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サントメ・プリンシペ

サントメ・プリンシペ
São Tomé e Príncipe (ポルトガル語)
Sao Tome and Principe (英語)

Flag_of_Sao_Tome_and_Principe.png

アフリカ西部のギニア湾に浮かぶサントメ・プリンシペは、サントメ島プリンシペ島という2つの主島と、その周辺の小島を領土とする島国です。国土は全て火山島であり、その土壌は火山灰がもたらす天然のミネラルを豊富に含んでいるため、農業に適した環境を持つうえ、アフリカ大陸本土に向かう船の寄港地としてちょうど良い位置にあるため、大航海時代の15世紀後半に西洋人として初めてこの地を発見したポルトガル人が入植を推進。同世紀末までに諸島の植民地化を完了させました。その後は長らくアフリカ本土から黒人を連行して農奴とし、サトウキビやカカオの栽培を中心としたプランテーション農業が営まれましたが、20世紀に入ると白人支配に対する不満が顕在化するようになり、情勢は不安定化。また第二次大戦後からは国際社会が植民地という統治形態そのものを悪と見なすようになったため、本国は国際的な非難を回避しようと1951年に島々を「海外州」という地位に格上げし、植民地ではなく本国の一部であるという建前を根拠に、支配継続を正当化しようとします。しかし現地人が置かれた状況は相変わらず過酷なもので、1953年に発生した大規模な暴動を皮切りに、独立運動が過熱していきました。

やがて独立運動は、マヌエル・ピント・ダコスタにより1960年に設立されたサントメ・プリンシペ解放運動(MLSTP)により組織化され、反ポルトガル闘争が続けられましたが、本国は植民地の維持に固執し、両者の対立は改善されませんでした。転機となったのは1974年に本国で起こったカーネーション革命と呼ばれる体制変革で、それまで敷かれてきた権威主義的な支配が終焉。それに伴い成立した新政府は全植民地の独立を承認し、翌1975年にサントメ・プリンシペ民主共和国の独立が達成されました。以後はダコスタ初代大統領率いるMLSTPの社会主義一党制が続きましたが、国民の不満を受けて1990年に民主化し、今では複数政党制が実質的に機能しているアフリカで数少ない民主主義国家となっています。一方、経済的には国土の小ささや、離島という地理的な不利を背負うこともあり、貧しい状態が続いています。植民地時代は自給用作物ではなく、本国向けの換金作物(カカオやコーヒーなど)ばかりが栽培されたうえ、独立後も資金不足でその状態から抜け出すことができず、農業国でありながら多くの食料を輸入に頼る状況に陥っています。そのためにはたくさんの外貨が必要となりますが、細々と輸出される農産品だけでは輸入代金をまかない切れず、またインフラ整備の遅れから観光業も振るわないこの国が潤沢な外貨を獲得するのは容易ではないため、外国からの援助や借金がなければ生活もままならない状態です。その結果として、国内総生産(GDP)の何倍という巨額の対外債務を抱えることとなり、今では重債務貧困国(HIPC)に認定されてしまいました。しかし2000年代に入ると近海に有力な海底油田が発見され、石油産業のノウハウを持つナイジェリアと共同開発を行うことを決定。そう遠くない将来には石油輸出国となる見込みが立ち、巨額の収入が見込まれるなど明るいニュースも聞かれ、この小さな島国にも経済的自立のチャンスが生まれています。

サントメ・プリンシペの国旗は1975年の独立と同時に制定されたもので、独立運動を主導したMLSTPが1990年に一党独裁体制を放棄するまで用いていた旧党旗とほぼ同じデザインが採用されています(旧MLSTP党旗との唯一の違いは黄帯の幅。旧党旗のほうが国旗より少し黄帯が細い)。この旗の配色にはエチオピア国旗に範をとった赤、黄、緑の汎アフリカ色が用いられ、アフリカ諸国との連帯意識が体現されているほか、赤は独立のために流された血、黄は肥沃な国土と地下資源、緑は豊かな農業と植生を表します。黄帯の中に配された2つの黒い星は、国民のほとんどを占める黒人の誇りと、国を構成するサントメ島とプリンシペ島の主要2島を象徴しています。

縦横比:1対2


サントメ・プリンシペ民主共和国
República Democrática São Tomé e Príncipe
Democratic Republic of Sao Tome and Principe


Map_of_Sao_Tome_and_Principe.gif

統計データは原則として2016年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約964km² (佐渡島より少し大きい)
人口:約20万人
都市人口率:66.2%
首都・最大都市:サントメ (葡:São Tomé 英:Sao Tome)
民族:以下の3グループで人口のほとんどを占める(割合不明)。
   ●フォロス(黒人解放奴隷の子孫)
   ●アンゴラーレス(アンゴラ出身の解放奴隷の子孫)
   ●メスティーソ(黒人とポルトガル系白人の混血)
   そのほか、ポルトガル語を公用語とする他のアフリカ諸国か
   らの出稼ぎ労働者、少数のポルトガル人、中国人など。
言語:ポルトガル語が公用語で、国民の大半が理解可能だが、標準
   的なポルトガル語は政府機関や教育など公共性の高い場で使
   用されることが多く、国民の8割はフォロ語と呼ばれるポル
   トガル語系のクレオール言語を日常的に用いる。また、ある
   程度の教育を受けた層であればフランス語も通じる。
宗教:キリスト教82%
    ローマ・カトリック教会72%
    プロテスタント諸派10%
   無宗教14%
   イスラム教3%

[政治・軍事]
独立:1975年7月12日
国連加盟:1975年9月16日
政治体制:共和制、半大統領制
元首:大統領
   直接選挙制、任期5年、3選禁止。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
   首相は議会が選出し、大統領が任命。
   他の閣僚は首相の提案に基づき、大統領が任命。
議会:一院制の国民議会
   55議席。直接選挙制(比例代表制)。任期4年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:不明 (100万米ドル前後と推計される)
軍組織:サントメ・プリンシペ軍
    総数約600人。陸軍と沿岸警備隊に分けられる。
    個々の組織の保有兵員数は不明。

[経済・エネルギー]
中央銀行:サントメ・プリンシペ中央銀行
通貨:ドブラ (dobra, STD)
国内総生産(GDP):3億5100万米ドル
1人当たりGDP:1756米ドル
GDP構成比:農林水産業11.8%
      鉱工業14.8%
      サービス業73.4%
労働人口:7.3万人
失業率:13.6%
輸出額:1360万米ドル
輸出品:カカオ豆とカカオ製品、香辛料、果物、鉄くず、再輸出品
輸出先:ドイツ23%、オランダ14%、ポルトガル10%、アンゴラ6%、韓国5%
輸入額:1億3800万米ドル
輸入品:機械類、米、小麦、飲料、自動車、肉類、鉄鋼、食用油、セメント
輸入元:ポルトガル59%、アンゴラ15%、中国5%、スペイン2%、ベルギー2%
発電量:6600万kWh
    (火力80%、水力20%)
電力消費量:6140万kWh (1人当たり307kWh)
電力輸出量:0kWh
電力輸入量:0kWh

[通信・その他]
固定電話回線数:7000回線
携帯電話回線数:13万2000回線
国別電話番号:239
ccTLD:.st
インターネット利用者数:約5.0万人
車両通行:右側通行
平均寿命:65.0歳 (男性63.6歳、女性66.3歳)

[日本との関係]
国交樹立:1975年7月22日
相手公館:無し (日本を兼轄する他国駐在公館も無し)
駐日相手国人数:1人 (永住者無し)
相手輸出額:5万米ドル
相手輸出品:カカオ豆のみ
日本公館:無し (駐ガボン大使館が兼轄)
在留日本人数:0人
日本輸出額:119万米ドル
日本輸出品:米、自動車、ゴム製品、機械類
現行条約:2006年 技術協力協定


《国歌「完全なる独立」》
制定:1975年
作曲:マヌエル・ドス・サントス・バッレト・デ・ソーサ・エ・アルメイダ
作詞:アルダ・ネヴェス・ダ・グラサ・ド・エスピリト・サント

完全なる独立。人民の栄光ある歌。
完全なる独立。戦いの聖なる賛歌。

国家の闘争における力強さ。
独立国家サントメ・プリンシペに対する永遠の誓い。
武器も無く戦った戦士たち。
人民の魂の中で燃え上がる炎。
不滅の祖国に集まった島々の息子たち。
完全なる独立。完全にして完璧な独立。
進歩と平和の中で建てよう。
英雄たる人民の手で、地上で最も幸せな国を。

《国名の由来》
サントメ島とプリンシペ島の合成地名で、共にポルトガル語に由来。サントメは「聖トマス(イエスの十二使徒の1人)」を表すが、これはポルトガル人が島を1470年または1471年の12月21日に発見したことから(聖トマスが没した日)。プリンシペは「王子」を表す単語で、1502年よりこの島に対する税がポルトガル本国の王子へ支払われ始めたことに由来。余談だが、この税は現金や穀物ではなくサトウキビだったという。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と2女1男の5人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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