コートジボワール

コートジボワール
Côte d'Ivoire (フランス語)
Cote d'Ivoire (Ivory Coast) (英語)

Cote_dIvoire_(Ivory_Coast).png

1960年にフランスから独立したコートジボワールは、西アフリカに位置する熱帯の国です。この地には15世紀以来、奴隷や象牙の交易拠点を求める西洋諸国が進出していましたが、特に西アフリカ一帯に広大な植民地を築こうとしていたフランスが勢力を伸ばし、1893年に同国の植民地となりました。一方、現地人による独立運動は第二次大戦後より盛り上がりを見せ、1946年に解放運動の指導者フェリックス・ウフェボワニがコートジボワール民主党(PDCI)を結成したのを皮切りに、独立を求める声は急速に拡大。フランス本国もそれを無視できない状況となり、1958年にまず独立に向けた準備期間として自治国の地位を付与。2年後の1960年には正式な独立を達成しました。独立後はウフェボワニ初代大統領のカリスマ支配のもとでPDCIの一党制が続き、戦乱とは無縁かつ安定的な政局を享受していましたが、1990年の複数政党制導入、そして1993年のウフェボワニ死去を受け、地域間の対立が顕在化。特にキリスト教徒が多い南部とイスラム教徒が多い北部は伝統的に反目し合っており、ウフェボワニという「重石」が取れた後はクーデターや内戦による騒乱状態に陥りました。最近では、2010年末に行われた大統領選の結果をめぐって、権力を維持したい現職と選管により当選が認められた対立候補の双方が自らを「大統領」と宣言する異常事態となり、見かねた駐留フランス軍が4ヶ月後に現職を拘束する形で決着させるなど、不安定な国情は未だに解消されていません。

国名がフランス語で象牙海岸を意味するように、この地は中世から近代にわたって、象牙の取引が盛んに行われた地でした。その後、野生動物保護の観点から象牙貿易は衰退しましたが、かわって植民者により持ち込まれたのがカカオの大規模なプランテーション農業です。南部を中心に熱帯の気候と潤沢な水資源に恵まれたコートジボワールは、カカオの生育に適した土壌を持っており、以後急速に栽培が拡大しました。その結果、今では世界最大のカカオ生産国となっており、隣国ガーナと並んで有数の供給地帯として知られます。独立後はこのカカオの輸出を軸に高度成長を実現し、欧米諸国も1980年代まではこの国を西アフリカの優等生と呼んで好意的に見ていました。しかし実際は、単一の作物に過度に依存した経済は国際価格に大きく影響されるため、政府は常に不安定化の恐怖を抱えたまま経済運営を図らなければならず、1989年にカカオ価格が大暴落すると、一気に国力は衰退。前述の内戦も相まって一時は崩壊状態に陥りました。現在は原油・石油製品の輸出増もあって幾分持ち直しているものの、その間に優等生の地位は急成長中のガーナへと移ってしまい、くすぶる政情不安もあって外資の呼び込みも難しい情勢のため、再成長の軌道にはなかなか乗れずにいます。

コートジボワールの国旗は自治国時代の1959年に制定されたものです。フランス国旗を参照した縦三色旗であり、同国との関係の深さをうかがい知れます。旗の意味には2通りの解釈があり、1つは、オレンジが北部のサバンナ地帯とそこに住むイスラム教徒を、緑は南部の熱帯雨林地帯とキリスト教徒を、白は南北の地域が共にコートジボワールという1つの国家のもとで団結する、という解釈。もう1つは、オレンジは情熱と繁栄、白は空と純粋さ、緑は未来への希望という解釈です。オレンジと緑の配色を逆にするとアイルランドの国旗の国旗になるため注意が必要です(縦横比は違いますが)。

縦横比:2対3


コートジボワール共和国
République de Côte d'Ivoire
Republic of Cote d'Ivoire

Map_of_Ivory_Coast.gif

統計データは原則として2016年時点のもの。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約32.2万km² (日本の約85%)
人口:約2374万人
都市人口率:55.5%
首都:ヤムスクロ (仏・英:Yamoussoukro, 注1)
最大都市:アビジャン (仏・英:Abidjan)
民族:黒人諸部族がほとんどで、アカン族が人口の4割を占める最
   大民族となっている。他にマンデ、クルーなど約60部族。
   非黒人は極少数だが、フランス系の白人とレバノン系のアラ
   ブ人が主に都市部に居住している。
言語:フランス語が公用語で、政府機関や教育、メディアなどの公
   共性の高い場で用いられるほか、民族をまたぐ共通語として
   話される。ただし国民の大半は自らの属する部族の固有語を
   母語としており、アカン系諸語など約70の言語が散在する。
   都市部から離れるほど、フランス語の通用度は低くなる。北
   部のイスラム圏地域ではマンデ系のジュラ語も商業言語とし
   て広く用いられる。
宗教:イスラム教(北部中心)43%
    スンナ派40%以上
    少数のアフマディーヤ教団など。
   キリスト教(南部中心)34%
    ローマ・カトリック教会17%
    福音派12%など。
   無宗教19%
   伝統宗教(各部族固有の精霊信仰, 各地に点在)4%
   他に極少数のバハーイー教、シク教など。

[政治・軍事]
独立:1958年12月4日(自治国)、1960年8月7日(完全独立)
国連加盟:1960年9月20日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
   直接選挙制、任期5年、再選制限なし。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
   首相・閣僚は大統領が任命。
議会:一院制の国民議会
   255議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期5年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:4億1800万米ドル
軍組織:コートジボワール共和国軍
    陸軍6000人
    海軍700人
    空軍700人
    国家憲兵隊7000人

[経済・エネルギー]
中央銀行:西アフリカ諸国中央銀行 (注2)
通貨:CFAフラン (franc, XOF, 注2)
国内総生産(GDP):361億6500万米ドル
1人当たりGDP:1526米ドル
GDP構成比:農林水産業17.4%
      鉱工業28.8%
      サービス業53.8%
労働人口:875万人
失業率:不明 (5~10%と推計される)
輸出額:117億7000万米ドル
輸出品:カカオ豆と製品、精製石油、原油、ナッツ類、天然ゴム、金、綿花、バナナ
輸出先:オランダ11%、米国7%、フランス7%、ベルギー6%、ドイツ5%
輸入額:85億2400万米ドル
輸入品:原油、機械類、医薬品、鉄鋼、米、自動車、化学薬品、魚介類
輸入元:フランス14%、ナイジェリア13%、中国12%、米国4%、イタリア4%
発電量:82億6200万kWh
    (火力67%、水力33%)
電力消費量:56億6900万kWh (1人当たり239kWh)
電力輸出量:8億7200万kWh
電力輸入量:2300万kWh

[通信・その他]
固定電話回線数:28万9000回線
携帯電話回線数:2745万1000回線
国別電話番号:225
ccTLD:.ci
インターネット利用者数:約512万人
車両通行:右側通行
平均寿命:59.0歳 (男性57.8歳、女性60.2歳)

[日本との関係]
国交樹立:1960年8月7日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:140人 (永住者35人)
相手輸出額:1450万米ドル
相手輸出品:カカオ豆とその製品が8割以上、他に魚介類、ナッツ類、銅くず
日本公館:大使館 (アビジャン)
在留日本人数:104人 (永住者15人)
日本輸出額:5100万米ドル
日本輸出品:化学繊維、セメント、自動車、ゴム製品、機械類、化学薬品
現行条約:1970年 貿易取極
     1989年 青年海外協力隊派遣取極

(注1)
独立時は国内最大の商業港湾都市であるアビジャンを首都としていたが、1983年に内陸部のヤムスクロ(初代大統領フェリックス・ウフェボワニの出身地)への遷都が行われた。ただこの遷都はあくまでウフェボワニの権威構築を主眼とした名目的なもので、辺境のヤムクスロに国家の中核都市らしい都市機能は現在まで築かれておらず、政府官庁や国会議事堂はアビジャンに残留したままである。よってヤムスクロは形式上の首都に過ぎず、実質的にはアビジャンが首都機能を果たすと言える。

(注2)
アフリカの中部・西部には独自通貨を持たない国が多く、代わってCFAフランが共通通貨として広く流通している。CFAフランはかつてはフランス・フランと、現在はユーロ(euro, EUR)との固定相場制を採っており、1ユーロ=655.957CFAフランとなっている。なお、CFAはフランス語に基づきセーファーと発音される。

CFAフランは西アフリカ諸国中央銀行発行のもの(コードはXOF)と中部アフリカ諸国銀行発行のもの(同XAF)に分かれるが、双方ともに通貨価値は同じである。ただし相互に混合流通しているわけではなく、国際法上はあくまで別通貨扱いで、CFAフラン導入国はいずれかの銀行が発行する貨幣のうち、どちらかを選択して自国通貨に指定する形態をとる。貨幣のデザインも双方で異なり、印字された銀行名で区別される。


《国歌「ラビジャネーズ (アビジャンの歌)」》
制定:1960年
作曲:ピエール・コティ/ピエール・パンゴ
作詞:マチュー・エルカ/ジョアシャン・ボニー/ピエール・コティ

我らはそなたを称える。おお、希望の地よ。歓待の国よ。
その勇ましき軍勢は、汝の威厳を取り戻した。
愛しきコートジボワール。
汝の息子たちは、汝を偉大さを作り上げる誇り高き建設者。
我らは汝の栄光のために集い、喜びと共に国家を築くだろう。

誇らしきコートジボワール市民よ、祖国が我らを呼んでいるぞ。
もし我らが平和裏に自由を取り戻すことが出来れば、
その責務は人類に約束された希望にとって、
模範的なものとなるだろう。
新たなる信頼のもとで団結しよう。
真なる兄弟愛の祖国よ。

《国名の由来》
フランス語で「象牙海岸」を意味する。その名の通り、かつて象牙の取引が盛んに行われていたことから。Côteは「海岸」、Ivoireは「象牙」を意味し、d'は両方の言葉を繋ぐ接続詞である。カナ表記ではコートディヴォワール、コートジボアールと書かれる場合もある。

かつては日本語で象牙海岸、英語でIvory Coast(アイヴォリー・コースト)など、Côte d'Ivoireという言葉を各言語に訳したものが公式国名とされていた。しかし1986年4月、同国政府は国名を翻訳せず、音に基づいてそのまま表記するよう各国に要請。それに伴い日本語表記はコートジボワールと改められたが、他の言語の対応はまちまちである。英語では国際会議やスポーツ大会といった公式な場ではCôte d'Ivoireが使用されるが、非公式な場や日常会話では引き続きIvory Coastが用いられる場合が多い。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と2女1男の5人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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