中国

中国
中国 (ヂョングオ) (中国語)
China (チャイナ) (英語)

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ユーラシア大陸東部に位置する中国は、紀元前から幾多の強大な王朝を生み出し、東アジアの政治、経済、文化の中心としての歴史を刻んできた地です。広大な国土と膨大な人口を抱え、周辺諸国に計り知れないほど強い影響を及ぼし、かつては「眠れる獅子」として域内随一の地域大国と見なされていました。一方、近代以降は古代より続く保守的な王朝感が阻害要因となり、西洋の進んだ技術の導入が遅れたことから、逆に列強諸国によってその潜在的な国力が狙われることとなり、一時は国土の大半が半植民地状態に置かれ、政情の混乱、経済の低迷、軍閥の群雄割拠、内乱といった国難も経験し、1912年に最後の王朝だったが倒れ、中華民国が成立した後も、深刻な内憂外患が国家の成長を妨げてきました。そんな状況の打破を唱え、1921年に結成されたのが中国共産党で、第二次大戦後は中華民国の支配政党である中国国民党と激しい内戦を戦い、これに勝利(国民党政府は台湾に移転)。1949年10月1日、中国共産党を新たな政権党とし、その指導者である毛沢東を頂点に戴く社会主義国家「中華人民共和国」が建国されたのです。

中華人民共和国も社会主義国として、基本的には他の東側諸国と同じく、共産党の一党独裁と強い統制経済によって運営されることとなりました。しかしこの体制は程なくして硬直化し、発展の遅れが目立つようになったことから、徐々に統制の緩和も図られるようになりましたが、これを革命前への回帰とみなした毛沢東は文化大革命という運動を開始し、由緒ある伝統文化や西側先進国の文化の一切を否定。わずかでもそのような要素が見られる事柄・人物は迫害や粛清、果ては殺戮の対象となり、内政は混乱を極めました(1976年の毛沢東死去に伴い収束)。このような国内事情に加え、冷戦構造の中で西側諸国が台湾の国民党政府を「中国」として承認し続けていた海外情勢もあり、国際社会への復帰は大幅に遅れましたが、領土問題をめぐってソ連と中国が対立するようになると、東側陣営の分断を狙う西側諸国が極秘裏に中国に接近。1972年にまず日本が、次いで1979年にはアメリカも遂に人民共和国と国交を樹立し、その間の1976年には国連でも「中国」の議席が台湾の民国政府から人民共和国政府に切り替えられるなど、この世界最大の人口大国を受け入れようという国際世論が定着。今では世界のほとんどの国が人民共和国側を「中国」の正統政権として承認しています。またこの頃から、毛沢東亡き後の新指導部が進めた改革・開放政策によって、社会主義の理念よりも産業発展を最重要視する現実路線にシフトしていき、市場原理の導入と対外開放を推進。安価で豊富な労働力に支えられ、外資も次々とこの国に参入し、わずか数十年で20世紀版「世界の工場」とまで呼ばれるまでに成長しました。21世紀に入った現在でもこの国の高度成長は続いており、2010年には遂に国内総生産(GDP)がアメリカに次ぐ世界第2位となりました。その反面、政治分野の改革は遅々として進まず、共産党の一党独裁も相変わらずで、民主化・自由化を求める声は当局によって厳しく弾圧されており、過熱する経済との温度差が浮き彫りになっています。

国旗は1949年7月、経済学者であり芸術家でもあった曾聯松が、近いうちの政権奪取が確実視されていた中国共産党による新国旗の公募に応える形でデザインを考案し、同年10月1日の中華人民共和国建国と同時に正式に国旗として採用されたものです。曾聯松自身もこの時既に共産党の革命家の1人として活動していたこともあり、国旗は非常に社会主義的な意味合いが強い意匠となりました。この国旗の通称は五星紅旗。その名の通り、赤地に5つの星があしらわれています。赤はソ連国旗にも見られるように、革命と社会主義国家の建設を表します。5つの星は大きな星が1つ、小さな星が4つで構成されており、大きい星は中国共産党が国家を指導する体制を、小さな星はそれぞれ労働者、農民、知識階級、愛国的資本家という4つの重要な基幹階級を象徴します。しかし1978年より採り入れられた改革開放政策により市場経済化が進み、階級闘争という社会主義的なイデオロギーが現実にそぐわなくなってきました。そこで近年は、中国共産党を中心に全ての人民が団結する、という抽象的な解釈をすることも増えているようです。

縦横比:2対3


中華人民共和国
中华人民共和国 (ヂョンファ・レンミン・ゴンフアグオ)
People's Republic of China (ピーポゥズ・リパブリック・オブ・チャイナ)

Map_of_China.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。分離独立状態にある台湾は統計全般から除いているほか、高度な自治権のもとで経済面においては独自の国際的地位を持つ香港とマカオについては、経済統計からは除いている。

[地理]
位置:アジア
面積:約959.7万km² (日本の約25倍)
人口:約13億7462万人
都市人口率:55.6%
首都:北京 (英:Beijing)
最大都市:上海 (英:Shanghai)
主要民族:漢族が総人口の91.5%を占める。他に中国政府は55の
       少数民族を認定しており、壮(チョワン)族、回(ホイ)族、
       蒙古(モンゴル)族、、ウイグル族、チベット族の5民族の
       居住域に自治区を設置し、制限付きながら一定の自治
       を認めている。他の少数民族についてはウィキペディア
       のこちらの記事
を参照のこと。
主要言語:中国語の標準語(普通話)が公用語。中国語は多数の
       方言に分かれ、口語では相互の意志疎通が不可能な
       ほどの差異があるものも存在するが、共通の文字及び
       文法として漢字文化があり、文語は共通していることか
       ら、1つの言語として扱われる。標準語である普通話は
       北京方言が母体となっている。他に各少数民族の言語。
主要宗教:無宗教54% (注1)
       道教21%
       仏教17%
       キリスト教5%
       イスラム教2%

[政治・軍事]
建国:紀元前221年(秦による初の統一王朝)、
    1912年1月1日(中華民国成立)、
    1949年10月1日(中華人民共和国成立)
国連加盟:1945年10月24日(原加盟国、安保理常任理事国、注2)
政治体制:共和制、社会主義国
元首:国家主席
    議会が選出、任期5年、3選禁止。
政府:国務院(内閣に相当)
    国務院総理(首相)は国家主席が任命。
    閣僚は首相の指名に基づき、国家主席が任命。
    ただしいずれの任命権行使にも議会の承認が必要。
議会:一院制の全国人民代表大会(全人代)
    2987議席。議員は各自治体(省、自治区、直轄市、特別行政区)
    に存在する地方議会から選出され、一般国民には国政に関する
    直接選挙権は与えられていない。また、人民解放軍の代表にも議
    席が確保されている。任期5年。
政党制:中国共産党による一党独裁。
     他に8つの小政党が存在するが、共産党と統一戦線を
     結成している衛星政党であり、野党の機能は持たない。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:1458億1000万米ドル
軍組織:人民解放軍(国防部の管轄。核兵器保有国)
      陸軍160万人
      海軍23万5000人 (海兵隊1万人を含む)
      空軍39万8000人
      戦略ロケット軍10万人
     国家海洋局(国土資源部の管轄、事実上の沿岸警備隊)
      海洋局員2万人
     海事局(海巡とも。交通運輸部の管轄)
      海自局員2万5000人
     ※中国における「省」は、日本の都道府県に相当する地方自
       治体名であるため、日本の省に相当する行政機関は「部」
       と表記され、「○○相」は「○○部長」と書かれる。日本の
       マスメディアではこうした表記の差異による混乱を防ぐため、
       ○○部を○○省、○○部長を○○相と一元的に置き換えて
       表現することが多い(国防部は国防省、国防部長は国防相)。

[経済・通信・その他]
中央銀行:中国人民銀行
通貨:元 (yuan, CNY)
    ※庶民語としては人民幣(renminbi, RMB)とも。
国内総生産:10兆8664億4400万米ドル
1人当たりGDP:7925米ドル
GDP構成比:農林水産業8.9%
        鉱工業40.9%
        サービス業50.2%
労働人口:8億630万人
失業率:4.0%
輸出額:2兆1430億米ドル
輸出品:機械類、衣類、家具、有機化合物、自動車部品、履物、プラスチック類
輸出先:米国18%、香港15%、日本6.4%、韓国5%、ドイツ4.1%
輸入額:1兆5760億米ドル
輸入品:原油、機械類、金、鉄鉱石、自動車、穀物、航空機、天然ガス、銅鉱
輸入元:韓国11%、米国9%、日本9%、ドイツ6%、豪州4%
固定電話回線数:2億3099万6000回線
携帯電話回線数:13億573万8000回線
国別電話番号:86
ccTLD:.cn
インターネット利用者数:約7億2143万人
車両通行:右側通行 (香港とマカオは左側通行)
平均寿命:75.7歳 (男性73.5歳、女性77.9歳)

[日本との関係]
国交樹立:1972年9月29日
相手公館:大使館 (東京)
       総領事館 (大阪、福岡、名古屋、札幌、長崎、新潟)
駐日相手国人数:78万5982人
           (永住者22万5605人、特別永住者1277人)
相手輸出額:1606億米ドル
相手輸出品:機械類、衣類、家具、鉄鋼、有機化合物、プラスチック類、履物
日本公館:大使館 (北京)
       総領事館 (上海、重慶、広州、瀋陽、青島、香港)
       他に大連に領事事務所が置かれているが、駐瀋陽総領事館
       の管轄下にあり、独立した公館としての地位は持たない。
在留日本人数:13万1161人 (永住者3509人)
日本輸出額:1093億米ドル
日本輸出品:機械類、精密機器、自動車と部品、精錬銅、船舶、化学薬品
現行条約:1974年 航空協定
            貿易協定
       1975年 海運協定
       1978年 商標保護協定
            平和友好条約
       1979年 文化交流協定
       1980年 科学技術協力協定
       1981年 渡り鳥保護協定
       1984年 租税協定
       1986年 原子力協定
       1989年 投資保護協定
       1994年 環境保護協力協定
       2000年 漁業協定
            (1975年の旧漁業協定を廃止し、新協定として締結)
       2006年 税関相互支援協定
       2008年 刑事共助条約
       2010年 領事協定

(注1)
信教の自由は憲法上は保障されているが、実質的には宗教活動には共産党当局より厳しい制約が設けられており、国民の過半数は無宗教となっている。

中国政府は道教、仏教、キリスト教、そしてイスラム教の4宗教に関しては承認し、制限付きながらも一定の保護を与えているが、それ以外の宗教は異端思想として弾圧している。またこの4宗教の一派を名乗っていても、中国政府が承認する従来の教義から離れた新興宗教団体は、保護対象とならない。

特に多数派の漢族の間では、当局に目を付けられるのを防ぐため、意識的に宗教から離れようとする動きが大きく、少数民族のほうが自らの民族宗教を保持する傾向が強い。ただ近年は、古来より中国人の信仰を集めてきた道教と仏教に関しては「中国の伝統文化に不可欠な要素」として奨励する傾向も見られる。

(注2)
1945年から中華民国(1949年、台湾に移転)が中国の代表権を持っていたが、アルバニアの提案に基づく国連総会決議により、1971年10月25日に代表権が中華人民共和国に移った。「中国」という枠は1945年から存在しているため、加盟年は1945年として扱われる。


《国歌「義勇軍進行曲」》
制定:1982年(1949年より暫定国歌。1982年に正式採用)
作曲:聶耳
作詞:田漢

起て! 奴隷となる事を望まぬ者たちよ!
我らが血肉にて築こう、新しき長城を!
中華民族に最大の危機が訪れている。
一人ひとりが最後の咆哮をあげるのだ!
起て!起て!起て!
我ら万人の心を一つに。
敵の砲火をつき、前進せよ!
敵の砲火をつき、前進せよ!
前進せよ!前進せよ!進め!

《国名の由来》
中国語(簡体字)では中华人民共和国(普通話の発音でヂョンファ・レンミン・ゴンフアグオ)と書き、中国(ヂョングオ)と略される。中華とは古来この地を特徴付けてきた「中華思想」に乗っ取り、自国を「世界の中心にある華やかな国」と位置付けた美称。周辺国と比べてこの国が文化・政治・経済のあらゆる面で優位に立っているという、古代からの東洋史観が如実に表れた名称と言える。もともとはその中でも特に中核的な位置にあった河北省周辺を指したが、領土の拡大に伴い国土全体を表すようになった。

英語名China(チャイナ)は紀元前221年に中国初の統一王朝となった秦(しん、チン)に由来する。紀元後1世紀に成立したギリシャ人の航海記『エリュトゥラー海案内記』には既に秦が訛ってThinai(ティナイ)として紹介されていたというが、直接的にはペルシア語でこの国を指したچین(チン)という単語がイタリアの商人マルコ・ポーロによりヨーロッパに広められたのがきっかけで、フランス語でChine(シーヌ)、英語でChina(チャイナ)に転訛したという。これに由来する広域地名として、日本でも支那(シナ)という呼称が長らく使われてきたが、1930年代以降の国民党政権、および現在の共産党政権は、これを近代以降の中国蔑視感を表す差別用語と指定して忌み嫌っており、その使用を禁止するよう強く要求している。

台湾を統治する中華民国(Republic of China, ROC)との区別のため、公式国名を略してPR ChinaPRCと表記されることもある。中華民国が国連の議席を保持していた頃は、中華人民共和国の正統性を認めない西側資本主義陣営を中心にCommunist China(共産中国、中共)やRed China(赤い中国)と呼ばれていたが、大半の国が人民共和国政府を「中国」として承認している現在では、この国の共産党一党支配に対して批判的な立場にある人物や勢力が用いる程度である。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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