イスラエル

イスラエル
ישראל (イスラエール) (ヘブライ語)
إسرائيل (イスラーイール) (アラビア語)
Israel (イズリオル) (英語)

Flag_of_Israel.png

第一次大戦後の1920年より国際連盟の委任統治下(施政者はイギリス)に置かれてきた西アジアのパレスチナ地方は、第二次大戦後の1947年に国連総会決議でユダヤ人とアラブ系パレスチナ人で分割されることが決められました。これを受け、翌1948年にユダヤ側の国家として建国されたのが現在のイスラエル国です。そのルーツは紀元前にこの地に存在した古代イスラエル王国にさかのぼることができ、紀元前後のローマ帝国による迫害で祖国を失い流浪の民となったユダヤ人は、パレスチナを自らの「約束の地」と呼び、長らく心の故郷と認識してきました。この地にユダヤ人国家を再興することは、世界中に散ったユダヤ人の長きにわたる悲願でもあったのです。

その一方で、ユダヤ人の追放後にこの地に定着したアラブ系パレスチナ人は、ユダヤ人により突如建国されたイスラエルを歓迎しませんでした。当時既にユダヤ人の追放から2000年近くが流れていたため、彼らもパレスチナを自分たちの故郷と認識していたのです。このような背景を持つ両者は激しく対立し、イスラエルはアラブ系パレスチナ人を支援するアラブ・イスラム諸国との4度にわたる戦争(中東戦争)を経験しましたが、欧米諸国の手厚い支援と最先端の軍事力を以って勝利してきました。現在でも両者の関係は良いとはいえず、「パレスチナ紛争」の名で世界的に知られた大きな問題となっています。

イスラエル国旗は1948年の建国と同時に制定されました。青は青空を、白は純潔や清純を意味しますが、同時に青はユダヤ教の礼拝服(タリート)の色も表します。中央にはユダヤ教の象徴であるダヴィデの星があります。伝説によれば、古代イスラエル王国を統一したダヴィデ王が用いた紋章とされていますが、実際にダヴィデの星がユダヤ人の象徴として使われるようになったのは17世紀に入ってからのことであり、1897年にスイスのバーゼルで開かれた第1回シオニスト会議で正式にユダヤ人のシンボルとなりました。

縦横比:8対11


イスラエル国
מדינת ישראל (メディナット・イスラエール)
دولة إسرائيل (ダウラット・イスラーイール)
State of Israel (ステイト・オブ・イズリオル)

Map_of_Israel.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:アジア
面積:約2.2万km² (四国の約1.1倍, 注1)
人口:約792万人 (注1)
都市人口率:92.1%
首都・最大都市:エルサレム (注2)
          (ヘ:ירושלים‎ ア:القُدس‎‎ 英:Jerusalem)
主要民族:ユダヤ人75%
       アラブ人21%
       少数の南米系、アフリカ系黒人、中国系、東南アジア系など。
主要言語:ヘブライ語とアラビア語が公用語。ヘブライ語はユダヤ人の
       民族語であり、古代言語を20世紀になって復活させたもの
       だが、現代式にアレンジされた語彙も多い。アラブ人の母語
       はアラビア語であるものの、ビジネスなどの公的な場面では
       はヘブライ語も話す。それに加え、国民の8割は英語も習得
       している。
主要宗教:ユダヤ教75%
       イスラム教17%
        スンナ派16%
        少数のアフマディーヤ教団など。
       キリスト教2%
        正教会とカトリック教会が主。
        少数のマロン派、コプト教会、アルメニア使徒教会など。
       ドゥルーズ派1-2% (注3)
       他にバハーイー教、チベット仏教、ヒンドゥー教など。

[政治・軍事]
独立:1948年5月14日
国連加盟:1949年5月11日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    議会が選出。任期7年。再選禁止。
政府:内閣
    首相は議会が指名し大統領が任命。
    その他の閣僚は首相が任命するが、議会の承認が必要。
議会:一院制のクネセト(大集会、大会議などと訳される)
    120議席。直接選挙制(比例代表制)。任期4年。
政党制:多党制だが、リクードと労働党による緩やかな
     二大政党制と見なす資料も多い。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:160億9000万米ドル
軍組織:イスラエル国防軍 (事実上の核兵器保有国。政府も否定せず)
     陸軍13万3000人
     海軍9500人
     空軍3万4000人

[経済・通信・その他]
中央銀行:イスラエル銀行
通貨:新シェケル (new shekel, ILS 複数形はシェカリム sheqalim)
国内総生産(GDP):2960億7500万米ドル
1人当たりGDP:3万5330米ドル
GDP構成比:農林水産業2.5%
        鉱工業27.3%
        サービス業70.2%
労働人口:386万人
失業率:5.6%
輸出額:562億9000万米ドル
輸出品:精錬ダイヤ、医薬品、機械類、精密機器、精製石油、電力、航空機
輸出先:米国28%、香港8%、英国6%、中国5%、インド3%
輸入額:594億9000万米ドル
輸入品:機械類、自動車、ダイヤ原石、医薬品、精製石油、鉄鋼、有機化合物
輸入品:米国13%、中国9%、スイス7%、ドイツ6%、ベルギー5%
固定電話回線数:341万2000回線
携帯電話回線数:1057万1000回線
国別電話番号:972
ccTLD:.il
インターネット利用者数:約594万人
車両通行:右側通行
平均寿命:82.5歳 (男性80.6歳、女性84.4歳)

[日本との関係]
国交樹立:1952年5月15日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:754人 (永住者189人、特別永住者2人)
相手輸出額:14億9000万米ドル
相手輸出品:機械類、精密機器、精錬ダイヤ、医薬品、鉄鋼
日本公館:大使館 (テルアヴィヴ, 注2)
在留日本人数:1083人 (永住者626人)
日本輸出額:11億6000万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、船舶、機械類、精密機器、ゴム製品、化学薬品
現行条約:1971年 査証(ビザ)相互免除取極
       1993年 租税条約
       1994年 文化教育取極
       1995年 科学技術協力協定
       2000年 航空協定

(注1)
パレスチナ自治区、および占領中のシリア領ゴラン高原を含む。

(注2)
イスラエル政府は建国後、地中海沿岸の港湾都市であり、経済の中心であるテルアヴィヴに暫定的な首都機能を置いていたが、1948-1949年にかけて戦われた第一次中東戦争に事実上勝利したことにより、国際法上は国連の信託統治領とされていたエルサレム市街の西側(新市街)を占領し、実効支配下に置いた。その後、イスラエルは「自国の首都は(西)エルサレム」と宣言し、実際に政府機関や議会も西エルサレムに移転して統治した。

一方、旧市街に当たる東エルサレムは隣国ヨルダンが統治していたが、1967年の第三次中東戦争でも勝利したイスラエルは東エルサレムも占領し、エルサレム市街全域を支配下に置いた。以来、イスラエル政府のエルサレムに対する公式見解は一貫して「イスラエルの永久の首都」というものに変化し、同時に「東西に分けることが出来ない(つまり全域がイスラエル領)」として、ユダヤ人の入植などを経て併合の既成事実化を進めた。

ただ、戦争の中で一時占領した土地を、旧統治国の了承(具体的には、旧統治国が当該地の領有権を放棄し、新たな占領国にその地域の主権を譲渡する意志を含んだ条約)無しにそのまま自国領として併合することは、国際法上違法であるため、諸外国はイスラエルのエルサレムに対する領有権を認めていない。そのような事情から、イスラエルに駐在する諸外国は駐イスラエル大使館を、現在でも経済の中心都市として機能し、同国第二の都市となっているテルアヴィヴに置いている。

(注3)
ドゥルーズ派は、シーア派系のイスマイル派から11世紀頃に分かれたイスラム教の一派だが、『クルアーン(コーラン)』とは異なる独自の聖典
を持つこと、メッカを聖地と見なさず巡礼もしないこと、断食が義務化され
ておらずほとんど行う者がいないなど、一般的なイスラム教の教義からの
逸脱が目立つため、大多数のイスラム教徒からは異端視され、イスラム共同体(ウンマ)の一員とは認められていない。ただしイスラエルにおいては、ユダヤ人とかつて「血の盟約」を結んだ同胞集団として重用されており、政府との対立が目立つ他のアラブ人とは一線を画している。


《国歌「ハティクヴァー (希望)」》
制定:2004年 (1948年より事実上の国歌。2004年に法制化)
作曲:サミュエル・コーエン
作詞:ナフタリ・ヘルツ・インベル

古(いにしえ)より今なお心の奥底に、
ユダヤの魂が叫ぶ切なる想い。
遥か東の端へ、目はシオン(注4)に向いている。

我らの希望は未だ失われておらぬ。
二千年にわたる希望は、
自由なる民として、
シオンとエルサレムの地に住まうこと。

《国名の由来》
ヘブライ語ではישראל(イスラエール)、アラビア語ではإسرائيل(イスラーイール)と表記される。英語表記Israelの発音はカナ表記するとイズリオル、もしくはイズリエルに近い。

1948年の建国に際して、かつてこの地に存在した古代イスラエル王国の名称を復活させた。ヘブライ語でיִשְׂר(イスラ)は「戦う」、אל(エール)は「神」を表し、合わせて「神の戦士」という意味になる。

(注4)
ローマ字ではZionと書かれ、ザイオンとも発音される。エルサレム周辺の古い名で、後に古代イスラエル王国の版図全体を指すようにもなった。シオニズム(Zionism, ユダヤ復興運動)という言葉の語源でもある。

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ダビデの星

イスラエル国旗の星形の標章は、イスラエルでは「マゲン ダヴィッド」といって、「ダビデの盾」という意味です。イスラエルでこれを「星」と思っている人は皆無ですよ。長年イスラエルに住んでいた私が言うのですから、間違いありません。またタリートは礼拝で男性が頭からスッポリ被るショールで、長辺が1、5mほどの長方形の布です。服ではありません。

Re: ダビデの星

そうだったんですね。国内資料では誤解した部分も多く、生の声というのは非常に貴重でありがたいです。

当方、これから帰省のためブログに触れませんが、空いた時間に修正しておきます。

此度は情報のご提供のほど、ありがとうございました。
プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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