スワジランド

スワジランド
Swatini (スワティニ) (スワジ語)
Swaziland (スワズィランド) (英語)

Flag_of_Swaziland.png

アフリカ大陸南部に位置する内陸国スワジランドは、北東側をモザンビークに、残る方面を南アフリカに囲まれた王国です。とかく暑いイメージのあるアフリカですが、この国は領土の大半が1000m級の高原のため穏やかな温帯性の気候を持ち、またその多くは森林や草原に覆われた肥沃な土地であることから、古くから人類の居住に適した場所として認識されてきました。16世紀頃、強大な武力を背景にこの地域一帯で権勢を誇っていた土着のズールー王国に対し、新天地を求めて南下を進めていたスワジ人が抗争を仕掛け、19世紀には小さな領域ながら独自の王権を確立。その後は地域奪還を目指すズールー人や、豊かな土壌を持つスワジ人地域の併合を目論む南アフリカの白人から領地を守るため、1902年にイギリスの保護下に入りました。しかし第二次大戦が終わり、イギリスの世界覇権が終焉を迎えると、スワジ人の中にも徐々に自立、引いては独立への機運が芽生えるようになり、1960年代から自治権を段階的に拡大。自治政府は独立に向けてイギリス本国と交渉を重ね、1968年には遂にイギリスの保護から脱し、主権を回復。この地はスワジランド王国の名で、晴れて独立国家となりました。

独立当初のスワジランドは立憲君主制で、議会中心の比較的民主的な体制が採られていましたが、1973年に国王ソブーザ2世が憲法(後に議会も)を停止し、政党を禁止。自らを頂点とする絶対王政を敷き、反対派を容赦なく弾圧する支配体制を構築しました。その後制定された憲法では国王の絶対的な権力維持が謳われており、1982年にソブーザ2世が死去した後も、現在に至るまで基本的にこの体制は変わっていません。一応、リバンドラと呼ばれる二院制の議会が新設されたものの、これは国王の政策に対する諮問・助言機関に過ぎず、立法権はあくまで国王に属するものとされています。また行政府たる内閣も、首相をはじめとする要職は王家であるドラミニ家が牛耳っていて、民主化を求める諸外国から援助停止などの制裁を受けることもしばしばです。こうした声を反映してか、2006年には信教や結社、集会の自由を認めた新憲法が制定されましたが、国王と王族が強大な権力を持つ絶対王政は維持されたうえ、それを批判する政党の結成は相変わらず禁止されたままで、反対派に対する厳しい監視と取り締まりが内外から非難されています。もっとも、経済的にはアフリカにしては珍しく多角化された産業構造を持っていて、豊かな土壌を生かした農林業のほかに、広範に栽培されているサトウキビを原料とした飲料生産、そして巨大市場であるアメリカがアフリカ成長機会法(AGOA)という国内法で優先的に輸入枠を割り当てていた繊維産業といった軽工業が発達しており、平均所得も他のアフリカ諸国と比べると高い水準を保っているようです。ただ、そうした経済利益の大半は王室関係者と少数派の白人が牛耳っており、国民の過半数は貧困線以下の生活を余儀なくされているなど、非常に大きな格差を抱えているほか、アメリカが2015年にスワジランドをAGOAの優先枠から除外したため、経済を牽引してきた繊維産業が縮小を余儀なくされているという問題も発生しています。

スワジランド国旗は保護国から脱し、独立主権国家となった1968年に制定されたもので、スワジ人の伝統的な盾と槍が配されています。これはもともと王立近衛連隊の紋章に由来するもので、スワジランドの主権を守るためなら戦いも辞さないという国民の決意を、伝統的な武器で体現したものです。また、槍と一緒に羽毛(天人鳥というスズメの仲間の羽)のついたインジョボと呼ばれる笏が横たわっており、王の権威を象徴しています。それぞれの配色は、青が空と平和、エビ茶色(公式見解では赤という扱い)が自由への戦い、黄が豊かな天然資源を表します。ちなみに盾が黒と白で二分されているのは、多数派の黒人と少数派の白人の融和を示すためとされています。

縦横比:2対3


スワジランド王国
Umbuso weSwatini (ウンブソ・ウェ=スワティニ)
Kingdom of Swaziland (キングダム・オブ・スワズィランド)

Map_of_Swaziland.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約1.7万km² (四国より少し小さい)
人口:約129万人
都市人口率:21.3%
首都・最大都市:ムババーネ (ス:ÉMbábáne 英:Mbabane, 注1)
主要民族:アフリカ系黒人(ほとんどがバントゥー系スワジ人)97%
       ヨーロッパ系白人3%
主要言語:スワジ語と英語が公用語。スワジ語は国民の大半の
       日常語であるが、中等教育以上の教育言語、商用語、
       出版といった分野では英語が優先される傾向がある。
       ただし英語の理解率は人口の5%に過ぎず、ある程度
       の教育を受けられるエリート層の言語と見なされてい
       る。ズールー語など他のバントゥー系言語も一部で話
       される。
主要宗教:キリスト教83%
        シオン教会42%
        ローマ・カトリック教会21%
        プロテスタント諸派(聖公会が大半)20%
       伝統宗教(スワジ族固有の精霊信仰)15%
       イスラム教1%
       少数のバハーイー教、ヒンドゥー教など。

[政治・軍事]
独立:1968年9月6日(外交権の回復。内政権はそれ以前より保持)
国連加盟:1968年9月24日
政治体制:立憲君主制、国王に実権(実質的には絶対王政)
元首:国王
    ドラミニ家による世襲制、原則として終身制。
政府:内閣
    首相と閣僚は国王が任命。
議会:二院制のリバンドラ(国会と訳される)
    ●元老院(上院)
     30議席。20議席は国王による任命制。10議席は下院が選出。
     任期5年。
    ●会議院(下院)
     65議席。55議席は直接選挙(小選挙区制)で選出。10議席は
     国王による任命制。任期5年。
    (どちらの院にも立法権はなく、国王への助言機関に過ぎない)
政党制:多党制だが、政党の活動は低調。
     (絶対王政に反対する政党は禁止)
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:8200万米ドル
軍組織:王立スワジランド軍
     総数3000人規模の陸軍・空軍を有するが、兵員の内訳は不明。
     大半は陸軍と見られている。

[経済・通信・その他]
中央銀行:スワジランド中央銀行
通貨:リランゲニ (lilangeni,SZL 複数形はエマランゲニ emalangeni)
国内総生産(GDP):44億1300万米ドル
1人当たりGDP:3147米ドル
GDP構成比:農林水産業6.6%
        鉱工業43.9%
        サービス業49.5%
労働人口:46万人
失業率:不明 (30%前後と推計される)
輸出額:17億6300万米ドル
輸出品:飲料、香料、砂糖、衣類、果物、木材とパルプ
輸出先:南アフリカ70%以上、他に英国、米国 (割合不明)
輸入額:16億1000万米ドル
輸入品:自動車、機械類、穀物、精製石油、医薬品、繊維原料
輸入元:南アフリカ90%以上、他に中国、香港 (割合不明)
固定電話回線数:4万3000回線
携帯電話回線数:94万1000回線
国別電話番号:268
ccTLD:.sz
インターネット利用者数:約36万人
車両通行:左側通行
平均寿命:51.6歳 (男性52.2歳、女性51.0歳)

[日本との関係]
国交樹立:1971年5月
相手公館:無し (駐マレーシア大使館が兼轄)
駐日相手国人数:6人 (永住者無し)
相手輸出額:不明 (200万米ドル前後と推計される)
相手輸出品:果物、木材とパルプ、衣類
日本公館:無し (駐南アフリカ大使館が兼轄)
在留日本人数:13人 (永住者9人)
日本輸出額:不明 (500~600万米ドルと推計される)
日本輸出品:自動車、衣類部品(特にファスナー)、精錬銅、精錬アルミ、プラスチック
現行条約:特に無し

(注1)
スワジランド政府の行政官庁は首都ムババーネにあるが、王宮と議会はムババーネの南方約16kmの街ロバンバ(Lobamba)にあり、こちらは王都と呼称されることもある。


《国歌「おお、主たる神よ、スワジを祝福したまえ」》
制定:1968年
作曲:デーヴィッド・ライクロフト
作詞:アンドレアス・イーノック・ファニャナ・シメラネ

おお、主たる神よ、スワジを祝福したまえ。
我らに幸運を授けたまう汝に感謝を捧げる。
我らの国王、豊かな大地、その渓谷と河川に、
感謝と称賛を捧げる。

《国名の由来》
スワジ語ではSwatini(スワティニ)と表記される。最大民族スワジ人の名から、「スワジ人の国」を表す。スワジ(スワディ)という民族名はかつての族長ムスワティ1世の名からとられたものだが、ムスワティの意味は不明。稀にNgwane(ングワネ)とも呼ばれるが、これはスワジ人による伝統的な古い雅称である。

コメント

非公開コメント

プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

外部リンク
QRコード
QRコード
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
Flag counter