モンテネグロ

モンテネグロ
Crna Gora (モンテネグロ語・ラテン文字)
Црна Гора (モンテネグロ語・キリル文字)
Montenegro (英語)

Flag_of_Montenegro.png

モンテネグロは2006年に国家連合セルビア・モンテネグロが解体したことにより独立した国ですが、連合を構成する2共和国には独自の国旗を制定する権利が与えられていたため、この国旗自体は2004年に制定されていました。モンテネグロ人は血統的にも言語的にもセルビア人と極めて近く、もとは同じ民族として扱われていた経緯から、両国の分離後もセルビアと引き続き緊密な関係を保っています。

赤い旗はかつてバルカン半島を支配していたオスマン帝国に対抗する上で掲げられたもので、その周囲は金色の縁で飾られています。中央の国章は1852-1918年の間この地を統治したモンテネグロ公国(1910年から王国)の紋章を継承したものであり、中東欧諸国が歴史的に権威の象徴としてきた双頭の鷲に、かつてのヴェネツィア共和国で用いられた聖マルコの獅子と王政期に由来する王冠を配したものとなっています。

ちなみに縦向きに掲揚する必要がある場合は、中央の国章が横倒しにならないように回転させた縦向き用の旗が使われます。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Montenegrin_monarchy.png
1905年、モンテネグロの地位が公国から王国に格上げされる(1910年)のに先立ち、君主の称号が国王へと変更されました。その歳に制定されたのがこの国旗です。1918年にモンテネグロがセルブ・クロアート・スロベーン王国(後のユーゴスラビア王国)に編入されるまで使われました。

赤、青、白の配色は汎スラヴ色として隣国セルビアが用いていたものですが、民族的に極めて近いモンテネグロでも採用されています。中央の国章は現在のものと大体デザインが同じなものの、民間では省かれることも多かったようです。

Socialist_Montenegro.png
第二次大戦後、ユーゴスラビアはヨシップ・ブロズ・チトー率いる社会主義連邦国家(旧ユーゴ)となり、モンテネグロも連邦を構成する1共和国となりました。各共和国は連邦旗のほかに独自の共和国旗を制定する権利を持っていましたたが、モンテネグロはセルビアと同じ旗を採用しました。

Republic_of_Montenegro.png (★See below)
1990年代初めに旧ユーゴは解体され、連邦を構成していた6共和国のうち4共和国が独立。残ったモンテネグロは1992年にセルビアと共にユーゴスラビア連邦共和国(新ユーゴ)を結成します。その中で旧ユーゴ時代の共和国旗は廃止され、1993年にモンテネグロは王国時代の国旗から国章を省き、縦横比を1対3という横長なものに変更したものを新たな国旗として制定しました。

セルビアが主導する新ユーゴはコソボ問題により国際社会から制裁を科されましたが、モンテネグロも制裁の巻き添えにされたため、これに不満を持つモンテネグロ人の間に分離志向が強まります。セルビアはなんとかモンテネグロを引き留めようと、2003年に新ユーゴを国家連合セルビア・モンテネグロに改組し、モンテネグロの自治権を大幅に強化しました。しかしモンテネグロの独立要求は収まらず、2006年に実施された国民投票を経て国家連合は解体し、モンテネグロは1918年以来、およそ88年ぶりに独立国家としての地位を回復したのです。

新ユーゴから国家連合への改組により、2共和国ではそれぞれの民族色を強く押し出した国旗を制定する機運が高まり、モンテネグロも2004年にセルビア国旗と類似したこの旗を破棄。現国旗へ移行しました。


モンテネグロ
Crna Gora
Црна Гора
Montenegro


Map_of_Montenegro.gif

統計データは原則として2013年時点のもの。

[地理]
位置:ヨーロッパ
面積:約1.4万km² (長野県よりわずかに大きい)
人口:62万人
首都・最大都市:ポドゴリツァ (Podgorica, 注1)
主要民族:モンテネグロ人45%
       セルビア人29%
       ボシュニャク人9%
       アルバニア人5%
       少数のクロアチア人、ロマ人など。
主要言語:モンテネグロ語が公用語。この言語は本来セルビア語のモン
       テネグロ方言とも呼ばれるほどセルビア語に近く、両言語は相
       互に意志疎通が可能で、セルビア語と合わせて国民の7割半
       が話す。ボスニア語やクロアチア語も同様の存在であるため、
       最大の少数言語と言えば通常はアルバニア語を指す。
主要宗教:キリスト教(正教会が大半。一部にカトリック)76%
       イスラム教(スンナ派が大半)19%
       無宗教2%
       極少数のユダヤ教、仏教など。

[政治・軍事]
建国:1516年(主教公による神権国家の成立)、1852年(公国に昇格)
独立:2006年6月3日(セルビアとの国家連合を解体)
国連加盟:2006年6月28日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    直接選挙制。任期5年。3選禁止。
政府:内閣
    大統領が議会最大会派の指導者を首相に任命。他の閣僚は首相
    が任命。ただしいずれの任命権行使にも議会による承認が必要。
議会:一院制の国会
    81議席。直接選挙制(比例代表制)。任期4年。
    うち5議席は少数民族代表者への割り当て枠。
政党制:多党制。小党乱立の傾向が強い。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:5300万米ドル (2012年)
軍組織:モンテネグロ軍
     陸軍1500人
     海軍350人
     空軍230人

[経済・その他]
中央銀行:モンテネグロ中央銀行
通貨:ユーロ (euro, EUR, 注2)
国内総生産(GDP):43億7700万米ドル
1人当たりGDP:7112米ドル
GDP構成比:農林水産業1%未満
        鉱工業10~15%
        サービス業85~90% (2011年推計)
労働人口:不明 (25万人前後と推計される)
失業率:不明 (15~20%と推計される)
輸出額:4億8900万米ドル
輸出品:アルミニウム(精錬済み)、鉄鋼、鉱石(主に鉛と亜鉛)、ワイン、木材
輸出先:クロアチア23%、セルビア22%、イタリア9%、スロベニア8%、ギリシャ7%
輸入額:24億1000万米ドル
輸入品:石油製品、電力、食品、機械類(特に電子機器)、自動車、医薬品
輸入元:セルビア28%、クロアチア8%、ギリシャ8%、中国7%、ボスニア6%
ccTLD:.me
インターネット利用者数:約37万人 (2012年)
車両通行:右側通行
国別電話番号:382

(注1)
モンテネグロ憲法では首都をポドゴリツァと定めるほか、旧王都としてツェティニェ(Cetinje)を挙げており、ポドゴリツァと並んで首都に準じる地位を与えている。国家機関のほとんどはポドゴリツァに置かれるが、大統領府はツェティニェにある。
(注2)
新ユーゴ連邦政府に対する制裁の影響を削減するため、1999年にセルビアとの共通通貨を破棄してドイツ・マルク(mark, DEM)を法定通貨と定めた。2002年にドイツ通貨がユーロに移行したのに伴い、EU非加盟国ながら、特例でユーロ使用が認められた。


《国名の由来》
モンテネグロ語ではCrna GoraまたはЦрна Гораと表記される。読みはどちらもツルナ・ゴーラで、ツルナは「黒い」、ゴーラは「山」を意味する。その名の通り国土は概して山がちな地形をしており、更に深緑の森が多いため遠くから見ると黒く見える。

モンテネグロという他称も意味は同じく「黒い山」であり、中世のヴェネツィア(ベネチア)の言葉で「山」を意味するmonteと「黒い」を意味するnegroの合成語。英語での発音はモンティニグロに近い。

旧国名
1852-
1910
 モンテネグロ公国
(モ・ラテン)Knjaževina Crna Gora
(モ・キリル)Књажевина Црнa Горa
(英)Principality of Montenegro
1910-
1918
 モンテネグロ王国
(モ・ラテン)Kraljevina Crna Gora
(モ・キリル)Краљевина Црна Гора
(英)Kingdom of Montenegro
1945-
1963
 モンテネグロ人民共和国
(モ・ラテン)Narodna Republika Crna Gora
(モ・キリル)Народна Република Црна Гора
(英)People's Republic of Montenegro
1963-
1992
 モンテネグロ社会主義共和国
(モ・ラテン)Socijalistička Republika Crna Gora
(モ・キリル)Социjалистичка Република Црна Гора
(英)Socialist Republic of Montenegro
1992-
2007
 モンテネグロ共和国
(モ・ラテン)Republika Crna Gora
(モ・キリル)Република Црна Гора
(英)Republic of Montenegro



★(c) 2006 Zirland CC BY-SA 2.5

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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