ニューカレドニア

ニューカレドニア
Nouvelle-Calédonie (フランス語)
New Caledonia (英語)

Flag_of_New_Caledonia.png

ニューカレドニアは、南太平洋のメラネシア地方に位置するフランスの自治領です。「本土」に相当するニューカレドニア島(グランド・テール)ならびに周辺に点在する小島を領域としており、地域全体が高温多湿な熱帯気候に属します。この島は太平洋地域の中でも屈指のリゾート地として知られ、フランス本国の人々を中心に、寒冷なヨーロッパの気候から逃れるための避寒地として多くの観光客が訪れます。これは一年中暖かく、美しい砂浜と青い海を抱える恵まれた環境を持っていることに加え、ヨーロッパ連合(EU)加盟国であるフランスの海外領土でもあるため、EU域内の市民にはビザが免除されるなど、観光目的での滞在が容易であることが作用しています。一方、観光業と並ぶもう1つの基幹産業は鉱業。ニューカレドニアには、現代の電子機器に欠かせないニッケルやコバルトの大規模な鉱床が存在し、その採掘・加工、そして輸出という一連の産業構造は、島の経済において非常に重要な位置を占めています。日本が輸入するニッケル鉱も、半分はこのニューカレドニア産だったりします。

そんなニューカレドニアには、紀元前1500年頃からメラネシア系先住民のカナク人が住み、農耕と漁業を中心とした社会を築いてきましたが、18世紀後半になるとヨーロッパ人の来訪が相次ぎました。彼らは当初、カナク人とは交易のみの関係に終始していたものの、帝国主義が勃興した19世紀半ば頃には次第に横暴な振る舞いを見せるようになり、カナク人を捕えて奴隷にしたり、西洋のタバコや酒を持ち込んで先住民を中毒にさせ、自分たちに物品を依存させることで、いつの間にか先住民より上位の存在として君臨するようになりました。また同時に、西洋の疫病も蔓延し、耐性の無いカナク人は次々と病に倒れ、人口は激減したといいます。こうした事情により島の伝統文化が徹底的に破壊された結果、1853年には入植を進めていたフランスが正式に島の植民地化を宣言。以後、カナク人は社会の隅へと追いやられ、フランス人を頂点とする苛烈な搾取と支配体制が続くこととなります。抑圧体制に反発したカナク人の抵抗運動は1960年代から本格化し始め、フランス本国も1984年に自治権の付与を決定しましたが、その権限がカナク人にとっては到底満足できる水準ではない、極めて限定的なものだったため、かえって反発は強くなり、業を煮やしたカナク人急進派グループは1985年にカナク社会主義民族解放戦線(FLNKS)を結成し、独立を求める武装闘争を展開しました。想定外の猛烈な反発に根負けしたフランスは、1987年に住民投票を実施して翌年自治権を拡大。更に1998年の協定では外交、軍事、通貨発行以外の権限を自治政府が掌握することで合意したうえ、2014年から2018年にかけてのいずれかのタイミングで、独立かフランス残留かを問う住民投票を実施すると約束し、事態はようやく沈静化に向かいました。現在、ニューカレドニアは投票実施までの過渡的な期間にあり、カナク人とフランス人が共同で運営する自治政府が、島の内政を担当しています。

ニューカレドニアには長らく独自の旗が存在せず、フランス国旗が掲げられてきましたが、前述の自治拡大に伴い、2010年に上記の旗が導入されました。この旗は1980年代の独立闘争の中心となったFLNKSの組織旗であり、当面はフランス国旗と併用される見通しです。青は島を囲む海と空を、赤はフランスに対して独立を求めて戦ったカナク人の血と祖国の統一を、緑は先祖代々受け継がれてきた豊かな土地を意味します。ホイスト部にある意匠はカナク人の伝統的な家屋を彩る装飾、民族古来の武器である矢、そして山がちな国土を様式化したものであり、ニューカレドニアの主権はカナク人の手にあるというFLNKSの主張を象徴すると共に、平等と生命を表す太陽を模した黄色い円で囲まれています。

縦横比:1対2


ニューカレドニア
Nouvelle-Calédonie
New Caledonia


Location_of_New_Caledonia.gif

統計データは原則として2013年時点のもの。

[地理]
位置:オセアニア
面積:約1.9万km² (四国より少し大きい)
人口:約26万人
政庁所在地・最大都市:ヌーメア (Nouméa)
主要民族:メラネシア系カナク人40%
       ヨーロッパ系白人(フランス人が大半)29%
       フランス領ウォリス・フツナからの移民9%
       フランス領ポリネシアからの移民2%
       他の太平洋諸国やインドネシアからの移民も多い。
主要言語:フランス語が公用語で、政府機関、教育、ビジネス、報道
       といった公的な場では民族をまとぐ共通語として用いられる。
       他にパイチ語などのカナク系諸言語も28言語が存在し、カナ
       ク人の日常語や、一部地域の地方公用語として使用される。
主要宗教:キリスト教(カトリック教会が大半。一部にプロテスタント)85%
       無宗教10%
       イスラム教2%
       少数の仏教など。

[政治・軍事]
自治権獲得:1984年11月23日
政治体制:共和制、議院内閣制 (フランスの自治領)
元首:フランス共和国大統領
    本国での選挙により選出。任期5年、3選禁止。
    大統領の名代として高等弁務官が置かれ、元首の権限を代行。
    高等弁務官はフランス内務省の助言に基づき、大統領が任命。
    高等弁務官に任期は無いが、在職期間はおおむね3~4年。
政府:内閣(自治政府)
    政府議長(事実上の首相)と閣僚は議会が選出し、
    高等弁務官が任命。任期5年。
議会:一院制の地域議会
    54議席。直接選挙制(比例代表制)。任期5年。
政党制:多党制
兵役制度:志願制
備考:国防はフランス軍とその現地部隊が担当する。

[経済・その他]
中央銀行:海外通貨発行機関 (注1)
通貨:CFPフラン (franc, XPF, 注1)
国内総生産(GDP):98億4000万米ドル (2012年)
1人当たりGDP:3万8869米ドル (2012年)
GDP構成比:農林水産業2.1%
        鉱工業30.0%
        サービス業67.9%
労働人口:12万人
失業率:不明 (15%前後と推計される)
輸出額:13億2100万米ドル (2012年)
輸出品:鉱物(ニッケル、コバルト)とその加工品、魚介類
輸出先:日本17%、フランス16%、韓国12%、中国9%、豪州8%
輸入額:32億4500万米ドル (2012年)
輸入品:機械類、自動車、原油と石油製品、化学製品、食料品
輸入元:フランス33%、シンガポール22%、豪州12%、ニュージーランド5%
ccTLD:.nc
インターネット利用者数:約15万人
車両通行:右側通行
国別電話番号:687

(注1)
かつてフランスが植民地(現在の海外領土)における現地通貨を発行するために設立した機関で、IEOMと略される。現在はほとんどの植民地が独立し、フランス領に残留した地域も大半は本国通貨のユーロを用いているため、海外領土内で唯一、独自通貨の地位を維持しているCFPフランの発行機関と化している。本国の中央銀行であるフランス銀行の監督局がIEOMの業務を指揮し、CFPフランを使用する3つの海外領土(ニューカレドニア、ウォリス・フツナ、フランス領ポリネシア)の最大都市に支部が置かれている。

CFPはもともとColonies françaises du Pacifique(フランス領太平洋植民地)の略称として採用された名称だが、現在は植民地主義を彷彿とさせる由来が現地人に嫌われているため、Communauté financière du Pacifique(太平洋金融共同体)といった当たり障りのない名称の略語と説明されることが多い。なお、CFPフランの価値はユーロとの連動制であり、119CFPフランで1ユーロと等価とされる。


《地域歌:団結せよ、兄弟たれ》
制定:2010年
作曲・作詞:現地の合唱団並びにその関係者よる共同制作

おお、聖なる我らが父祖の地よ。
我らが生きる道を明るく照らす光、
そなたはそれを我らにもたらすのだ。
我らが夢を、我らが希望を、そして我らが願いを。
柱の如きパインの木々の守りの中に、
高木の陰に、河川を称えし山々の中に、
我らが心はある。

《地域名の由来》
フランス語ではNouvelle-Calédonie(ヌーヴェル・カレドニー)と表記される。ニューカレドニアという日本語表記は英語名に基づくもの。

カレドニアとはイギリス北部のスコットランドの古名。18世紀にイギリスの探検家ジェームズ・クック(いわゆるキャプテン・クック、クック船長)がこの島をヨーロッパ人として初めて発見した際、スコットランドと同様に山がちな地形が多いことから「新しいカレドニア」を意味するこの名を付けた。カレドニアそのものの由来は、スコットランドにかつて存在したピクト人の一派、カレドゥニ族からとする説が有力視されているが、詳細は不明。その後、フランスに領有されたことで呼称もフランス語のものへと変化した。

現地のカナク人、特に独立を主張する立場の人々は、ヨーロッパ人によって名付けられたヌーヴェル・カレドニーやニューカレドニアといった他称を嫌い、「カナク人の国」を表すカナキー(Kanaky)と呼ぶ。カナクとはもともと「人間」を表すポリネシア系言語の単語だが、後にヨーロッパやアジアなど各地からの移民を除いた太平洋系先住民を意味する言葉となった。

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

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