バルバドス

バルバドス
Barbados (バーベイドス)
(英語)

Flag_of_Barbados.png

中米のカリブ海に浮かぶ島国バルバドスは、同地域の多くの島々の総称である西インド諸島(南アジアのインドとは無関係)の東端に位置します。この地には4世紀頃に南米大陸から移住した先住民(インディオ)たちが暮らしていましたが、16世紀になると大航海時代に入ったスペインに発見され、先住民は全て奴隷としてイスパニョーラ島(現在のハイチとドミニカ共和国)に連れ去られてしまいました。そのため一時は無人島となったものの、17世紀にイギリス人によってサトウキビのプランテーション農地として再び注目され、アフリカから黒人奴隷を導入して本国向けに大量の砂糖が生産されるようになります。黒人たちの置かれた環境は過酷で、募る不満を見たイギリス政府は19世紀に奴隷制を廃止し、懐柔を試みましたが、島民の大多数を占めるようになった黒人たちの暴動は収まりませんでした。1937年に現地人の結社の自由、次いで1939年に地元議会の設置が承認された後も、黒人の権利拡大運動は続き、1958年に他のカリブ海のイギリス領の島々と共同で西インド連邦と呼ばれる自治国を結成。その首相にはバルバドス人のグラントレー・アダムスが就任し、一時はそのまま独立するかと思われました。しかし連邦は域内屈指の人口を持つジャマイカとトリニダード・トバゴによる主導権争いで有名無実化し、4年後の1962年に瓦解。バルバドスは改めて単独でイギリスの自治領となり、1966年に議院内閣制に基づく英連邦王国(独立後もイギリス国王を自国の元首とする国)として正式な独立を達成しました。

バルバドス島は最高峰のヒラビー山(340m)を抱える中央部を除いて大半が平坦で、人口は海岸沿い(特に西部)に集中しています。経済的には1970年代頃まで砂糖の生産に特化した典型的なモノカルチャー産業でしたが、特定の産業だけに頼る経済構造は国際価格の強い影響を受けるため、総じて脆弱であること、カリブ地域の東端に位置することから時折発生するハリケーンの被害を真っ先に受け(ハリケーンは大西洋上で発生し、カリブ海に侵入する)、安定した収穫を得られない年があるため、国家収入を支える産業としてはいささか心もとないこと、そして何より植民地時代の奴隷労働と密接に関わっているため国民感情として抵抗があることを理由に、現在は縮小されていく傾向にあります。代わって観光業と先進国向けの下請け機械製造が急速に成長し、特に観光業は安定的な政治や良好な治安、充実したインフラもあって、毎年多くの外国人観光客を惹きつけており、バルバドス経済の最大の柱となっています。2011年には首都ブリッジタウンが、バルバドス初の世界遺産として登録されたことも、観光業を振興するうえで一役買っています。また砂糖以外の農業も拡張されており、この島を原産地とするグレープフルーツを原料としたラム酒は、バルバドスの主要な輸出製品の1つとなっています。これらの産業と歴史的に高い水準が保たれてきた教育制度に支えられ、現在のバルバドスは中米・カリブ海地域で最も豊かな国となりました。なお、他の島のように領有国がコロコロと変わるようなこともなく、17世紀から独立まで一貫してイギリス領であったことから、域内でも特にイギリス文化が根深く定着した地として知られ、「リトル・イングランド」という異名を持ちます。

バルバドスの国旗は、1966年の独立に際して公募によって採用されました。島の美術教師グラントリー・プレスコッドが作成したこの国旗は、濃い青がバルバドスを囲む大西洋とカリブ海、黄が輝く砂浜を持つ国土を表します。国旗の通称はThe Broken Trident(壊れた三叉槍)であり、中央には文字通りトライデントと呼ばれる槍の先が配されています。これはヨーロッパ社会で古くから海神(ギリシャ神話ではポセイドン、ローマ神話ではネプチューン)のシンボルとして崇められてきたものですが、バルバドス国旗の場合、敢えてこの槍の折れた先端部分だけを国旗に付加することで、ヨーロッパ人による植民地支配からの決別と解放を象徴します。

縦横比:2対3


バルバドス
Barbados


Map_of_Barbados.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (カリブ海)
面積:約430km² (種子島よりわずかに小さい)
人口:約29万人
都市人口率:31.5%
首都・最大都市:ブリッジタウン (英:Bridgetown)
主要民族:アフリカ系黒人90%
       ヨーロッパ系白人4%
       ムラート(黒人と白人の混血)3%
       南アジア系(インド系とパキスタン系が大半)1%
       少数の中国系、アラブ系など。
主要言語:英語が公用語で、政府機関、教育、メディア、ビジネスなど
       公的な場で幅広く使用される。ただし日常会話では英語に
       西アフリカ系言語の語彙が融合した「バヤン(ベイジャン)」
       と呼ばれるクレオール言語が使われる機会も多く、国内の
       音楽業界では特にその傾向が強い。
主要宗教:キリスト教75%
        聖公会24%
        ペンテコステ派19%
        セブンズデー・アドヴェンティスト教会6%
        メソディスト派4%
        ローマ・カトリック教会4%
        少数のバプテスト教会、モラヴィア兄弟団など。
       無宗教21%
       バハーイー教1%
       イスラム教1%
       極少数のヒンドゥー教、ユダヤ教なども存在。

[政治・軍事]
独立:1966年11月30日
国連加盟:1966年12月9日
政治体制:立憲君主制(英連邦王国)、議院内閣制
元首:国王
    イギリスの国王が兼任、世襲制。
    国王の名代として総督が元首の権限を代行。
    総督は現地人有識者の中から国王が任命。
政府:内閣
    総督が下院最大会派の指導者を首相に任命。
    他の閣僚は首相の指名に基づき、総督が任命。
議会:二院制の国会
    ●元老院(上院)
     21議席。総督による任命制だが、12議席は与党代表者たる首相
     の推薦に、2議席は最大野党の党首の推薦に基づいて任命する。
     残る7議席は現地の宗教界、財界、社会団体などを代表する有識
     者の中から、総督自身の判断で任命する。任期は無く、総選挙や
     欠員が出る度に適宜補充される。
    ●会議院(下院)
     30議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期5年。
政党制:バルバドス労働党と民主労働党による二大政党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:不明 (3000~4000万米ドルと推計される)
軍組織:バルバドス国防軍
     連隊500人(陸軍に相当)
     沿岸警備隊110人

[経済・通信・その他]
中央銀行:バルバドス中央銀行
通貨:バルバドス・ドル (dollar, BBD)
国内総生産(GDP):43億5500万米ドル
1人当たりGDP:1万5896米ドル
GDP構成比:農林水産業2.8%
        鉱工業12.1%
        サービス業85.1%
労働人口:約14万人
失業率:11.3%
輸出額:4億5500万米ドル
輸出品:再輸出品、機械類、砂糖、酒類、飲料水、船舶
輸出先:米国34%、トリニダード・トバゴ9%、ガイアナ6%、ジャマイカ6%、
     セントルシア4%
輸入額:16億7000万米ドル
輸入品:精製石油、機械類、医薬品、自動車、穀物、乳製品、肉類、衣類
輸入元:米国38%、トリニダード・トバゴ15%、中国7%、英国4%、カナダ3%
固定電話回線数:15万7000回線
携帯電話回線数:33万5000回線
国別電話番号:1-246
ccTLD:.bb
インターネット利用者数:約23万人
車両通行:左側通行
平均寿命:75.4歳 (男性73.0歳、女性77.7歳)

[日本との関係]
国交樹立:1967年9月27日
相手公館:無し (本国常駐の大使のみ存在)
駐日相手国人数:22人 (永住者4人)
相手輸出額:36万4000米ドル
相手輸出品:再輸出品が8割以上、他に酒類、機械部品、家畜
日本公館:大使館 (ブリッジタウン)
在留日本人数:7人 (永住者2人)
日本輸出額:3420万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、精密機器、化学薬品、ゴム製品
現行条約:1986年 査証(ビザ)相互免除取極


《国歌「豊かなる時も、もしもの時も」》
制定:1966年
作曲:C・ヴァン・ローランド・エドワーズ
作詞:アーヴィング・バーギー

豊かなる時も、もしもの時も、
この美しき地が若かりし日々の、
我らが勇敢なる父祖たちは、種を蒔いた。
そこから我らの誇りが芽生えた。
それはむやみに(過去の)抵抗を誇り散らすことではなく、
我らの心を島中に結びつけるための誇り。
そして国家であることへの誇りだ。

我らが忠実なる息子たち、娘たちよ、知らしめよ。
追憶の野原が、今まさに我らのものであることを。
我らは大いなる期待と共に、自らの名を歴史のページに記す。
我が遺産の厳格なる守護者として、
我が運命の堅実なる作り手として。

《国名の由来》
英語ではBarbados(読みはバーベイドス)と表記される。1536年にこの島を発見したポルトガル人探検家ペドロ・カンポスが、島に生い茂るイチジク属の木から長い根が伸びているのをあごひげに見立て、この島をポルトガル語で「あごひげの生えたもの」を意味するOs Barbados(オス・バルバドス)と命名したことに由来する。

ちなみに同じカリブ海の島国アンティグア・バーブーダを構成する主要2島の1つ、バーブーダ島は、中世まだこの海域の地図がヨーロッパ人にはっきり把握されていなかった頃、バルバドス島と誤認されて定着した地名である。

コメント

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ぶるあぁぁぁぁぁ!!

Re: タイトルなし

アイテムを使わせてくれない反英雄さんではありません。

いずれ誰かが言いそうな気はしましたが…。
プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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