ルクセンブルク

ルクセンブルク
Lëtzebuerg (ルクセンブルク語)
Luxemburg (ドイツ語)
Luxembourg (フランス語・英語)

Flag_of_Luxembourg.png

オランダ、ベルギーと共にベネルクス三国の1つとして知られるルクセンブルクは、西ヨーロッパに位置する内陸国です。ドイツとフランスという2つの大国に挟まれた地理的条件から、母国語であるルクセンブルク語のほか、ドイツ語とフランス語も公用語の指定を受けており、国民の大半が3言語のトリリンガルです。更に都市部では英語を話せる人の割合も高く、ヨーロッパ屈指の高い教育水準と国際色豊かな気風がこの国の特徴です。そんなこの地の起こりは10世紀、神聖ローマ帝国の名家アルデンヌ家により築かれた小さな砦にさかのぼり、巨大勢力のはざまで軍事・交通要衝として発展してきました。11世紀になるとアルデンヌ家の分家であるルクセンブルク家に支配権が移り、帝国西部の有力諸侯となりましたが、15世紀に断絶し、ブルゴーニュ公領を経てオーストリアのハプスブルク家に相続されます。その後、フランス革命からナポレオン戦争期にフランスの支配を受けた後、1815年には戦後処理を決めるウィーン会議が開かれ、この地にルクセンブルク大公国の設立が認められました。当初はオランダ国王がルクセンブルク大公を兼ねる同君連合でしたが、1890年に当時の国王ウィレム3世(ルクセンブルク大公としてはギヨーム3世)が跡継ぎの無いまま崩御したのをきっかけに、「本家」に当たるオランダのオラニエ=ナッサウ家とは別に、「分家」筋たるナッサウ=ヴァイルブルク家から独自の君主が擁立されることとなり、現在に至るまで世界にただ1つ残る「大公」の地位を現在まで引き継いでいます。

独立後のルクセンブルクは永世中立国として、いかなる国にも加担、あるいは敵対しない独自の道を歩んできましたが、2つの世界大戦で共にドイツ軍の侵略をうけたことから、戦後は中立政策を放棄。冷戦期の1949年には西欧諸国の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、西側陣営の一員となりました。経済的には貧しい農業国時代が長かったものの、1960年代よりアルセロール社の牽引で鉄鋼業が急速に発展し、重工業国へと転換。また、ヨーロッパで圧倒的なシェアを持つ同社の効果で、人や資本が次々とルクセンブルクに流入するようになり、金融業も伸長しました。このアルセロールはオランダのミッタル・スチールと2006年に合併、新たにアルセロール・ミッタルとなり、現在に至るまで産業振興に不可欠な鉄鋼を生産する世界最大のメーカーとして、存在感を発揮しています。その一方で景観の保持にも努めており、中世の面影を残す田園風景と、ルクセンブルクの基礎となった砦のコントラストは、多くの外国人観光客を惹きつけています。このように鉄鋼、金融、そして観光という3つの産業に支えられたルクセンブルクは、小国ながら国民1人当たりの所得水準が極めて高いことでも知られ、1人当たりGDP(国内総生産)は常に世界のベスト5に入るようになるまで成長しました。

ルクセンブルクは1815年の建国当時、オランダ国旗を用いていました。これは当時オランダ国王がルクセンブルク大公を兼ねていたためですが、1848年にようやくルクセンブルク独自の国旗が成立しました。といってもその際導入された現国旗は、一見するとオランダ国旗の青を水色に変更しただけの模倣国旗にも見えますね。しかしこれは大きな誤りです。実際には、13世紀よりルクセンブルク公家の紋章として用いられてきた「水色と白の横ストライプに赤い獅子」という意匠が由来となっているのです。三色旗となった原因も、1848年の制定時に2月革命の真っ只中にあったフランス国旗の影響が強く、ルクセンブルク人の中には自国の国旗をオランダ国旗と同一視されることを極度に嫌う人もいるため、注意が必要となります。長らく法例規定の無い慣例的な存在でしたが、1972年にようやく法制化され、正式に国旗の地位を与えられました。

縦横比:3対5 (1対2を使う場合もあり)


ルクセンブルク大公国
Groussherzogtum Lëtzebuerg
Großherzogtum Luxemburg
Grand-duché de Luxembourg
Grand Duchy of Luxembourg


Map_of_Luxembourg.gif

統計データは原則として2013年時点のもの。

[地理]
位置:ヨーロッパ
面積:約2586km² (佐賀県より少し大きい)
人口:約53万人
首都・最大都市:ルクセンブルク (Luxembourg)
主要民族:ルクセンブルク国籍56%
        ケルト系とゲルマン系の混血白人が大半
       外国籍44%
        周辺国と南欧のEU諸国民が主。
        旧ユーゴ諸国からの移民も多い。
主要言語:ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語の3公用語。国民の
       ほとんどは高地ドイツ語系のルクセンブルク語を母語として
       用いるが、政府機関や中等教育以上の教育現場、ビジネス
       など公共性の高い分野ではフランス語が主流。報道ではド
       イツ語が用いられる場合も多い。国籍を問わず、ルクセンブ
       ルクの居住者はほとんどが3言語以上を操る。
主要宗教:キリスト教(ローマ・カトリック教会が大半)72%
       無宗教25%
       イスラム教2%
       少数のユダヤ教など。

[政治・軍事]
独立:1815年6月9日(国家成立)、1890年11月23日(同君連合解消)
国連加盟:1945年10月24日(原加盟国)
政治体制:立憲君主制、議院内閣制
元首:大公
    ナッサウ=ヴァイルブルク家による世襲制。
    原則として終身制だが、自発的な退位は認められる。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
    大公が議会最大会派の指導者を首相に任命。
    他の閣僚は首相の指名に基づき、大公が任命。
議会:一院制の代議院(単に国会とも)
    60議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:2億2000万米ドル (2012年)
軍組織:ルクセンブルク軍
     陸軍900人 (一部に航空隊を含む)

[経済・その他]
中央銀行:ルクセンブルク中央銀行 (注1)
通貨:ユーロ (euro, EUR, 注1)
国内総生産(GDP):604億200万米ドル
1人当たりGDP:11万2473米ドル
GDP構成比:農林水産業0.3%
        鉱工業13.3%
        サービス業86.4%
労働人口:21万人
       国内居住者のみの数値。他に周辺国から約15万人の通勤者
       が日々入国し、ルクセンブルク国内で勤務している。
失業率:4.9%
輸出額:158億1000万米ドル
輸出品:鉄鋼、機械類とその部品、自動車、化学製品(特にゴム製品)
輸出先:ドイツ22%、フランス16%、ベルギー15%、英国6%、イタリア5%
輸入額:231億2000万米ドル
輸入品:原油と石油製品、自動車、機械類、金属原料、食料品
輸入元:ベルギー31%、ドイツ24%、フランス10%、米国8%、中国7%
ccTLD:.lu
インターネット利用者数:約47万人 (2012年)
車両通行:右側通行
国別電話番号:352

(注1)
ヨーロッパ連合(EU)が統一通貨としてユーロを導入して以降、通貨発行権や金融政策の方針決定権はヨーロッパ中央銀行が担うようになり、ユーロ導入国が本来設置していた中央銀行はその傘下にある執行組織に改組された。ユーロ導入国の各中央銀行総裁はヨーロッパ中央銀行政策理事会の一員となり、連携してヨーロッパ中央銀行の政策を決定し、それに基づいて各国内での業務執行に当たることとされる。

なお、ユーロ導入前にルクセンブルク中央銀行が発行していた通貨はルクセンブルク・フラン(franc, LUF)である。


《国歌「我が祖国」》
制定:1993年 (1895年から事実上の国歌、1993年に法制化)
作曲:ジャン=アントワーヌ・ツィネン
作詞:ミシェル・レンツ

アルゼット川は草地を流れ、シュル川は岩間を走り抜ける。
モーゼル川は美しく微笑み、ワインの恵みを与えてくれる。
これぞ、民が全てを投げ打ち(守った)我が祖国。
我らが祖国は愛しき家。魂を打ち震わせし家。
我らが祖国は愛しき家。魂を打ち震わせし家。

《国名の由来》
首都ルクセンブルク市の名がそのまま国名として採用された。古代ケルト語で「小さい」を意味するlucilem(ルキレム)が、中世の高地ドイツ語でlutze(ルッツェ)となり、更に「城塞」や「砦」を表すburg(ブルク)が付加された地名。合わせて「小さな城塞」の意で、後に転化してルクセンブルクとなった。文字通り、ルクセンブルク市は古くから城塞都市として有名だった。

日本語のルクセンブルクという表記はドイツ語の表記・発音に基づくものであり、ルクセンブルク語ではLëtzebuerg(レッツェブエシ)、フランス語ではLuxembourg(リュクサンブール)と表記される。英語表記はフランス語と同じだが、読みはラクセンバーグとなる。ちなみに現在、隣国ベルギーにリュクサンブールという名の州があるが、これはベルギーの独立が認められた1831年、ロンドン会議で当時の領土の西半分をベルギーに割譲することで誕生した州のため。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

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