ハイチ

ハイチ
Ayiti (アイティ) (ハイチ・クレオール語)
Haïti (アイティ) (フランス語)
Haiti (ヘイティ) (英語)

Flag_of_Haiti.png

中央アメリカ、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の西部を占めるハイチは、1804年にカリブ海で最初に独立した国です(フランスから)。しかし政情不安や1957-1986年のデュヴァリエ親子の独裁政権、そして相次ぐ天災等により、現在は南北アメリカで最も貧しい国となっています。

独立運動の指導者ジャン=ジャック・デサリーヌは白人による支配からの脱却を表すため、フランス国旗から白を除いた青と赤の旗を考案し、独立と同時に国旗としました。青は黒人、赤はムラート(白人と黒人の混血)を象徴します。その後、複雑な歴史の中で国旗は何度も変更され、国章が省かれた時期も長く続きましたが、この二色は一時期を除き、大半の政権が使っています。

中央の国章には独立を表すヤシの木が置かれ、その頂点にはラテンアメリカにおける自由の象徴であるフリギア帽が被されています。その周辺を囲む大砲やラッパといった軍隊の道具は、自由と独立を守り抜く決意の表れです。下部のリボンには国の標語である「団結は力なり」がフランス語が書かれています。民間用では国章が省かれ、青と赤のシンプルな二色旗が用いられることも多いようです。

縦横比:3対5

【旧国旗】
Haiti_1964-1986.png
1957年に大統領に就任したフランソワ・デュヴァリエは、秘密警察「国家治安義勇隊(通称、トントン・マクート)」を用いた強権支配によりハイチを独裁的に支配し、個人崇拝を推し進めました。その政策の一環として1964年に国旗を変更。青と赤が用いられてきたハイチ国旗の青を黒に変更し、横二分割だったデザインを縦二分割に変えています。

この黒と赤、そして縦二分割のデザインは、1804-1806年のハイチ帝国時代、そして1811-1820年のハイチ王国時代に用いられていた意匠です。正式に王制へ移行することこそ無かったものの、そうした旗を復活させることにより、デュヴァリエは自らを共和国の大統領ではなく王国の君主として位置付けていたのでしょう。これは彼の死後に大統領の座を若干19歳の放蕩息子ジャン=クロード・デュヴァリエが世襲したことからもうかがえます。

このような支配形態は内外から批判され、1985年に国内各地で反政府暴動が発生。それまで政権を支援してきたアメリカもハイチ国内の反乱が社会主義革命につながることを恐れ、「王朝」のすみやかな終焉による反乱の収束を望むようになり、支援を停止。翌1986年にデュヴァリエ政権は崩壊しました。デュヴァリエ一族はフランスに亡命し、国旗は再び青と赤、つまり現在のデザインに戻されました。


ハイチ共和国
Repiblik Ayiti (レピブリク・アイティ)
République d'Haïti (レピュブリック・ダイティ)
Republic of Haiti (リパブリック・オブ・ヘイティ)

Map_of_Haiti.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (カリブ海)
面積:約2.8万km² (四国のおよそ1.5倍)
人口:約1060万人
都市人口率:58.6%
首都・最大都市:ポルトープランス (仏・英:Port-au-Prince)
                     (ハ:Pòtoprens)
主要民族:アフリカ系黒人95%
       ムラート(白人と黒人の混血)4%
       極少数のヨーロッパ系白人、アラブ人、ユダヤ人など。
主要言語:フランス語とハイチ・クレオール語が公用語だが、政府機関や
       中等教育以上の教育現場、およびビジネスといった公的な場
       では、フランス語が用いられることがほとんど。ハイチ・クレオー
       ル語(単にハイチ語とも)はフランス語がアフリカ系諸語の影響
       を受けて形成されたクレオール言語であり、主に日常会話で用
       いられる。
主要宗教:キリスト教96%
        ローマ・カトリック教会80%
        バプテスト教会10%
        ペンテコステ派4%
        セヴンズデー・アドヴェンティスト教会1%など
       少数のイスラム教、バハーイー教、ユダヤ教など。
       ※西アフリカ由来の精霊信仰であるヴードゥー教の影響が
        社会全体に色濃く根付いており、ハイチのキリスト教、特
        にカトリックはかなりの程度、ヴードゥー教と融合した形で
        信仰されている。

[政治・軍事]
独立:1804年1月1日
国連加盟:1945年10月24日(原加盟国)
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期5年、連続しての再選は禁止。
政府:内閣
    首相は大統領が任命するが、議会の承認が必要。
    他の閣僚は大統領と協議した上で、首相が指名。
議会:二院制の国会
    ●元老院(上院)
     30議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期6年。
     選挙区は全10県ごとに3つに固定。2年ごとに
     1/3ずつ改選。
    ●代議院(下院)
     119議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期4年。
政党制:多党制。小党乱立の傾向が強い。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:なし (正規軍なし)
国防費:不明 (100~300万米ドルと推計される)
備考:1995年の軍廃止以来、小規模な警察隊と沿岸警備隊を除き、
    軍事力を持たない。ただし2012年、ハイチ政府は劣悪な治安
    状況を改善するには軍の復活が必要と表明し、その前段階と
    して、軍と共に廃止されていた国防省を復活させた。

[経済・通信・その他]
中央銀行:ハイチ共和国銀行
通貨:グールド (gourde, HTG)
国内総生産(GDP):87億1300万米ドル
1人当たりGDP:829米ドル
GDP構成比:農林水産業22.2%
        鉱工業20.4%
        サービス業57.4%
労働人口:460万人
失業率:不明 (50%前後と推計される)
輸出額:11億5000万米ドル
輸出品:衣類が約9割、他にカカオ豆、果物、魚介類、香油
輸出先:米国83%、ドミニカ共和国5%、カナダ3%、メキシコ2%、フランス1%
輸入額:34億4500万米ドル
輸入品:穀物、繊維原料、機械類、肉類、鉄鋼、プラスチック製品、精製石油
輸入元:ドミニカ共和国35%、米国25%、中国15%、インド3%、ペルー2%
固定電話回線数:4万1000回線
携帯電話回線数:741万2000回線
国別電話番号:509
ccTLD:.ht
インターネット利用者数:約131万人
車両通行:右側通行
平均寿命:63.8歳 (男性61.2歳、女性66.4歳)

[日本との関係]
国交樹立:1953年5月1日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:27人 (永住者7人)
相手輸出額:342万米ドル
相手輸出品:衣類が8割、他にコーヒー豆、香油、酒類、カカオ豆
日本公館:大使館 (ペシオン=ヴィル)
       ※首都ポルトープランスが度重なる天災で壊滅的な被害を
        受けたため、首都南郊のペシオン=ヴィルに移転。復興
        の状況を見て、ポルトープランス市内に戻る予定。
在留日本人数:50人 (永住者10人)
日本輸出額:4870万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、化学繊維、ゴム製品、精密機器、鉄鋼
現行条約:1963年 通商協定
       2005年 技術協力協定


《国名の由来》
ハイチ・クレオール語ではAyiti、フランス語ではHaïtiと表記される。読みはどちらもアイティ(フランス語では原則としてhの発音は脱落する)。英語表記はHaiti(読みはヘイティ)。

国名の由来はタイノ語(アラワク語とも)で「山岳の地」を意味するHayiti(ハイティ)。ハイチの領土であるイスパニョーラ島西部が、全体的に岩の多い山がちな地形に覆われていることから。平地は首都ポルトープランスを中心とする沿岸部のわずかな部分に限られる。

旧国名
1804 ハイチ
(ハ)Ayiti
(仏)Haïti
(英)Haiti
1804-
1806
 ハイチ帝国 (第一帝政)
(ハ)Anpi an Ayiti (アンピ・アン・アイティ)
(仏)Empire d'Haïti (アンピール・ダイティ)
(英)Empire of Haiti (エンパイア・オブ・ヘイティ)
1806-
1811
 ハイチ国 (北部政権)
(ハ)Leta an Ayiti (レタ・アン・アイティ)
(仏)État d'Haïti (エタ・ダイティ)
(英)State of Haiti (ステイト・オブ・ヘイティ)
1811-
1820
 ハイチ王国 (北部政権)
(ハ)Ini an Ayiti (イニ・アン・アイティ)
(仏)Royaume d'Haïti (ロワイヨーム・ダイティ)
(英)Kingdom of Haiti (キングダム・オブ・ヘイティ)
1806-
1849
 ハイチ共和国 (1820年まで南部政権、以後統一政権)
(ハ)Repiblik Ayiti
(仏)République d'Haïti
(英)Republic of Haiti
1849-
1859
 ハイチ帝国 (第二帝政)
(ハ)Anpi an Ayiti
(仏)Empire d'Haïti
(英)Empire of Haiti

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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