輸出額:1370万米ドル
相手輸出品:魚介類とその加工品が約8割、他に精錬鉛、銅くず、胡麻
日本公館:大使館 (ダカール)
在留日本人数:247人 (永住者無し)
日本輸出額:5690万米ドル
日本輸出品:化学繊維、自動車と部品、機械類、ゴム製品、鉄鋼、二輪車
現行条約:1976年 貿易取極
       1979年 青年海外協力隊派遣取極
       1991年 漁業協定
       2011年 技術協力協定

(注1)
アフリカの中部・西部には独自通貨を持たない国が多く、代わってCFAフランが共通通貨として広く流通している。CFAフランはかつてはフランス・フランと、現在はユーロ(euro, EUR)との固定相場制を採っており、1ユーロ=655.957CFAフランとなっている。なお、CFAはフランス語に基づきセーファーと発音される。

CFAフランは西アフリカ諸国中央銀行発行のもの(コードはXOF)と中部アフリカ諸国銀行発行のもの(同XAF)に分かれるが、双方ともに通貨価値は同じである。ただし相互に混合流通しているわけではなく、国際法上はあくまで別通貨扱いで、CFAフラン導入国はいずれかの銀行が発行する貨幣のうち、どちらかを選択して自国通貨に指定する形態をとる。貨幣のデザインも双方で異なり、印字された銀行名で区別される。


《国歌「コラをかき鳴らせ、バラフォンを叩け」》
制定:1960年
作曲:ヘルベール・ペッパー
作詞:レオポール・セダール・サンゴール
備考:歌詞を書いたサンゴールは解放運動を率い、独立と同時に
    初代大統領となった人物。政治家ではあるが、その一方で
    詩人としても著名な文化人だった。

コラ(注1)をかき鳴らせ、バラフォン(注2)を叩け。
赤き獅子が咆哮した。
サバンナの猛獣使いが飛び出し、闇を追い払った。
我らの恐怖を晴らす陽光、我らの希望の陽光。
立て、兄弟たちよ。アフリカはここに団結する。

我が若き心の琴線。
兄弟以上の兄弟たちは、肩を寄せ合う。
セネガル人よ、立ち上がれ!
森と泉、草原と森林を結ぼう。
母なるアフリカ万歳、母なるアフリカ万歳!

《国名の由来》
北隣のモーリタニアとの国境を流れるセネガル川に由来。その語源はかつてこの地に住んでいたベルベル系サンハジャ族の民族名とされ、大航海時代のポルトガル人がこれをセネガルと訛って発音したことによるとされる。サンハジャとはベルベル語で「川」を意味する。

(注2)
コラ(kora)は西洋のギターに類似したリュート系の撥弦楽器。一方のバラフォン(balafon)はヒョウタンの上に木の板を置き、音程を調整した木琴。共に西アフリカ諸国を代表する民族楽器であり、西洋到来以前の文字を持たなかった頃の伝統・英雄譚を後世に伝えてきた。現在も同地域の黒人音楽文化の基礎を成しており、近年は徐々に世界各地でもその名が知れ渡りつつある。

コメント

非公開コメント

プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

外部リンク
QRコード
QRコード
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
Flag counter