エストニア

エストニア
Eesti (エストニア語)
Estonia (英語)

Flag_of_Estonia.png

1991年にソ連から独立したエストニアは、ヨーロッパ北東部のバルト三国の中で最も北に位置します。エストニア人はフィン系民族に属し、バルト海最深部の湾を挟んで向かい合うフィンランドとは歴史、民族、文化など多くの面で近い関係にあります。ソ連時代には連邦屈指の産業地帯として知られ、独立後も首都タリンなど各地にある中世の美しい街並みを利用した観光業や、1990年代半ばより急速な発展を見せたIT産業(ちなみにスカイプの発明国です)により、域内屈指の経済成長を実現しました。まだ西欧の先進国には及ばないにせよ、2004年にヨーロッパ連合(EU)への加盟を果たし、2007年には世界で初めて国政選挙にインターネットを活用した電子投票を導入し、2011年に旧ソ連圏で初めてユーロ参加国となるなど、他のバルト三国(ラトビア、リトアニア)や東欧の旧社会主義圏と比べて一歩先を進んでいる印象がありますね。

エストニアの地は古くからフィン系民族の勢力圏として知られましたが、中世にはドイツ騎士団、デンマーク、スウェーデンといったゲルマン文化圏の属領となり、その中でキリスト教を受容しました。18世紀初頭にロシアがスウェーデンを破った大北方戦争の結果、1721年からおよそ200年にわたってロシアの支配を受けたものの、迫害の中でかえって民族意識を高めたエストニア人は同化することなく、抵抗運動を繰り広げます。これは1917年に発生したロシア革命期に身を結び、中央政府の弱体化に乗じて1918年に独立を宣言しました(1920年に正式承認)。しかし小さなエストニアの力では大国の圧力や政情不安を退けることができず、1939年に締結された独ソ不可侵条約付属の秘密議定書により、翌1940年には再びソ連に併合されてしまいます。その後、再独立を要求するエストニア人の動きはソ連当局により弾圧されてきましたが、ペレストロイカが進んだ1980年代後半からラトビア、リトアニアの同様の運動とも連携し、独立を求める声が域内で急速に拡大。改革による混乱で国力が急速に衰退していたソ連はこれを抑えきることができず、連邦崩壊直前の1991年8月にようやくエストニアは独立を回復しました。このような経緯からエストニアは現在もロシアに対する不信感が強く、しばしば国内に残留しているロシア人の国籍や処遇をめぐって係争が起こっています。

エストニアの国旗は、ロシア支配下の1881年にエストニア学生協会が組織旗として作成した旗を、1918年の独立に際して採用したものです。ソ連時代は掲揚が禁止されていましたが、1991年の再独立により復活しました。青は海や湖に彩られたエストニアの空を、黒は肥沃な黒土を持つエストニアの土壌と外国に支配された暗黒の過去を、白は寒冷なエストニアに降る雪と人々の幸福、純粋さ、そして明るい未来を象徴します。現国旗のデザインには横三色旗が採り入れられていますが、前述のように北欧のフィンランドと近い関係にあり、歴史的にもデンマーク、スウェーデンという北欧国家の一部だった期間が長かったことから、配色はそのままで意匠のみ北欧諸国と共通のスカンディナヴィア十字に変更しようという動きが一部にあります。

縦横比:7対11

【旧国旗】
Estonian SSR
ソ連を構成していた15共和国の1つ、エストニア・ソビエト社会主義共和国の国旗です。1953年から1990年まで用いられました。ソ連時代の各共和国の国旗はソ連国旗にそれぞれの意匠を盛り込んだものでしたが、意匠の意味は考慮されず、この旗も単にエストニアが海に面していることから波型がつけられたに過ぎません。


エストニア共和国
Eesti Vabariik
Republic of Estonia

Map_of_Estonia.gif

統計データは原則として2016年時点のもの。

[地理]
位置:ヨーロッパ
面積:約4.5万km² (九州の約1.2倍)
人口:約132万人
首都・最大都市:タリン (エ・英:Tallinn)
都市人口率:67.4%
民族:エストニア人69%
   ロシア人25%
   ウクライナ人2%
   ベラルーシ人1%
   他に少数のフィン人、ユダヤ人、ラトビア人など。
   南東部にはエストニア人の近縁民族であるヴォロ人も存在。
言語:フィン系のエストニア語が公用語で、住民の8割以上が母語
   か、生活上の必要言語として習得している。都市部や東部を
   中心に1割半の住民がロシア語を使用するが、政府はエスト
   ニア語の使用を国籍付与の条件としており、ロシア語のみを
   話す住民を排除する方針を打ち出している。なお、南東部で
   はエストニア語に近いヴォロ語も話されるが、こちらは政府
   も地方言語として公認している。
宗教:無宗教54%
   神は信じるが特定の信仰は持たない17%
   キリスト教28%
    正教会16%
    ルター派10%
    少数のバプテスト教会、ローマ・カトリック教会など。
   極めて少数だが、キリスト教流入以前から現存するエストニ
   ア人古来の自然崇拝を保つ地域があるほか、外国からの移民
   が信仰するイスラム教なども存在。

[政治・軍事]
独立:1918年2月24日(帝政ロシアから)
   1991年8月20日(ソ連から)
国連加盟年:1991年9月17日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
   議会が選出。任期5年。3選禁止。
政府:内閣
   大統領が議会最大会派の指導者を首相に任命。
   他の閣僚は首相が任命するが、議会の承認が必要。
議会:一院制のリーギコグ(国会と訳される)
   101議席。直接選挙制(比例代表制)。任期4年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:4億9400万米ドル
軍組織:エストニア国防軍
    陸軍6400人
    海軍200人
    空軍250人
    防衛連盟(カイツェリート)1万5500人

[経済・エネルギー]
中央銀行:エストニア銀行 (注1)
通貨:ユーロ (euro, EUR, 注1)
国内総生産(GDP):231億3700万米ドル
1人当たりGDP:1万7575米ドル
GDP構成比:農林水産業3.4%
      鉱工業27.9%
      サービス業68.7%
労働人口:69万人
失業率:6.8%
輸出額:123億6000万米ドル
輸出品:機械類、木材、家具、自動車と部品、精製石油、鉄鋼、化学薬品
輸出先:スウェーデン18%、フィンランド16%、ラトビア9%、ロシア7%、リトアニア6%
輸入額:133億1000万米ドル
輸入品:精製石油、機械類、自動車、天然ガス、医薬品、鉄鋼、酒類
輸入元:フィンランド13%、ドイツ11%、リトアニア9%、スウェーデン8%、ラトビア8%
発電量:97億7900万kWh
    (火力75%、再生可能エネルギー25%)
電力消費量:81億5800万kWh (1人当たり6180kWh)
電力輸出量:56億1300万kWh
電力輸入量:35億7300万kWh

[通信・その他]
固定電話回線数:37万1000回線
携帯電話回線数:189万8000回線
国別電話番号:372
ccTLD:.ee
インターネット利用者数:約120万人
車両通行:右側通行
平均寿命:77.0歳 (男性72.1歳、女性81.9歳)

[日本との関係]
国交樹立:1921年1月26日(1940年8月ソ連への併合により断絶)、
     1991年10月10日(再独立により国交再樹立)
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:331人 (永住者21人)
相手輸出額:8100万米ドル
相手輸出品:木材、機械類、精製石油、精密機器、金属製品、魚介類
日本公館:大使館 (タリン)
在留日本人数:130人 (永住者8人)
日本輸出額:2300万米ドル
日本輸出品:自動車、機械類、ゴム製品、繊維原料、精密機器、化学薬品
現行条約:1999年 査証(ビザ)相互免除取極

(注1)
ヨーロッパ連合(EU)が統一通貨としてユーロを導入して以降、通貨発行権や金融政策の方針決定権はヨーロッパ中央銀行が担うようになり、ユーロ導入国が本来設置していた中央銀行はその傘下にある執行組織に改組された。ユーロ導入国の各中央銀行総裁はヨーロッパ中央銀行政策理事会の一員となり、連携してヨーロッパ中央銀行の政策を決定し、それに基づいて各国内での業務執行に当たることとされる。

なお、ユーロ導入前にエストニア銀行が発行していた通貨はエストニア・クローン(kroon, EEK)である。


《国歌「我が祖国、我が誇りと喜びよ」》
制定:1920年 (1945年廃止、1990年復活)
作曲:フレデリク・パシウス
作詞:ヨハン・ヴォルデマール・ヤンセン

我が祖国、我が誇りと喜びよ。
そなたはなんと美しく、明るいのだろう!
この広い世界のどこにも、
そなたほど愛しいものを見つけることは出来ない。
親愛なる我が祖国よ!

《国名の由来》
エストニア語ではEesti(エースティ)で、古フリジア語で「東の」を意味するAestiが由来とされる。古フリジア語が話されていたのは現在のオランダからドイツ北方周辺であり、そこから見てこの地は東の地であることから。これが英語に転訛してEstoniaとなった。

旧国名
1918-
1940
 エストニア共和国
(エ)Eesti Vabariik
(英)Republic of Estonia
1940-
1990
 エストニア・ソビエト社会主義共和国
(エ)Eesti Nõukogude Sotsialistlik Vabariik
(英)Estonian Soviet Socialist Republic

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と2女1男の5人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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