サンマリノ

サンマリノ
San Marino (サン・マリーノ) (イタリア語、英語)

Flag_of_San_Marino.png

南ヨーロッパのイタリア半島に位置する山岳国サンマリノは、国土の四方全てをイタリアに囲まれた内陸国です。古くから農業国として知られてきましたが、世界の独立国の中で5番目に小さな国土と山がちな地形という悪条件を持つため、大規模な農業は不可能です。しかし同時に、土壌そのものは極めて肥沃で、わずか3万人余りの小国では輸出の余力すらある充分な生産力を維持しています。とりわけ特産のブドウから作られるワインは、生産量だけを見れば世界的なワイン大国として知られるフランスやイタリアには遠く及びませんが、サンマリノ政府が直々に厳しい規定を設けてブランドの保護に努めているため、品質に関しては世界トップクラスとされる非常に高い評価を獲得しています。一方、現代のサンマリノ経済を支えているのは何と言っても観光業。後述のように、非常に古い歴史に育まれた城塞国家サンマリノには独特な建造物や伝統が息付いており、ヨーロッパ諸国から手軽に行ける距離も相まって、年間数百万人の外国人観光客がこの国を訪れます。また、サンマリノ自体は直接海に接しているわけではないものの、国土全体が高地かつイタリア領を挟んでアドリア海を一望できる絶好の位置にあり、リゾート地としても人気を博しています。ちなみにF-1好きの方にとってはサンマリノ・グランプリ(GP)の名で知られた国でしたが、実際はサンマリノにサーキットを作るような土地はなく、隣接するイタリアのエミリア=ロマーニャ州イモラで開催されていました。しかし2007年にF-1GPの開催規則が厳格化され、例外なく1国1開催となったため、既にロンバルディア州モンツァをイタリアGPの舞台としていたイタリアは、どちらかを廃止せねばなりませんでした。結局、「イタリア」の名を冠したモンツァのGPが維持され、イモラのサンマリノGPは同年を以って廃止されています。

サンマリノの歴史は古く、伝説によれば、4世紀頃にマリヌスというダルマチア地方(現クロアチア南部)の石工が、ディオクレティアヌス帝が率いるローマ帝国によるキリスト教迫害から逃れるため、仲間と共に天然の要塞たるティターノ山を中心とするこの地に拠点を置いたのが始まりとされています。国名もずばり聖マリヌスという意味で、首都のサンマリノ市はこの時にマリヌス達が築いた集落を母体としているとのこと。サンマリノはその後も周辺に少しずつ勢力を広げながら独立状態を保ち続け、6ヶ月ごとに交代する2名の執政を元首とする特異な共和制を維持しましたが、19世紀にサルデーニャ王国の主導でイタリア統一運動(リソルジメント)が起こった際には、反発する諸外国の圧力に屈することなくこれを積極的に支援しました。その甲斐もありサルデーニャは半島諸国を次々に平定し、1861年にイタリア王国を建国するところまでこぎつけたものの、新生イタリアはリソルジメントに貢献したサンマリノだけは特例として敢えて併合せず、逆に友好協力条約の締結を打診。その内容はサンマリノをイタリアに組み込まず、今後も独立国家として存続することを認め、更に有事の際にはイタリアが同国を保護する義務を負うという、サンマリノにとっては破格の好条件で、1862年に条約は正式に締結されました。イタリア語を話すイタリア系住民の国でありながら、サンマリノが現在まで独立を保っている背景には、こうした複雑な歴史が絡み合っているんですね。またこのような建国と国家発展の経緯から、サンマリノは現存する世界最古の共和国と呼ばれており、これをアイデンティティとするサンマリノ人は非常に誇り高い国民性で有名です。

国旗は1862年にイタリアと友好協力条約を締結したことにより、改めてサンマリノが独立国であると確認されたことを記念するものです。白はティターノ山の雪とその上に浮かぶ雲、そして平和を、薄い青は自由と広大な空を表します。中央の国章には安定の象徴である樫と自由を示す月桂樹の葉、ティターノ山に置かれた3つの要塞(左からグアイダチェスタモンターレと呼ばれます)、主権を表す王冠が配され、下部のリボンにはラテン語で「自由」と書かれています。民間では国章の無いシンプルな2色旗を使うことも多いようですが、2011年に国章入りの旗のみを唯一の国旗と見なす決議がサンマリノ議会を通過してからは、白と青のみの民間旗の使用は減少していく傾向にあります。

縦横比:3対4

【旧国旗】
Flag_of_San_Marino_(1465-1862).png (★See below)
1465年から現国旗が制定される1862年まで用いられた国旗です。配色の意味などは不明ですが、ティターノ山の3つの要塞、イタリア語の自由という意匠はこの頃から既に使われていました。


サンマリノ共和国
Repubblica di San Marino (レプッブリカ・ディ・サン・マリーノ)
Republic of San Marino (リパブリック・オブ・サン・マリーノ)

Map_of_San_Marino.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:ヨーロッパ
面積:約61km² (八丈島よりわずかに小さい)
人口:約3.2万人
都市人口率:94.2%
首都:サンマリノ (伊・英:San Marino)
最大都市:セラヴァッレ (伊・英:Serravalle)
主要民族:イタリア系サンマリノ人98%
       イタリア人2%
主要言語:イタリア語が公用語。中でも北イタリアで話されるガロ・
       イタリア語系のロマニョール方言が主流で、国家全体の
       日常言語として使用される。政府機関ではトスカーナ方
       言を基礎として成立した標準イタリア語が用いられる。
主要宗教:キリスト教98%
        ローマ・カトリック教会97%
        プロテスタント諸派1%
       無宗教1%
       極少数のユダヤ教など。

[政治・軍事]
建国:301年9月3日(伝承上)
国連加盟:1992年3月2日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:執政(2名)
    議会が選出、任期6ヶ月(毎年4月1日と10月1日に交替)。
    3年以内に同一人物を再選することは禁止されている。
政府:国家会議(内閣に相当)
    各長官(閣僚)は議会が選出。
    外務・政務担当国務長官が事実上の首相格。
議会:一院制の大総会(大評議会とも)
    60議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:なし (正規軍なし)
備考:城壁警備隊、国家憲兵隊、大総会警護隊など複数の組織が
    存在するが、いずれも軍というよりは治安組織(警察)程度の
    役割を果たすに過ぎず、サンマリノは国際法上は軍隊を持た
    ない国家と見なされる。なお、国防に関してはイタリアが責任
    を負う。

[経済・通信・その他]
中央銀行:サンマリノ共和国中央銀行
通貨:ユーロ (euro, EUR, 注1)
国内総生産(GDP):18億4500万米ドル (2014年)
1人当たりGDP:5万8393米ドル (2014年)
GDP構成比:農林水産業1%以下
        鉱工業35~40%
        サービス業60~65% (2014年推計値)
労働人口:2.2万人
失業率:8.7%
輸出額:1億2900万米ドル
輸出品:機械類、化学薬品、衣類、野菜、家具、皮革、果物、アルミ製品
輸出先:オーストリア12%、ルーマニア11%、ブラジル7%、ドイツ7%、米国7%
輸入額:2億8800万米ドル
輸入品:電力、アルミ原料、鉄鋼、天然ガス、衣類、履物、自動車、機械類、紙類
輸入元:ドイツ16%、イタリア15%、オランダ10%、ルーマニア9%、ポーランド9%
貿易備考:経済的にイタリアと単一市場を構成しているため、サンマリノ
       のみの独自の統計数値は算出が非常に困難であり、サンマ
       リノ政府も厳密な集計はできていない。上記の統計では、他
       国への再輸出、および再輸出のための輸入は原則として含
       んでいないが、概算値であることは考慮されたい。
固定電話回線数:1万7000回線
携帯電話回線数:3万7000回線
国別電話番号:378
ccTLD:.sm
インターネット利用者数:不明 (2万人前後と推計される)
車両通行:右側通行
平均寿命:83.4歳 (男性80.7歳、女性86.1歳)

[日本との関係]
国交樹立:1972年5月(領事関係の樹立。事実上の国交樹立)
       1996年11月(公式な国交樹立)
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:3人 (永住者1人)
相手輸出額:不明 (300~400万米ドルと推計される)
相手輸出品:詳細不明 (対イタリア貿易に包括されている)
日本公館:無し (駐イタリア大使館が兼轄)
在留日本人数:7人 (永住者3人)
日本輸出額:不明 (200~300万米ドルと推計される)
日本輸出額:詳細不明 (対イタリア貿易に包括されている)
現行条約:1968年 査証(ビザ)相互免除取極

(注1)
かつてはイタリア・リラ(lira, ITL)と、その付属通貨として硬貨のみ発行されていたサンマリノ・リラ(lira, SML)を併用していた。その後、イタリアの通貨がユーロに移行したのに伴い、ヨーロッパ連合(EU)非加盟国ながら、特例でユーロ使用が認められた。


《国歌「共和国国歌」》
制定:1894年
作曲:フェデリーコ・コンソーロ
作詞:無し
備考:公式の歌詞は存在しない。

《国名の由来》
建国者と伝えられる聖マリヌスのイタリア語読み。詳細は前述。

公式国名の最初にイタリア語で「高貴な」や「清浄な」を意味する最上級形容詞Serenissima(セレニッスィマ)が付け加えられることがある(英語ではMost Serene)。これはイタリア半島がいくつもの小国に分裂していた時代の名残で、かつてのヴェネツィア共和国なども用いていたイタリアの都市共和国の雅称。サンマリノ政府が公式に用いることは無いが、同国が当時の名残を留める唯一の国であることをうかがわせる。


★(c) 2008 Oren neu dag CC BY-SA 3.0 外枠付加

コメント

非公開コメント

プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

【タディの国旗の世界】
【駐京雑記】
【ぷらずま式改】
QRコード
QRコード
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

Flag counter