カレリア

カレリア
Karjala (カレリア語)
Карелия (ロシア語)
Karelia (英語)

Karelia.png

カレリアという地名は、もともとロシア北西部からフィンランド南東部にかけての森林・湖沼地帯の総称で、その東部を占めるロシア領部分にはカレリア共和国が置かれています。フィン系カレリア人の自治区画であり、古くからフィン系諸民族の発祥の地と見なされてきた一方、現在はロシアを構成する21共和国の中で基幹民族の比率が最も低い共和国となっています。共和国の総人口のうち、ロシア人は77%を占めるのに対し、基幹民族であるはずのカレリア人はわずか9%です。

何故カレリア共和国なのにカレリア人が少ないかというと、1939年からおよそ5年間続いたソ連・フィンランド戦争の結果、ソ連がカレリア地域のほとんどを併合してしまったことが原因です。ソ連に割譲された地域のカレリア人の多くは共産主義支配から逃れようと、カレリア地域のうちわずかにフィンランド領として残された部分に逃れ、急速な人口流出が発生。ソ連政府がその穴埋めに、他地域に住んでいたロシア人を大量に送り込んだため、民族構成が一気に変わってしまったのです。事実、カレリア文化の中心は小さなフィンランド領カレリアに移り、残されたカレリア共和国はロシア化の波に飲まれつつあります。

1993年に制定されたカレリア国旗は、1940-1956年の一時期、ソ連の16番目の構成共和国となっていたカレロ=フィン・ソビエト社会主義共和国の国旗の配色を流用したものです。赤はカレリア人の情け深さと団結を、青は国土に多く存在する湖と河川を、緑は豊かな森林を象徴します。ロシア国旗と同じ横三色旗であり、ここでもカレリアにロシア文化が深く根付いた現状が垣間見えます。

縦横比:2対3

【旧国旗】
Karelo-Finnish_SSR.png

ソ連にはもともと1923年に設置されたカレリア自治州(1936年、カレリア自治共和国に昇格)があり、構成共和国の1つだったロシアの管理下で一定の自治を行わせていました。しかし1940年、前述のソ連・フィンランド戦争でソ連が占領したカレリア地域と従来のカレリア自治共和国を合併して16番目の構成共和国が設置され、カレロ=フィン・ソビエト社会主義共和国が成立。1953年には上記の国旗を制定しました。

ソ連国旗が基調になっているのは他の構成共和国と変わりませんが、下部に湖と川を表す青、森林を意味する緑が付加されています。また赤は、この時代は労働者階級の象徴でした。

晴れてソ連の地方区分の最上位である構成共和国に昇格したカレリアですが、先ほども書いたように、この地域のカレリア人の大半はフィンランドに逃れ、ロシア人の比率が急激に高くなっていました。そのため1956年に再びロシアの管理下の自治共和国へと降格され、この国旗も廃止されています。現在、ソ連は15の構成共和国から成る連邦国家だったと説明されますが、実は短期間ながら幻の16番目の共和国が存在したんですね。


カレリア共和国
Karjalan Tazavalda
Республика Карелия
Republic of Karelia


Karelia-location.png

連邦管区:北西連邦管区
面積:約17.2万km² (ロシア全土の約1.01%)
人口:約65万人 (2010年推計)
首都・最大都市:ペトロザヴォーツク (Petrozavodsk)
主要言語:ロシア語が公用語 (注1)

(注1)
ロシアを構成する21共和国の中で唯一、ロシア語以外の公用語を持たない。カレリア人が少ないため、フィン系のカレリア語は少数民族言語としての使用が認められているに過ぎないが、近年は公用語化運動も展開されており、1990年代後半にはロシア語との併用を原則にマスメディアなどの公共の場でカレリア語を使用することが認められた。

また、1940年からペレストロイカが始まる1980年代まではフィンランド語がロシア語に次ぐ第二公用語の指定を受けていた。カレリア語の公用語化運動と合わせてフィン系言語の復権運動も存在し、カレリア語、フィンランド語、そしてヴェプス語のフィン系3言語は公用語ならぬ「国家語」という、ロシア語に次ぐ特別な地位を与えられている。

コメント

非公開コメント

プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

【タディの国旗の世界】
【駐京雑記】
【ぷらずま式改】
QRコード
QRコード
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

Flag counter