ジブチ

ジブチ
Jabuuti (ジャブーティ) (ソマリ語)
Gabuutih (ガブーティー) (アファール語)
جيبوتي (ジーブーティ) (アラビア語)
Djibouti (ジブーティ) (フランス語、英語)

Flag_of_Djibouti.png

アフリカ大陸北東部に位置し、紅海を挟んだ対岸でアラビア半島に面するジブチ共和国は、1977年にフランスから独立した小さな国です。国土全体が砂漠気候に属する灼熱の地のため農業は振るいませんが、地中海からスエズ運河を経て紅海に入り、アデン湾に接続してインド洋に抜けるという、極めて重要な国際航路に面しているため、中継貿易や船舶の補給といった運輸産業に適した好条件を持ちます。特に1993年のエリトリア独立で内陸国となってしまったエチオピアにとって、ジブチ港は貿易上欠かせない「海への出口」であり、両国の首都は国際鉄道で結ばれるなど緊密な関係を保っています。また、前述の航路を荒らしまわる存在として近年にわかに危険視されるようになったソマリアの海賊への対抗策として、諸外国(日本の自衛隊も)がジブチに基地を置いていますが、各国兵士による旺盛な消費は内需への期待値が低いジブチ経済に予想外の潤いを与えており、その他にも基地使用料として多額の支援も受け取っています。こうして貧しい砂漠の小国に過ぎなかったジブチは、国際貢献という名声と収入増加という実益両方を手に入れ、その国際的な存在感を大いに高めています。もっとも、こうした収入はジブチ国民の多くが従事する農業及び畜産業にとっては恩恵の薄いもので、運輸業従事者(この国においては国家の基幹産業に携わるエリート階級)との所得格差が問題となっていますが。

近代以降、エチオピアを除く東アフリカ一帯がイギリスやイタリアによって植民地化されていく中で、フランスがまるで椅子取りゲームで1つだけ空いた席を埋めるようにこの地を占有したのは、19世紀後半のことです。土地そのものは使い道の極めて少ない不毛な砂漠であるものの、フランスはスエズ運河の開通によってアジアとヨーロッパを結ぶ国際運輸の趨勢が従来のもの(中東を突っ切る陸路か、アフリカ大陸をぐるりと回る海路か)から一変すると見越し、紅海沿岸に海運拠点を確保しなければ貿易の優位を保てなくなるという危機感を持っていました。支配が安定的になってきた1888年にはタジュラ湾沿岸にジブチ市を建設し、本格的に国際貿易の中継地として活用を始め、1896年にはフランス領ソマリランドの名で正式に植民地化したフランスですが、一方で域内の他の地域に対する関心は非常に薄く、二大民族であるソマリ系イッサ人エチオピア系アファール人が対立と均衡を繰り返す伝統的な勢力図が維持されていました。そのため独立に向けた運動が活発化するのも他のアフリカ諸国に比べると遅く、1967年に実施された住民投票でもフランス領に留まる票が多数を占めました(その際、植民地の名称をフランス領アファール・イッサと改称)。そんなジブチでも住民投票以降、独立を目指す動きが徐々にその芽を吹き出し、二大民族がそれぞれ個別の政党を結成してフランスと対話を重ねます。その中で当然主導権争いも起きましたが、やがて人口比率でアファール人を上回るイッサ人がペースを握り、1977年にイッサ人の盟主を初代大統領とするジブチ共和国として独立しました。その後もイッサ人が牛耳る政府に反発したアファール人が武装闘争を繰り広げたものの、1994年にアファール人穏健派、2001年には同強硬派が政府と和平を結び、両民族がなるべく平等に政権に参画できる機会を作ることで合意したため、現在は安定的な政情が保たれています。

ジブチ国旗は植民地時代の1972年に考案され、1977年の独立と同時に正式に制定されました。国の二大民族であるイッサ人のシンボルである青と、アファール人の民族色である緑が大きな面積を占めると同時に、青はジブチの空と海を、緑は大地を、白は平和と平等を、赤い星は国家の統一と独立のために流された血を象徴します。前述の二大民族の対立により内戦に陥った過去への反省から、国旗は独立に向けて共に血を流し、同じ海と大地を戴く平等な2つの民族が、対立を乗り越え、団結して平和な国家を築こうという意思を体現しています。その一方で、5つの光を放つ赤い星はソマリ系諸部族が住む主要5地域の象徴(詳しくはソマリアの記事を参照のこと)でもあり、ここからこの国の主導権はソマリ系のイッサ人が握っていることも読み取れるでしょう。

縦横比:4対7


ジブチ共和国
Jamhuuriyadda Jabuuti (ジャムフーリヤッダ・ジャブーティ)
Gabuutih Ummuuno (ガブーティー・ウンムーノ)
جمهورية جيبوتي (ジャムフーリーヤ・ジーブーティ)
République de Djibouti (レピュブリック・デュ・ジブーティ)
Republic of Djibouti (リパブリック・オブ・ジブーティ)

Map_of_Djibouti.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約2.3万km² (四国の約1.3倍)
人口:約90万人
都市人口率:77.3%
首都・最大都市:ジブチ (ソ:Magaalada Jabuuti)
               (アファ:Magaala Gabuutih アラ:مدينة جيبوتي)
               (仏:Ville de Djibouti 英:Djibouti City)
主要民族:ソマリ人(イッサ族が大半。少数のディル族も含む)60%
       エチオピア系アファール人35%
       他に少数のアラブ人、フランス人など。
主要言語:アラビア語とフランス語が公用語。アラビア語はイスラム教の
       行事や中東諸国との貿易・交流で、フランス語は教育・行政
       言語として用いられることが多い。ただしほとんどの国民はソ
       マリ語かアファール語を母語として用いており、2つの公用語
       は必要に応じて後から習得する言語である。
主要宗教:イスラム教(国教)94%
        スンナ派がほとんど
       キリスト教6%
        エチオピア正教会とローマ・カトリック教会がほとんど

[政治・軍事]
独立:1977年6月27日
国連加盟:1977年9月20日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期5年、再選制限なし。
    (ただし在任は75歳までに制限)
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    首相は大統領が任命。
    他の閣僚は首相との協議に基づき、大統領が任命。
議会:一院制の代議院(単に国会とも)
    65議席。直接選挙制(大選挙区制)、任期4年。
政党制:進歩人民連合による一党優位制。
     (形式上は多党制)
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:不明 (4000~6000万米ドルと推計される)
軍組織:ジブチ軍
     陸軍8000人
     海軍200人
     空軍250人
     国家憲兵隊2000人

[経済・通信・その他]
中央銀行:ジブチ中央銀行
通貨:ジブチ・フラン (franc, DJF)
国内総生産(GDP):15億8900万米ドル
1人当たりGDP:1785米ドル
GDP構成比:農林水産業2.8%
        鉱工業16.4%
        サービス業80.8%
労働人口:不明 (30万人前後と推計される)
失業率:不明 (50~60%と推計される)
輸出額:1億4200万米ドル
輸出品:再輸出品、家畜、木炭、皮革、貨物コンテナ
輸出先:ソマリア80%、米国5%、イエメン5%、UAE4%、サウジアラビア4%
輸入額:10億3800万米ドル
輸入品:機械類、鉄鋼、衣類、小麦、野菜、自動車、精製石油、米、ゴム製品
輸入元:中国42%、サウジアラビア14%、インドネシア6%、インド4%、エチオピア4%
固定電話回線数:2万3000回線
携帯電話回線数:31万2000回線
国別電話番号:253
ccTLD:.dj
インターネット利用者数:約10.5万人
車両通行:右側通行
平均寿命:63.3歳 (男性60.7歳、女性65.8歳)

[日本との関係]
国交樹立:1977年6月27日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:22人 (永住者無し)
相手輸出額:85万米ドル
相手輸出品:再輸出品がほとんど
日本公館:大使館 (ジブチ)
在留日本人数:40人 (永住者無し)
日本輸出額:6030万米ドル
日本輸出品:機械類、船舶、鉄鋼、自動車、精密機器、ゴム製品
現行条約:1999年 青年海外協力隊派遣取極
       2005年 技術協力協定
       2009年 自衛隊等の地位に関する交換公文
            (事実上の地位協定)


《国歌「ジブチ」》
制定:1977年
作曲:アブディ・ロブレー
作詞:アデン・エルミ

力強く立ち上がれ!
我らの掲げし旗のために。
この上ない乾きと痛みを乗り越え、
ようやく手にした我らの愛しき旗。
我らが旗、
それは永遠の大地の緑、青き空の青、平和の白。
その中に位置するのは、鮮血の赤き星。
おお、我らが旗よ。
その素晴らしき姿よ!

《国名の由来》
国土に大きく食い込んだタジュラ湾の最深部を表す地名で、アファール語でドアマット(特にヤシの繊維で出来たもの。最深部を入り口と見立てたものか)を表すgabouti(ガブーティ)とする説と、ソマリ語で「ダウ船の停泊地」を意味するdji et bout(ジ・エ・ブート)とする説がある。ダウ船とは中世のアラブ人が用いていた帆船の一種。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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