ハンガリー

ハンガリー
Magyarország (マジャロルサーグ) (マジャール語)
Hungary (ハンガリー) (英語)

Flag_of_Hungary.png

肥沃な平野部を持つ中欧のハンガリーは伝統的に農業国であり、特にワインの原料となる葡萄はフランスやイタリアなどと並んでヨーロッパにおける主要生産国となっています。また世界三大珍味に数えられるフォアグラの生産地としても有名で、日本で出回っているフォアグラの半分以上はハンガリーから輸入したものとのこと。

ハンガリーの起源は西暦1000年、マジャール人(ハンガリー人の自称)の統一に成功した初代国王イシュトヴァーン1世により建国されたハンガリー王国にさかのぼります。この王国は中世から近代にかけてはオスマン帝国やオーストリアの支配を受けたものの、1867年にオーストリアの宗主権下で改めてハンガリー王国が復活し、オーストリアと共にいわゆる二重帝国を結成。そして第一次大戦における帝国の敗北を受け、1918年に単独で独立しました。

ハンガリーでは二重帝国成立前の1848年より、赤、白、緑の三色旗が民族の象徴として用いられてきました。歴代政権はこの三色旗の中央に紋章を配していましたが、1956年のハンガリー動乱(後述)以来、シンプルな三色旗となっています。赤と白はイシュトヴァーン1世および彼が開いたアールパード王朝(1301年断絶)のシンボルカラーであり、赤は愛国者の血と活力を、白は平和と誠実さを象徴します。緑は後に軍旗からとられたもので、希望を表します。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Kingdom_of_Hungary_(1867-1918).png
二重帝国成立から、帝国崩壊まで用いられた国旗です。中央の国章は1342年から現在まで用いられている国章であり、その両サイドを天使が支えています。

上部の王冠はハンガリーの王位継承に必要不可欠とされる宝器「聖イシュトヴァーンの王冠」であり、盾の左を占めるのはアールパード王朝を象徴する赤と白の縞模様、右を占めるのはキリスト教を表す二重十字と3つの丘です。

Kingdom_of_Hungary_(1940-1946).png
1918年、ハンガリーはオーストリアから正式に独立し、ハンガリー王国が建国されました。しかし、それまでオーストリア皇帝が兼ねていたハンガリー国王の地位は、二重帝国の崩壊に伴い正統な後継者を喪失した状態にあり、新たな国王候補も決められなかったようです。結局、1946年の王政廃止まで、ハンガリー国王として聖イシュトヴァーンの王冠を戴冠する人物は表れませんでした。

国旗は1918年から1940年の間、シンプルな赤、白、緑の三色旗が使われていましたが、1940年に聖イシュトヴァーンの王冠を含む国章が追加されました。二重帝国時代の国旗から天使が省かれたデザインであり、王政廃止まで使用されました。

Hungary_(1946-1949).png
第二次大戦後の1946年、王政廃止に伴いハンガリー共和国が建国され、それと同時に制定された国旗です。この時期のハンガリーは、ソ連の衛星国として冷戦期の東側諸国に組み込まれていく過程にあり、社会主義勢力の台頭が著しい時期でした。そうした背景も手伝ってか、国章の王冠は非常に目立たない位置に置かれています。1949年廃止。

Peoples_Republic_of_Hungary_(1949-1956).png
1949年、ハンガリーのソ連圏への組み込みが完了し、ハンガリー人民共和国の名で社会主義政権が成立。それまでの伝統的な国章は削除され、中央には社会主義色の強い国章が配されました。麦の穂は農民、槌は労働者、赤い星は社会主義国家の建設を象徴します。

1956年にハンガリー国民による反ソ蜂起、いわゆるハンガリー動乱が発生。これは結果的に鎮圧されたものの、国民の反ソ感情を目の当たりにした社会主義政権は中央の紋章を削除し、国旗から政治色を払拭することで、ある程度の妥協を見せました。こうして現在のハンガリー国旗が成立したのです。

社会主義の象徴たる紋章の削除は、実際の政治から社会主義路線を放棄することを示したものではなく、ハンガリーは引き続きソ連圏に留まり続けました。実際に社会主義路線を放棄して東側陣営から離脱したのは1989年になってからのことで、この時に国名もハンガリー共和国に戻されました(更に2012年1月1日、新憲法施行に伴い公式国名から共和国という言葉が削除されています)。


ハンガリー
Magyarország
Hungary


Map_of_Hungary.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:ヨーロッパ
面積:約9.3万km² (北海道の約1.1倍)
人口:991万人
都市人口率:71.2%
首都・最大都市:ブダペスト (ハ・英:Budapest)
主要民族:マジャール(ハンガリー)人84%
       ロマ人3%
       ドイツ系1%
       少数のルーマニア系、スロバキア系、クロアチア系など。
主要言語:マジャール(ハンガリー)語が公用語。他にロマ語、ドイツ語、
       ルーマニア語、スロバキア語、セルビア語、クロアチア語、
       スロベニア語、ウクライナ語の8言語が少数民族言語として
       認められ、地域によっては一定の保護を受ける。
主要宗教:キリスト教53%
        ローマ・カトリック教会37%
        改革派教会(カルヴァン派)12%
        福音派(ルター派)2%
        東方典礼カトリック教会2%
       神は信じるが特定の信仰を持たない27%
       無宗教18%
       少数のユダヤ教、イスラム教など。

[政治・軍事]
建国:1000年 (イシュトヴァーン1世による国家統一)
独立:1918年10月31日(オーストリア=ハンガリー二重帝国の解消)
国連加盟:1955年12月14日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    議会が選出、任期5年、3選禁止。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    首相は議会の指名に基づき、大統領が任命。
    他の閣僚は首相の指名に基づき、大統領が任命。
議会:一院制の国民議会
    199議席。直接選挙制(小選挙区比例代表並立制)。任期4年。
    106議席は比例代表制で、93議席は小選挙区制によって選出。
政党制:フィデス=ハンガリー市民同盟とハンガリー社会党による
     緩やかな二大政党制だが、近年は他党の躍進も目立って
     おり、多党制への移行傾向もみられる。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:12億2500万米ドル
軍組織:ハンガリー国防軍
     陸軍1万人
     空軍5900人

[経済・通信・その他]
中央銀行:ハンガリー国立銀行
通貨:フォリント (forint, HUF)
国内総生産(GDP):1206億8700万米ドル
1人当たりGDP:1万2252米ドル
GDP構成比:農林水産業3.6%
        鉱工業31.8%
        サービス業64.6%
労働人口:452万人
失業率:6.8%
輸出額:894億4000万米ドル
輸出品:機械類、自動車、医薬品、鉄鋼、プラスチック製品、穀物、肉類、家具
輸出先:ドイツ28%、ルーマニア5%、スロバキア5%、オーストリア6%、イタリア5%
輸入額:846億9000万米ドル
輸入品:機械類、自動車部品、天然ガス、原油、精製石油、化学薬品、衣類
輸入元:ドイツ26%、中国7%、オーストリア7%、ポーランド6%、スロバキア5%
固定電話回線数:309万4000回線
携帯電話回線数:1178万6000回線
国別電話番号:36
ccTLD:.hu
インターネット利用者数:717万人 (2012年)
車両通行:右側通行
平均寿命:76.0歳 (男性72.2歳、女性79.8歳)

[日本との関係]
国交樹立:1869年10月18日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:782人 (永住者130人、特別永住者2人)
相手輸出額:12億9900万米ドル
相手輸出品:自動車、機械類、肉類、化学薬品、精密機器、プラスチック製品
日本公館:大使館 (ブダペスト)
在留日本人数:1290人 (永住者314人)
日本輸出額:15億3900万米ドル
日本輸出品:機械類、自動車と部品、精密機器、ゴム製品、鉄鋼、石材
現行条約:1961年 貿易協定
       1973年 文化取極
       1975年 通商航海条約
       1979年 科学技術協力取極
       1980年 租税条約
       1991年 青年海外協力隊派遣取極
       1994年 航空協定
       1997年 査証(ビザ)相互免除取極
       2008年 運転免許試験相互免除取極
       2014年 社会保障協定


《国名の由来》
ハンガリーという名称は英語名に由来する他称であり、マジャール語では「マジャール人の国」を意味するMagyarország(マジャロルサーグまたはマジャル・オルサーグ)と表記される。Magyar単体では民族名を指し示すため、国を表す際は必ずその後ろにországが付く。

マジャールの語源については、ペルシア語で「強い人」を表すムガール(当時はモンゴル人を表す言葉だった)とする説、ウゴル諸語で「人」を表すという説、マジャール人の祖先にそのような名の人物がいたとする説などがあり、はっきりとはわかっていない。

他称であるハンガリーは、トルコ語で「10本の矢」、すなわち「10部族」を意味するon-ogur(オノグル)に由来し、それが各地で転化したとする説が有力。5世紀頃に中央アジアから東ヨーロッパまでを征服したフン族に由来するとする説がかつては有力だったが、現在は否定される傾向にある。しかし今でもハンガリー人の多くは、自らをフン族の血統であると主張している(ハンガリー国歌にもそのような節がある)。

旧国名
1000-
1918
 ハンガリー王国
(マ)Magyar Királyság (マジャル・キラーイシャーグ)
(英)Kingdom of Hungary (キングダム・オブ・ハンガリー)
1918-
1919
 ハンガリー人民共和国
(マ)Magyar Népköztársaság
  (マジャル・ネープケスタールシャシャーグ)
(英)Hungarian People's Republic
  (ハンガリアン・ピーポゥズ・リパブリック)
1919 ハンガリー・ソビエト共和国
(マ)Magyarországi Tanácsköztársaság
  (マジャロルサーギ・タナーチュケスタールシャシャーグ)

(英)Hungarian Soviet Republic
  (ハンガリアン・ソヴィエト・リパブリック)
1920-
1946
 ハンガリー王国
(マ)Magyar Királyság
(英)Kingdom of Hungary
1946-
1949
 ハンガリー共和国
(マ)Magyar Köztársaság (マジャル・ケスタールシャシャーグ)
(英)Republic of Hungary (リパブリック・オブ・ハンガリー)
1949-
1989
 ハンガリー人民共和国
(マ)Magyar Népköztársaság
(英)Hungarian People's Republic
1989-
2011
 ハンガリー共和国
(マ)Magyar Köztársaság
(英)Republic of Hungary

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

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