トリニダード・トバゴ

トリニダード・トバゴ
Trinidad and Tobago (トゥリニダード・エンド・トベィゴウ) (英語)

Flag_of_Trinidad_and_Tobago.png

トリニダード・トバゴ共和国は、中米のカリブ海南部に浮かぶトリニダード島とトバゴ島を主要な領土とする多民族国家です。国土の94%、人口の97%を占める主島のトリニダード島は、カリブ海で随一の大規模な油田とガス田を抱える域内屈指のエネルギー供給拠点であり、この国をカリブ諸国トップの経済国へと押し上げる原動力となっているほか、近年は工業化も進展し、伝統的な食品加工などの軽工業に加えて、鉄鋼の精錬や、米国に本社を置く大企業の下請け業者が担う電子機器部品の生産、そして自国産のみならず、周辺諸国からも原油を輸入し、精製して付加価値を与えた上で輸出する、といった重工業・ハイテク産業にも携わっています。大半の島が農業と観光業に依存するカリブ海において、これほど多様かつ活発な産業活動が行われている島はトリニダード島ぐらいなものであり、必然的にこの国は域内のリーダー国家として名を馳せるようになりました。また、レゲエで知られるジャマイカと並んで、カリブの地域文化の発信地としても注目されており、トリニダード島で生まれたリンボーダンスやスチールドラムは日本でも多くの愛好家が生まれています。一方、もう1つの主島であるトバゴ島は人口が希薄なため、都会が多く騒がしいトリニダード島に比べて遥かに落ち着いた土地柄であるうえ、手付かずの自然が数多く残されており、休暇中の外国人向けのリゾート地として人気を博しています。

トリニダード・トバゴには、かつて先住民であるカリブ族やアラワク族(いずれもインディオ系)が住んでいましたが、16世紀に入ると大航海時代で全盛期を迎えていたスペインに征服され、奴隷化やヨーロッパから持ち込まれた疫病によって先住民はほぼ全滅しました。その後、アフリカから連れてこられた黒人奴隷を使った大規模な砂糖のプランテーション農業が営まれる一方、富を求めるヨーロッパ諸国による領有権争いが激しさを増し、紛争が勃発。やがて戦局はいち早く産業革命を終え、急速に国力を増強させていたイギリスが優勢となり、19世紀初めに両島のイギリス帰属が確定しました。しかしこの頃から奴隷制廃止運動が盛んとなったため、イギリス本国は島への労働力の供給源をアフリカからインドに転換。奴隷ではなく、格安で雇用できる労働者として島への移住を強力に推進し、インド系住民の数が飛躍的に増加しました。以後、この国ではインド系と黒人という二大集団を、少数の白人が支配するという形態が定着することになりましたが、第二次大戦後、イギリス本国が植民地を維持する国力を失うと、現地人の間に蓄積されてきた不満が噴出。これを抑えられなくなったイギリスは、1956年にトリニダード・トバゴを自治領に昇格させ、適切な準備期間を経た後であれば独立も承認すると約束しました。またこの頃、カリブ海のイギリス領の島々で連邦を組み、1つの国家として独立しようという動きが活発化。1958年には自治国として西インド連邦が結成され、トリニダード・トバゴもその一員となりました。しかし、連邦はトリニダード・トバゴとジャマイカの間で熾烈な主導権争いが起きたため形骸化し、1962年に解体。それに伴いトリニダード・トバゴも独立を達成し、単独の主権国家としての道を歩むことになりました。なお、独立当初の政治体制は英連邦王国(独立後も引き続きイギリス王が現地の王を兼ねる立憲君主国)でしたが、1976年に現地人の大統領を戴く共和制に移行しています。

1962年の独立と同時に制定されたトリニダード・トバゴ国旗の意匠は、独立に先立って自治政府が選任した国旗制定委員会が考案したものです。国旗の配色は、赤は国民の活力と寛容さ、そして降り注ぐ太陽の光を、白は多民族国家トリニダード・トバゴにおける全国民の平等と純粋さを、黒は民衆の力強さと団結を表します。また、白い帯が2本並んでいるのは、国を構成する2つの主島と、それを隔てる海の象徴でもあります。ちなみに、トバゴ島は1987年に内政自治権を獲得して以来、行政府を兼ねるトバゴ島議会の統治下にありますが、独自の地域旗は制定されていません。

縦横比:3対5


トリニダード・トバゴ共和国
Republic of Trinidad and Tobago
(リパブリック・オブ・トゥリニダード・エンド・トベィゴウ)


Map_of_Trinidad_and_Tobago.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (カリブ海)
面積:約5128km² (福岡県より少し大きい)
人口:約135万人
首都:ポートオブスペイン (英:Port of Spain)
最大都市:チャグアナス (英:Chaguanas)
都市人口率:8.4%
主要民族:インド系35%
       アフリカ系黒人34%
       混血系(白人と黒人の混血であるムラートなど)23%
       他に少数の中国系やヨーロッパ系白人など。
       (ただしトバゴ島はアフリカ系黒人が大半)
主要言語:英語が公用語であり、政府機関や教育、商業の場といった
       公的な場で使用されるが、日常会話では英語系のクレオー
       ル言語が広く使用される。他にスペイン語など。
主要宗教:キリスト教63%
        ローマ・カトリック教会22%
        福音派(ペンテコステ派を含む)12%
        バプテスト教会7%
        聖公会6%
        セブンズデー・アドヴェンティスト教会4%
        長老派教会2~3%
        少数のメソディスト派など。
       ヒンドゥー教18%
       神は信じるが特定の信仰を持たない11%
       イスラム教5%
       無宗教2%

[政治・軍事]
独立:1962年8月31日
国連加盟:1962年9月18日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    上下両院議員で構成される選挙人団が選出。
    任期5年、3選禁止。
政府:内閣
    大統領が下院最大会派の指導者を首相に任命。
    他の閣僚は首相の指名に基づき、大統領が任命。
議会:二院制の国会
    ●元老院(上院)
     31議席。16議席は与党代表者である首相が、6議席は
     最大野党の党首が、残る9議席は大統領が任命する。
     任期5年。
    ●代議院(下院)
     41議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期5年。
政党制:統一民族会議と人民国家運動による二大政党制。
     前者はインド系、後者は黒人系が主な支持基盤。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:2億3400万米ドル
軍組織:トリニダード・トバゴ国防軍
     連隊3000人 (事実上の陸軍)
     沿岸警備隊1100人
     航空警備隊1000人以下

[経済・通信・その他]
中央銀行:トリニダード・トバゴ中央銀行
通貨:トリニダード・トバゴ・ドル (dollar, TTD)
国内総生産(GDP):278億600万米ドル
1人当たりGDP:2万444米ドル
GDP構成比:農林水産業0.5%
        鉱工業37.9%
        サービス業61.6%
労働人口:65万人
失業率:3.2%
輸出額:118億1000万米ドル
輸出品:天然ガス、精製石油、原油、有機化合物、鉄鋼、葉タバコ、飲料
輸出先:米国26%、アルゼンチン12%、ブラジル7%、チリ5%、ドミニカ共和国5%
輸入額:83億8600万米ドル
輸入品:機械類、船舶、自動車、原油、鉄鉱石、穀物、乳製品、化学薬品
輸入元:米国36%、中国7%、ガボン7%、ブラジル6%、ロシア6%
固定電話回線数:27万1000回線
携帯電話回線数:212万3000回線
国別電話番号:1-868
ccTLD:.tt
インターネット利用者数:約94万人
車両通行:左側通行
平均寿命:72.9歳 (男性69.9歳、女性75.9歳)

[日本との関係]
国交樹立:1964年5月
相手公館:無し (駐インド大使館が兼轄)
駐日相手国人数:99人 (永住者13人)
相手輸出額:6530万米ドル
相手輸出品:天然ガスが6割、有機化合物が3割、他に銅くず、カカオ豆
日本公館:大使館 (ポートオブスペイン)
在留日本人数:43人 (永住者7人)
日本輸出額:2億6600万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、精密機器、ゴム製品
現行条約:特に無し


《国名の由来》
トリニダード島とトバゴ島の合成地名。トリニダードはクリストファー・コロンブスが1498年7月31日にこの地に到達した際、キリスト教の三位一体(注1)にちなんで名付けたとされる。三位一体はスペイン語でTrinidad(トリニダッド)、英語でTrinity(トリニティ)という。

一方、トバゴは先住民が使用していた煙草(タバコ、tobacco)が訛ったもの。

旧国名
1962-
1976
 トリニダード・トバゴ
(英)Trinidad and Tobago


(注1)
「さんみいったい」と読む。イエス・キリストと聖霊と神は同一であるという教義で、キリスト教の大多数の宗派が共通して持っている認識。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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