東ティモール

東ティモール
Timór Lorosa'e (ティモール・ロロサエ) (テトゥン語)
Timor-Leste (ティモール・レステ) (ポルトガル語)
East Timor (イースト・ティモール) (英語)

Flag_of_East_Timor.png

東南アジアのティモール島に位置する東ティモールは、2002年に独立した21世紀最初の独立国です。この一帯の島々は16世紀以来、伝統的にオランダの勢力圏とされ、18世紀にはオランダ領東インドの名で正式に植民地化されていましたが、ティモール島は事情が異なり、島の西部がオランダ領、東部(および一部の飛び地)がポルトガル領として分割されていました。第二次大戦後にオランダ領東インドがインドネシアとして独立し、島の西部がその一部となると、東部でも独立を目指す運動が始まりましたが、当時ポルトガル本国は抑圧的な権威主義(エスタド・ノヴォ)体制のもとで植民地の維持に固執しており、運動を弾圧。これに反発した現地住民との間で激しい争いが起こりました。最初の転機がおとずれたのは1974年のことで、この年にポルトガル本国で革命が発生し、民主化を進めた新政府が全ての植民地を放棄すると、翌1975年には現地の左派系独立派組織を結集した東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が独立を宣言。一旦は新国家が成立するかと思われたものの、混乱の隙を突いたインドネシア軍によりすぐさま武力占領され、インドネシアを構成する1州として併合されてしまいました。ここから再び、フレティリンを中心とする独立闘争が再開されることになります。

1998年にインドネシアで30年以上にわたる長期独裁政権を率いていたスハルト大統領が辞任し、民主化が進むと、東ティモールでも独立か、特別自治州に昇格したうえでインドネシアに残留するかを問う住民投票の実施が決定し、翌1999年に行われた投票では7割強が独立を選択しました。こうしてインドネシアによる支配は終わり、代わって独立に向けた準備段階として国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)による暫定統治がスタート。住民投票後、分離を認めない勢力が併合継続を求めてゲリラ的に活動し、情勢は不安定化しましたが、2002年に晴れて東ティモール民主共和国として正式な独立を勝ち取りました。しかし新国家は長い間開発から取り残されてきた辺境の地であり、産業と言えば零細な農家で栽培される白檀などの香料とコーヒー豆を細々と輸出する程度。そのため独立当初より既に外国からの援助に頼る貧困国で、前述の不安定な政情もあり、経済発展の道筋すら立たない状態が続きました。2006年になるとようやく平穏な政情が戻り始めたうえ、南隣のオーストラリアとの間にあるティモール海で石油と天然ガスが生産されるようになり、2007年からは実際に東ティモール政府の国庫に資源の輸出による収入が計上され始めるなど、苦難の歴史を歩んだ東ティモールはようやく自立に向けた足がかりを築きつつあります。

東ティモールの国旗は1975年のフレティリンによる独立宣言時に制定されたもので、2002年の正式な独立に伴い改めて国旗としての地位を獲得しました。三角形の黒は植民地支配による暗黒の時代と、外国人による支配下で押し付けられた古い体制を盲目的に守ろうとする考え方を捨て、自立した新たな国家を築く決意を象徴し、その中にある星は、苦しみを乗り越えて独立を掴みとった東ティモールが、希望に満ちた未来に向けて歩むために輝く光と、国家の平和を表します。また、黄色の三角は東ティモールの歴史に生々しく刻まれた支配の痕跡を、地色の赤は独立を求めて闘ったこの国の住民が流した熱い血潮を象徴しています。

縦横比:1対2


東ティモール民主共和国
Repúblika Demokrátika Timór Lorosa'e
(レプーブリカ・デモクラーティカ・ティモール・ロロサエ)
República Democrática de Timor-Leste
(レプーブリカ・デモクラーティカ・デ・ティモール・レステ)
Democratic Republic of Timor-Leste
(デモクラティック・リパブリック・オブ・ティモール・レスト)


Map_of_East_Timor.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アジア
面積:約1.5万km² (岩手県より少し小さい)
人口:約117万人
都市人口率:32.8%
首都・最大都市:ディリ (テ・葡・英:Dili)
主要民族:テトゥン族、マンバイ族、トゥクデデ族などのマレー・ポリ
       ネシア系部族が主。他にメラネシア系、パプア系など。
       メスティーソと呼ばれる、ポルトガル系白人と現地人の
       混血住民や、少数の中国系も存在する。
主要言語:ポルトガル語とテトゥン語が公用語。政府はポルトガル語
       の使用を推進しているが、話者数は5%に満たず、エリート
       層の言語と認識されている。テトゥン語はテトゥン族を中心
       に国民の過半数が理解可能で、事実上の共通語(国語)の
       役割を果たしているが、母語として使用される地域は首都
       ディリを中核とした西部に偏っている。一方、インドネシア語
       は独立前まで公用語だったため、ポルトガル語やテトゥン語
       より幅広い層が理解可能な言語となっているものの、政府内
       での抵抗心が強く、公的な地位を与えられていない。国内に
       は少なくとも16の部族語が存在し、大半の住民は自身が属
       する部族の言語を母語としている。
主要宗教:キリスト教99%
        ローマ・カトリック教会97%
        プロテスタント諸派2%
       極少数のイスラム教、伝統宗教など。

[政治・軍事]
独立:1975年11月28日(独立宣言)、2002年5月20日(正式独立)
国連加盟:2002年9月27日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    直接選挙制、任期5年、3選禁止。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    大統領が議会最大会派の指導者を首相に任命。
    他の閣僚は首相が任命。
議会:一院制の国会
    65議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:多党制
国政選挙権:17歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:3700万米ドル
軍組織:東ティモール国防軍
     陸軍1250人
     海軍80人

[経済・通信・その他]
中央銀行:東ティモール中央銀行
通貨:米ドル (dollar, USD, 注1)
国内総生産(GDP):25億1000万米ドル
1人当たりGDP:2244米ドル
GDP構成比:農林水産業7.0%
        鉱工業70.3%
        サービス業22.5%
労働人口:45万人
失業率:不明 (10~15%前後と推計される)
輸出額:1800万米ドル (注2)
輸出品:原油、天然ガス、コーヒー豆、野菜 (注2)
輸出先:韓国68%、日本15%、ドイツ8%、豪州2%、カナダ2%
輸入額:6億4800万米ドル
輸入品:精製石油、機械類、鉄鋼、自動車、衣類、砂糖、米、肉類
輸入元:インドネシア39%、シンガポール15%、タイ11%、マレーシア10%、中国9%
固定電話回線数:2700回線
携帯電話回線数:137万7000回線
国別電話番号:670
ccTLD:.tl
インターネット利用者数:約1.4万人
車両通行:左側通行
平均寿命:68.1歳 (男性66.5歳、女性69.7歳)

[日本との関係]
国交樹立:2002年5月20日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:29人 (永住者無し)
相手輸出額:270万米ドル (注2)
相手輸出品:天然ガス、コーヒー豆 (注2)
日本公館:大使館 (ディリ)
在留日本人数:124人 (永住者無し)
日本輸出額:462万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、精製石油、化学薬品
現行条約:2005年 技術協力協定
            (条項内に青年海外協力隊派遣取極も内包)

(注1)
紙幣は米ドルのみが流通しているが、硬貨はドルの補助単位であるセントと並んで、東ティモール・センターヴォ(centavo, 通貨コード無し)が発行されている。1センターヴォの通貨価値は1セントと等価に固定されており、東ティモール国内であれば100センターヴォで1ドル紙幣と交換可能。

(注2)
ティモール海の海底で採掘される原油・天然ガスは、採掘後そのままパイプラインを通じて隣国オーストラリアに送られ、オーストラリアの輸出品として各国に輸出される。そして、その収益の9割は東ティモールの政府系ファンド「東ティモール石油基金」に、残り1割は採掘・輸送事業を担うオーストラリア企業に振り込まれる。資源輸出形態がこのように複雑となっている東ティモールの貿易統計には、資源輸出額が反映されず、上記の輸出額の項目には東ティモールから直接輸出されるコーヒー豆などの産品のみが計上されている。

東ティモール石油基金の残高は年々増え続けており、2010年時点で69億3900万米ドルだったものが、2015年の決算時点では162億1800万米ドルにも及び、増加額を年数で割った単純計算でも、東ティモールは資源輸出によって年間約20億米ドルを積み立てることが出来ていると見られている。目立った産業が無く、国民からの税収の増加がなかなか見込めない状況下の東ティモールでは、同基金からの引出金が国家歳入の大半を占める生命線となっている。


《国歌「祖国」》
制定:2002年
作曲:アフォンソ・デ・アラウージョ
作詞:フランシスコ・ボルジャ・ダ・コスタ

祖国、祖国、東ティモール、我らの国。
人民に栄光あれ、国家解放の英雄たちに栄光あれ。
祖国、祖国、東ティモール、我らの国。
人民に栄光あれ、国家解放の英雄たちに栄光あれ。
植民地主義を滅ぼそう、そして叫ぼう。
帝国主義を打倒せよ!と。
自由な地、自由な民は、
もう決して、絶対に搾取されることはない。
我らは固く団結し、決意を持って前進しよう。
帝国主義と人民の敵に対する闘争に、
遂に勝利するその日まで、革命の道を通じて。

《国名の由来》
テトゥン語ではTimór Lorosa'e(ティモール・ロロサエ)、ポルトガル語ではTimor-Leste(ティモール・レステ)と表記される。いずれも「ティモールの東」を表し、他の言語でも基本的にこれを訳したものが通称として用いられている(英語ではEast Timor)が、公式国名や、国際機関やオリンピックへの加盟名といった公的の場での名称はTimor-Lesteで統一されることも多い。日本語では東チモールという表記も見られる。

ティモールはマレー系の言語で「東」を表す。文字通りティモール島はオセアニアとの境界に近く、マレー系文化の中心地であるジャワ島やマレー半島から見れば東の辺境島と見なされていた。つまり東ティモールとは直訳すれば「東の東」、意訳で「東にある島の更に東側」や「東の果て」となろうか。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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