赤道ギニア

赤道ギニア
Guinea Ecuatorial (ギネア・エクワトリアル) (スペイン語)
Guinée équatoriale (ギネー・エクァトリヤール) (フランス語)
Guiné Ecuatorial (ギネー・エクアトリアル) (ポルトガル語)
Equatorial Guinea (エクアトーリオル・ギニー) (英語)

Flag_of_Equatorial_Guinea.png

アフリカ中部の赤道ギニアは、その名の通り赤道のすぐ北側に位置する熱帯の国です。国土は首都マラボを擁するビオコ島などの島嶼部と、大陸部のムビニ(リオムニ)地方に大別されますが、大陸部に領土を持ちながら島嶼部に首都を置く国は大変珍しく、赤道ギニアの他には北欧のデンマークしかありません。赤道ギニアの領土がこのような特異な形をしているのは、18世紀よりこの地を領有していたスペインが円滑な植民地経営を行うため、1926年に占領下の両地を「スペイン領ギニア」の名で統合したのが発端です。そのため民族構成が大きく異なる大陸部と島嶼部が一つの行政区画となってしまい、しかもスペイン人は島嶼部の主要民族かつ植民地支配に対して比較的順応していたブビ族を重用したことから、大陸部に住み領民の大半を占めるファン族から大きな反発を受けました。このことは後にファン族主体の独立運動に繋がり、本国は1950年代より現地住民に対して段階的に自治権を付与。1963年に自治政府が発足したことで一気にスペイン離れが進み、1968年には遂に赤道ギニア共和国として独立を達成しました。

独立後の赤道ギニアは、首都こそ植民地時代に開発が進んでいたビオコ島に置かれたものの、ファン族出身の初代大統領マシアス・ンゲマによる独裁体制下で急速にファン族の地位が高まり、危機感を覚えたブビ族が分離運動を展開。もとより細々とカカオやコーヒーなどの換金作物を輸出する程度の経済力しかなかったこの地は、独裁による恣意的な経済政策と政情不安もあって一気に困窮化しました。この政権は1979年、マシアスの甥であるテオドロ・オビアン・ンゲマ率いるクーデターで崩壊したものの、今度は彼が軍事政権を長期化させ、1982年に新憲法を制定して民政移管を果たした後も自ら第2代大統領に就任。1987年には自身の独裁政権の支持母体として赤道ギニア民主党(PDGE)を結成し、権力基盤を強化しました。1991年には形式的に複数政党制を導入したものの、その後もPDGEはブビ族の分離要求や体制に批判的な野党を弾圧しながら、現在に至るまで政権を維持しており、内外からその権威主義的な体制を批判されています。その一方、経済的には1992年に原油生産が始まって以来、脅威的な経済成長を見せており、貧しい農業国からアフリカ有数の産油国に転換。数字の上では先進国に比類する所得水準を記録しています(実際には資源収入は国民生活に還元されておらず、赤道ギニア国民の6割以上が貧困線以下の生活を余儀なくされているとのこと)。

赤道ギニアの国旗は1968年の独立と同時に制定されました。青い三角形は島嶼部と大陸部の領土を隔てるギニア湾を、緑は伝統産業である農業を、白は国家の平和を、赤は独立のために流された血を象徴します。中央の国章は、赤道ギニアで神の木として称えられるカポック(パンヤ)の木、大陸部および5つの主要島嶼を表す6つの星で構成されており、下部のリボンには国の第一公用語であるスペイン語で「統一、平和、正義」という国の標語が書かれています。国章は初代大統領マシアス・ンゲマにより1973年に変更されましたが、同政権が打倒された1979年に元に戻されています。

縦横比:2対3

【旧国旗】
Flag_of_Equatorial_Guinea_(1973-1979).png
マシアス・ンゲマ初代大統領のもとで1973年に制定された国旗です。中央の国章がカポックの木をモチーフとしたものから、2種類の伝統的な武器を交差させ、上部にニワトリを置いたものに変更されました。下部の帯には現国章に見られる「統一、平和、正義」に加え、その上に「労働」と書かれた帯が追加されています。1979年にマシアス・ンゲマ政権が崩壊したのに伴い、独立当初の国旗が復活。


赤道ギニア共和国
República de Guinea Ecuatorial
(レプブリカ・デ・ギネア・エクワトリアル)

République de Guinée équatoriale
(レピュブリック・デュ・ギネーエクァトリヤール)

República da Guiné Equatorial
(レプーブリカ・ダ・ギネー・エクアトリアル)

Republic of Equatorial Guinea
(リパブリック・オブ・エクアトーリオル・ギニー)


Map_of_Equatorial_Guinea_20140628111746a2b.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約2.8万km² (中国地方の約88%)
人口:約80万人
都市人口率:39.9%
首都:マラボ (西・仏・葡・英:Malabo)
最大都市:バタ (西・仏・葡・英:Bata)
主要民族:ファン人、ブビ人などバントゥー系の黒人諸部族がほとんど。
       中でもファン人は国民の約8割を占める最大民族だが、その
       大半は大陸部(ムビニ地方)に住んでいる。首都マラボを抱え
       るビオコ島では、土着のブビ人のほか、西アフリカの解放奴隷
       の子孫である「フェルナンディノ」と呼ばれる集団が主要民族と
       なっている。
主要言語:スペイン語、フランス語、ポルトガル語の3公用語 (注1)
       他にファン語、ブビ語など各民族語も日常言語として使用。
主要宗教:キリスト教92%
        ローマ・カトリック教会87%
        プロテスタント諸派5%
       イスラム教(スンナ派がほとんど)2%
       他に土着の伝統宗教やバハーイー教など。

[政治・軍事]
独立:1968年10月12日
国連加盟:1968年11月12日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期7年、3選禁止(注2)。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    首相と閣僚は大統領が任命。
議会:二院制の国会
    ●元老院(上院)
     70議席。55議席は直接選挙枠(比例代表制)、
     15議席は大統領による任命枠。任期5年。
    ●人民代表院(下院)
     100議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:赤道ギニア民主党による一党優位制
     (形式上は多党制)
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:不明 (1~2億米ドルと推計される)
軍組織:赤道ギニア軍
     陸軍1100人
     海軍120人
     空軍100人

[経済・通信・その他]
中央銀行:中部アフリカ諸国銀行 (注3)
通貨:CFAフラン (franc, XAF, 注3)
国内総生産(GDP):93億9800万米ドル
1人当たりGDP:1万1056米ドル
GDP構成比:農林水産業8.1%
        鉱工業77.1%
        サービス業14.8%
労働人口:不明 (20~30万人と推計される)
失業率:不明 (20%前後と推計される)
輸出額:74億1000万米ドル
輸出品:原油が7割、天然ガスが2割半、他に有機化合物、木材
輸出先:中国17%、韓国15%、スペイン9%、ブラジル8%、オランダ7%
輸入額:39億5300万米ドル
輸入品:機械類、船舶、鉄鋼、精製石油、自動車、酒類、肉類、穀物、家具
輸入元:オランダ17%、スペイン16%、中国15%、米国9%、日本6%
固定電話回線数:1万1000回線
携帯電話回線数:53万3000回線
国別電話番号:240
ccTLD:.gq
インターネット利用者数:約18万人
車両通行:右側通行
平均寿命:64.3歳 (男性63.1歳、女性65.4歳)

[日本との関係]
国交樹立:1980年10月
相手公館:無し (駐中国大使館が兼轄)
駐日相手国人数:1人 (永住者無し)
相手輸出額:1080万米ドル
相手輸出品:天然ガスのみ
日本公館:無し (駐ガボン大使館が兼轄)
在留日本人数:5人 (永住者無し)
日本輸出額:2億4480万米ドル
日本輸出品:鉄鋼が約9割、他に機械類、自動車、ゴム製品、二輪車
現行条約:特に無し

(注1)
旧スペイン領のため今でもスペイン語が最も広く使用されており、実質的に公用語の筆頭格と見なされている。第二公用語であるフランス語も、首都マラボなど都市部ではある程度通用する。一方、2007年に第三公用語に指定されたポルトガル語は、単に同語圏(特にポルトガル語諸国共同体の加盟国)との経済的結び付きを強めるために指定されただけで、国内での使用実績はほとんど無かった言語である。ただし、方言程度の違いしかないスペイン語とポルトガル語は相互理解性が高く、スペイン語圏であるこの国でポルトガル語を使ったとしても、さほどの不便は無いことは留意する必要がある。

(注2)
もともと大統領に再選制限は無かったが、2011年に新憲法が制定され、その中に3選禁止事項が盛り込まれた。ただし現テオドロ・オビアン・ンゲマ大統領のそれまでの任期は、再選回数にカウントされない。

(注3)
アフリカの中部・西部には独自通貨を持たない国が多く、代わってCFAフランが共通通貨として広く流通している。CFAフランはかつてはフランス・フランと、現在はユーロ(euro, EUR)との固定相場制を採っており、1ユーロ=655.957CFAフランとなっている。なお、CFAはフランス語に基づきセーファーと発音される。

CFAフランは西アフリカ諸国中央銀行発行のもの(コードはXOF)と中部アフリカ諸国銀行発行のもの(同XAF)に分かれるが、双方ともに通貨価値は同じである。ただし相互に混合流通しているわけではなく、国際法上はあくまで別通貨扱いで、CFAフラン導入国はいずれかの銀行が発行する貨幣のうち、どちらかを選択して自国通貨に指定する形態をとる。貨幣のデザインも双方で異なり、印字された銀行名で区別される。


《国歌「さあ、我らが果てなき幸福の道を歩もう」》
制定:1968年
作曲:ラミロ・サンチェス・ロペス
作詞:アタナシオ・ンドンゴ・ミヨネ

さあ、我らが果てなき幸福の道を歩もう。
分かち難き兄弟愛の中で、自由を歌おう!
2世紀にわたる植民地支配が終わった今、
兄弟の如き団結を以って、差別無く、自由を歌おう!

叫ぼう、万歳、自由なギニア!
我らの自由を守ろう。
常に歌おう、自由なギニアを。
団結を維持しよう。
叫ぼう、万歳、自由なギニア!
我らの自由を守ろう。
常に歌おう、自由なギニアを。
そして国家の独立を守ろう。
守り、保とう。国家の独立を。

《国名の由来》
筆頭公用語のスペイン語ではGuinea Ecuatorial(ギネア・エクアトリアル)と表記される。植民地時代はスペイン領ギニアと呼ばれていたが、独立に際して西アフリカのギニア共和国との区別のため、赤道付近に位置する国土を反映して赤道ギニアと命名された。ギニアの由来についてはギニアの記事を参照のこと。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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