ウズベキスタン

ウズベキスタン
O`zbekiston (オズベキストーン) (ウズベク語)
Узбекистан (ウズベキスタン) (ロシア語)
Uzbekistan (ウズベキスターン) (英語)

Flag_of_Uzbekistan.png

中央アジアの内陸国ウズベキスタンは、1991年にソ連から独立した国です。トルコ系ウズベク人を主体とする国で、首都タシケントは中央アジアで最大の人口を持つ近代的な都市となっており、中央アジアの都市で唯一、日本とも直行便で結ばれています。かつてはシルクロードの中継地として幾多のオアシス都市が栄え、ソグド人と呼ばれる貿易民がこの地を拠点としたほか、14世紀には中世のアジア中西部を席巻したティムール朝の中心地となり、その都として建設されたサマルカンドは2001年に街そのものが世界遺産に登録されるなど、当時の栄華をうかがわせる多くの建造物を残しています。しかし16世紀初頭のティムール朝滅亡後は徐々に辺境化し、いくつかのイスラム王朝が起こったものの、19世紀にロシアの征服を受けます。ロシア革命後はソ連を構成する共和国の1つとなり、以後1991年の独立まで同国の一部としての歴史を刻みました。

もともとこの地には可耕地が国土の10%ほどしかなく、基本的には降水量が少ない乾燥した土地でした。しかしソ連政府はここを綿花の一大産地として開発することを計画し、国土の西部に位置する湖、アラル海に流れ込む2つの川に大規模な灌漑をほどこします。これによって綿花の栽培量は飛躍的に増え、かつてのソ連経済を支えました。しかし、当時世界第4位の面積を持つ湖とされたアラル海は、流れ込む川の水量が灌漑で激減したため急速に干上がっており、深刻な環境問題を誘発しています。下記の地図で記されているアラル海は水量が多かった時代のもので、実際はこれよりもかなり縮小されているとのこと。ソ連時代に進められた細菌兵器実験で湖底が不衛生化している状況も相まって、2010年代には完全消滅すると言われるアラル海の現状は、ソ連時代の負の遺産を象徴しています。一応、ウズベキスタン政府も周辺国(特にアラル海を共有するカザフスタン)と共同で対策を講じているようですが、産業の多角化を上手く進められていないこの国の現状がそれを阻みます。綿花の輸出によってもたらされる貴重な外貨を維持するためには取水を続けざるを得ず、今後もその経済状況が急速に変わる可能性は低いため、アラル海の消滅は避けられないと見られています。

さて、そんな困難な課題を抱えるウズベキスタンの国旗ですが、1991年のソ連崩壊に伴う独立時に制定されました。青はトルコ系民族の伝統色であり、平原に広がる青空と生命線たる水を、白は平和、純粋さ、国土の美しさ、そして光を、緑はイスラム教の聖なる色であると同時に自然を、それぞれの色の間に挟まれた赤は生きとし生ける者が持つ活力を象徴します。カントン部に置かれた月と星は、この国がイスラム圏の一部であることを示すと同時に、月はウズベク人の伝統と独立を、星はウズベキスタンを構成する12州と、1年を構成する12ヶ月とを表し、ティムール朝が持っていた高度な天文学知識を称えるものとされます。また、ティムール軍の旗の色が青だったことも、この国旗に青が採用される上で重要な理由の1つになったと考えられています。ウズベキスタンがいかにティムール朝時代の栄光を誇りとしているかが分かりますね。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Uzbek (52-91)
ソ連を構成していた15共和国の1つ、ウズベク・ソビエト社会主義共和国の国旗です。1952年から1991年まで用いられました。ソ連時代の各共和国の国旗はソ連国旗にそれぞれの意匠を盛り込んだものでしたが、この旗はウズベキスタンの青空と主要農産物である綿花を象徴し、青と白の線が引かれています。


ウズベキスタン共和国
O`zbekiston Respublikasi (オズベキストーン・レスプブリカシ)
Республика Узбекистан (リスプーブリカ・ウズベキスタン)
Republic of Uzbekistan (リパブリック・オブ・ウズベキスターン)

Map_of_Uzbekistan__.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アジア
面積:約44.7万km² (日本の約1.2倍)
人口:約2971万人
都市人口率:36.4%
首都・最大都市:タシケント (ウ:Toshkent 露:Ташкент)
                 (英:Tashkent)
主要民族:ウズベク人(トルコ系)80%
       ロシア人(スラヴ系)6%
       タジク人(ペルシア系)5%
       カザフ人(トルコ系)3%
       カラカルパク人(トルコ系)2%
       クリミア・タタール人(トルコ系)1%
       少数の朝鮮人、キルギス人、ウクライナ人など。
主要言語:ウズベク語が公用語で、国民の大半を占めるウズベク人の
       母語となっている。他にタジク語も中部や東部では話者が比
       較的多く、西部のカラカルパクスタン(後述)ではカラカルパク
       語もウズベク語と並ぶ地域公用語となっている。なお、民族
       をまたぐ共通語としてロシア語が広く通用し、高等教育やビジ
       ネス、広告業界などの分野では実質的に第一言語となってい
       るものの、「脱ロシア化」を進める政府の方針もあって、公的な
       地位は与えられていない。
主要宗教:イスラム教95%
        特定の宗派に属さない54%
        スンナ派40%
        シーア派1%
       キリスト教4%
        正教会がほとんど。
       他に少数のユダヤ教など。

[政治・軍事]
独立:1991年12月1日
国連加盟:1992年3月2日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期5年、3選禁止(形骸化)。
政府:内閣
    首相および閣僚は大統領が任命。
議会:二院制の最高会議
    ●元老院(上院)
     100議席。84議席は各州議会が選出、16議席は
     大統領が任命。任期5年。
    ●立法院(下院)
     150議席。135議席は直接選挙制(小選挙区制)。
     15議席はウズベキスタン環境運動という環境保護
     団体への割当枠。任期5年。
政党制:形式的には多党制だが、大統領支持派の4党以外は
     非合法化されており、実質的に野党は禁止。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:15億3000万米ドル (2012年)
軍組織:ウズベキスタン軍
     陸軍4万人
     空軍1万5000人(防空部隊を含む)

[経済・通信・その他]
中央銀行:ウズベキスタン共和国中央銀行
通貨:スム (SumまたはSom, UZS)
国内総生産(GDP):667億3300万米ドル
1人当たりGDP:2132米ドル
GDP構成比:農林水産業18.8%
        鉱工業33.7%
        サービス業47.5%
労働人口:1754万人
失業率:4.8%
輸出額:113億5000万米ドル
輸出品:金、天然ガス、綿花、精錬銅と銅製品、有機化合物、果物、豆類
輸出先:スイス26%、中国18%、カザフスタン14%、トルコ10%、ロシア8%
輸入額:118億1000万米ドル
輸入品:機械類、医薬品、自動車と部品、鉄鋼、精製石油、小麦、木材
輸入元:中国21%、ロシア21%、韓国12%、カザフスタン11%、トルコ5%
固定電話回線数:250万8000回線
携帯電話回線数:2178万3000回線
国別電話番号:998
ccTLD:.uz
インターネット利用者数:約1545万人
車両通行:右側通行
平均寿命:73.9歳 (男性70.7歳、女性77.0歳)

[日本との関係]
国交樹立:1992年1月26日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:1599人 (永住者115人)
相手輸出額:320万米ドル
相手輸出品:アルミ製品、綿花、野菜、果物
日本公館:大使館 (タシケント)
在留日本人数:126人 (永住者無し)
日本輸出額:2億9500万米ドル
日本輸出品:機械類、自動車と部品、ゴム製品、鉄鋼、医薬品
現行条約:2003年 航空協定
       2006年 技術協力協定
       2008年 投資協定


《国歌「ウズベキスタン共和国国歌」》
制定:1947年 (1991年に歌詞のみ新調)
作曲:ムタル・ブルホノフ
作詞:アブドラ・アリポフ

輝く自由な我が祖国、
幸福と救済をその民に与えよ。
そなたは友人に対して心温かき者だ!
知識と創造はそなたを永遠に栄えさせるだろう。
世界が存在する限り、そなたの名声の轟かんことを!

黄金の谷を持つ、親愛なるウズベキスタンよ。
祖先の勇敢なる魂は、そなたと共に!
民の力が溢れんばかりになった時、
そなたは世界を魅了する国になるのだ!

《国名の由来》
「ウズベク人の国」の意。ウズベクとはかつてこの地に存在したキプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス)の最盛期の国王であるウズベク・ハーンに由来し、後に彼の名が民族名となった。これにペルシア語で「○○の土地」を意味するstan(スタン)を組み合わせた国名である。

ウズベクをウズベク語で表記するとO'zbek(オズベク)となるが、もともとはトルコ系言語で「自分」を意味するozと「主」を意味するbegを語源としており、ウズベクとは「私が主」を意味する、非常に君主らしい名前といえる。

旧国名
1924-
1991
 ウズベク・ソビエト社会主義共和国
(ウ)O`zbekiston Sovet Sotsialistik Respublikasi
  (オズベキストーン・ソヴェト・ソツィアリスティク・レスプブリカシ)
(露)Узбекская Советская
   Социалистическая Республика
  (ウズベクスカーヤ・サヴィエツカーヤ・
   サツィアリスチーチェスカーヤ・リスプーブリカ)

(英)Uzbek Soviet Socialist Republic
  (ウズベク・ソヴィエト・ソーシャリスト・リパブリック)



【おまけ:カラカルパクスタン共和国
カ:Qaraqalpaqstan Respublikası
  (カラカルパクスターン・レスプブリカス)

ウ:Qoraqalpog‘iston Respublikasi
  (コラカルポギストーン・レスプブリカシ)

露:Республика Каракалпакстан
  (リスプーブリカ・カラカルパクスタン)

英:Republic of Karakalpakstan
  (リパブリック・オブ・カラカルパクスターン)

Karakalpakstan.png   Map_of_Karakalpakstan_.gif

カラカルパクスタンは、ウズベキスタンの西部に位置する自治共和国で、前述したアラル海を管轄する行政区画です。ウズベク人に民族的に近いトルコ系カラカルパク人に自治を与えるために設置され、ウズベキスタン中央政府とは別の「カラカルパクスタン自治政府」を持っていますが、共和国内の最大民族はウズベク人であり、カラカルパク人は第二の民族となっています。なお、カラカルパクとは「黒い帽子」を意味し、カラカルパク人の伝統衣装に由来します。

カラカルパクスタンは1993年に制定された独自の国旗を持っているものの、デザインと意味はほぼウズベキスタン国旗と同じであり、真ん中の帯の色(黄は黄土に覆われた国土を表す)と星の数(5つ)が数少ない相違点となっています。そもそもウズベキスタン自体が非常に中央集権的な国家であり、カラカルパクスタンの自治権にもかなりの制約が掛けられているため、カラカルパク人の民族色を全面に押し出した国旗は制定出来ないのでしょう。

面積:約16.5万km² (ウズベキスタン全土の約36.73%)
人口:約175万人
首都:ヌクス (カ:Noʻkis ウ:Nukus 露:Нукус 英:Nukus)
主要民族:ウズベク人25%
       カラカルパク人23%
       カザフ人18%
主要言語:カラカルパク語とウズベク語が公用語。ロシア語も広く通用。
主要宗教:イスラム教スンナ派がほとんど。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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