アイルランド

アイルランド
Éire (エァル) (アイルランド語)
Ireland (アイルランド) (英語)

Flag_of_Ireland.png

アイルランドはヨーロッパ西部に位置し、イギリス本土の主要部を占めるグレートブリテン島と隣り合うように浮かぶ島国です。紀元前から既にケルト系アイルランド人の故郷とされてきましたが、17世紀半ばより隣国イギリスの支配下に置かれてきました。その影響から現在も民族語かつ第一公用語であるアイルランド語と共に、英語が第二公用語の指定を受けています。しかし実質的には、アイルランド語の話者は減少の一途をたどっており、島の西部を除いてほとんどの国民が英語を母語としているとのこと。これはアイルランド語の表記や読みが難解なため、国民自身が馴染みにくいと考えていることに加え、国際共通語として重要性を増している英語の習得は、ビジネスや旅行など様々な面において有利に働くという背景も影響しています。

アイルランドでは古くから緑地に金のハーブを配した旗を慣例的に使用していましたが、イギリスの支配下に入ると後述の聖パトリック旗がアイルランドの旗として導入されます。しかし1848年のフランス二月革命の影響から、アイルランド民族主義者のトーマス・フランシス・マハーによりフランス国旗をモチーフとした新たな三色旗が作成され、これが現在のアイルランド国旗となりました。緑はケルト系アイルランド人とその信仰宗派であるキリスト教ローマ・カトリック教会を、オレンジはアングロ・サクソン系イングランド人とその宗派であるプロテスタント各派を、白は両者の融和を表します。

アイルランド島のうち、1922年にプロテスタント信者の多い北アイルランドを除く地域がアイルランド自由国の名で自治領へ移行。1931年には主権国家として正式な独立を達成し、1937年に独自の新憲法を制定して共和制に移行しました。この国旗は正式には憲法制定の際に制定されましたが、1919年には既に事実上の国旗として用いられていたといいます。緑とオレンジの配色を逆にするとコートジボワールの国旗になるため注意。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Leinster.png
イギリスによる植民地化以前より慣例的にアイルランドの旗として用いられた旗です。緑はアイルランドの国花にもなっているシャムロックの色で、同国が牧草地に適した豊かな土壌を持つことを象徴し、現在でもアイルランドのナショナルカラーとされている色です。金色のハープはアイルランド人の民族的伝統を象徴する楽器であり、国章として扱われます。

下記の聖パトリック旗導入以後は主に独立派(民族主義者、ナショナリスト)により使用されていましたが、現在の三色旗が制定されたことでその役割も失われました。しかし現在でも、ダブリンを中心とする東部のレンスター地方では、この旗を地域の旗として使っているほか、アイルランド海軍の軍艦旗としても用いられます。

St_Patricks_saltire.png
1783年よりアイルランドを象徴する旗として導入された旗で、アイルランドの守護聖人の名をとって「聖パトリック旗」と呼ばれます。イギリスのユニオン・ジャックにある赤い斜め十字はこの旗からとられたものです。

上記のハープの旗とは違い、この旗はイギリス領内残留を主張する連合主義者(ユニオニスト)の間で使われてきました。そのため現在の独立国家アイルランドではこの旗に対する拒否感が強く、1922年のアイルランド自由国成立以降は使われていません(北アイルランドの記事も参照してください)。



アイルランド
Éire (エァル)
Ireland (アイルランド)

Map_of_the_Republic_of_Ireland.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
面積:約7.0万km² (東北地方より少し大きい)
人口:約476万人
都市人口率:63.2%
首都・最大都市:ダブリン (愛:Baile Átha Cliath 英:Dublin)
主要民族:ヨーロッパ系白人94%
        ケルト系アイルランド人85%
        他の白人(EU諸国民が大半)9%
      南アジア系(インド人、パキスタン人など)2%
      アフリカ系黒人1%
主要言語:アイルランド語が第一公用語、英語が第二公用語。実際には
       大半の住民が英語を母語としており、主に西部に点在している
       「ゲールタハト」と呼ばれる地域以外では、日常的にアイルラ
       ンド語が用いられることは少ない。ただし政府はアイルランド語
       の復権に力を入れており、学校教育では必修科目となってい
       るため、英語を話す人々もある程度はアイルランド語の読み書
       きが可能。
主要宗教:キリスト教90%
        ローマ・カトリック教会84%
        アイルランド国教会(聖公会系)3%
        正教会1%
        他に長老派、ペンテコステ派、メソジスト派など。
       無宗教6%
       イスラム教1%
       少数のヒンドゥー教、仏教など。

[政治・軍事]
独立:1922年12月6日(自治国)、1937年12月29日(完全独立)
国連加盟:1955年12月14日
政治体制:共和制、議院内閣制
元首:大統領
    直接選挙制、任期7年、3選禁止。
政府:内閣
    首相は下院が指名し、大統領が任命。
    その他の閣僚は首相の指名に基づき、大統領が任命。
議会:二院制のウラクタス(国会や国民議会と訳される)
    ●アイルランド元老院(シャナズ・エァラン、上院)
     60議席。下院議員や地方議会の議員などで構成される
     委員会が43議席を選出、首相が11議席を任命、そして
     主要大学の有識者から6議席が選出される。任期5年。
    ●アイルランド議会(ドイル・エァラン、下院)
     166議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:多党制だが、実質的にはフィナ・ゲール(統一アイルランド党)
     と、フィアナ・フォイル(共和党)による緩やかな二大政党制。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:11億3000万米ドル
軍組織:アイルランド国防軍
     陸軍7500人
     海軍1100人
     空軍750人

[経済・通信・その他]
中央銀行:アイルランド中央銀行・金融サービス機構 (注1)
通貨:ユーロ (euro, EUR, 注1)
国内総生産(GDP):2380億2000万米ドル
1人当たりGDP:5万1297米ドル
GDP構成比:農林水産業1.5%
        鉱工業:24.9%
        サービス業73.6%
労働人口:218万人
失業率:9.4%
輸出額:1609億米ドル
輸出品:医薬品、有機化合物、機械類、精密機器、航空機、化学薬品
輸出先:米国24%、英国14%、ベルギー13%、ドイツ7%、スイス6%
輸入額:877億9000万米ドル
輸入品:航空機、機械類、医薬品、原油と精製石油、天然ガス、自動車
輸入元:英国33%、米国14%、フランス10%、ドイツ9%、オランダ5%
固定電話回線数:193万2000回線
携帯電話回線数:490万2000回線
国別電話番号:353
ccTLD:.ie
インターネット利用者数:約382万人
車両通行:左側通行
平均寿命:80.9歳 (男性78.5歳、女性83.2歳)

[日本との関係]
国交樹立:1957年3月5日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:1507人 (永住者299人、特別永住者6人)
相手輸出額:67億6100万米ドル
相手輸出品:医薬品、有機化合物、精密機器、機械類、航空機
日本公館:大使館 (ダブリン)
在留日本人数:1935人 (永住者635人)
日本輸出額:10億3000万米ドル
日本輸出品:精密機器、自動車、機械類、有機化合物、医薬品
現行条約:1966年 査証(ビザ)相互免除取極
       1974年 租税条約
       2007年 ワーキング・ホリデー査証協定
       2010年 社会保障協定

(注1)
ヨーロッパ連合(EU)が統一通貨としてユーロを導入して以降、通貨発行権や金融政策の方針決定権はヨーロッパ中央銀行が担うようになり、ユーロ導入国が本来設置していた中央銀行はその傘下にある執行組織に改組された。ユーロ導入国の各中央銀行総裁はヨーロッパ中央銀行政策理事会の一員となり、連携してヨーロッパ中央銀行の政策を決定し、それに基づいて各国内での業務執行に当たることとされる。

なお、ユーロ導入前にアイルランド中央銀行が発行していた通貨はアイルランド・ポンド(pound, IEP)である。


《国歌「兵士の歌」》
制定:1926年
作曲:ピーダー・カーニー/パトリック・ヒーニー
作詞:ピーダー・カーニー

我ら兵士、この命をアイルランドに捧げん。
自由を求め、荒波を乗り越え馳せ参じた者もいる。
我らが祖国には暴君も奴隷も要らぬ。
今宵、我らは危険を賭して、
幸か不幸かにかかわらず、ゲール(注2)ために、
大砲轟き、銃声が響く中で、
我らは歌う、兵士の歌を。

《国名の由来》
アイルランド語ではÉire(エァル)と表記される。Éはアイルランド語の定冠詞であり、ireは「西側」を表す。イギリスの主要部分であるグレートブリテン島との対比で、アイルランド島は西側に位置することから。このireに「土地」を表すlandを付けたものが英語名となった。

アイルランドという言葉単体ではアイルランド島全体を指すため、イギリス領北アイルランドも含めてしまう。そのため特にこの国だけを指したい場合は、政治体制を付けてアイルランド共和国と表記することが多い。この場合、アイルランド語でPoblacht na hÉireann(ポブラクト・ナ・ヘァラン)、英語でRepublic of Ireland(リパブリック・オブ・アイルランド)になる。

旧国名
1922-
1937
 アイルランド自由国
(愛)Saorstát Éireann (セォルスタート・エアラン)
(英)Irish Free State (アイリッシュ・フリー・ステイト)


(注2)
イギリス北部やアイルランドに住むケルト人に対する古い呼称。アイルランド人やスコットランド人もケルト系民族であり、ゲールの一派に属する。

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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