グアテマラ

グアテマラ
Guatemala (グアテマラ) (スペイン語)
Guatemala (グワテマーラ) (英語)

Guatemala.png

グアテマラは南北アメリカ大陸の接合部を成す中米地域にある国です。カリブ海の島嶼部と地域大国メキシコを除く同地域では唯一1000万人以上の人口を抱え、首都グアテマラシティは中米有数の大都市として知られます。また、白人と先住民(いわゆるインディオ)の混血であるラディーノ(メスティーソ)と呼ばれる人々が大多数を占めるこの地域にあって、例外的に生粋の先住民が多く、総人口のおよそ4割を占めています。これは現在のグアテマラの領域が、白人に侵略される前に栄えていたマヤ文明の中核に位置することに加え、山がちな国土が異民族の侵入を阻んだことが起因していると考えられます。もっとも、人口全体としてはラディーノが最大であり、先住民に対する差別は社会の様々な面で根強く残っているため、先住民の中にも耐えかねて彼らの生活様式(特にスペイン語)を受け入れた人々もおり、伝統的な風習を守る先住民は減少傾向にありますが。

グアテマラは他の中米諸国と同様、16世紀よりスペインの植民地支配を受けてきましたが、1821年にメキシコ帝国が成立すると一旦その一部となり、1823年には帝政崩壊を機にエルサルバドルホンジュラスニカラグアコスタリカと共に中米連邦を樹立しました。しかし連邦の政治は主導権争いのため不安定で、特に自由主義の風潮が強いエルサルバドルと、保守主義者の牙城であったグアテマラの対立は激しく、連邦は騒乱状態に陥ります。結局、こうした状況に嫌気がさしたホンジュラスが1838年に連邦からの分離を宣言すると、他の構成国もそれにならって次々と連邦から独立。この地も翌1839年に分離独立を果たし、以後は単独の国家としての道を歩むことになりました。なお、グアテマラの歴代政権は独立以来、東隣のイギリス領ホンジュラス(1973年、ベリーズに改称)を「イギリスが不法占拠したグアテマラ領」と呼んで領有権を主張し、1981年に同地が独立した後もこれを取り下げず、ベリーズという国家の存在を認めてきませんでした。しかし周辺国をはじめ国際社会はベリーズ独立を支持したため孤立し、1991年にようやく領有を諦めて国交を樹立しています(詳細はベリーズの記事を参照のこと)。

かつての中米連邦の国旗が青と白を基調としていたことから、その名残として連邦を構成していた5ヶ国もこの二色を国旗に採り入れています。青は太平洋とカリブ海、白は平和を表しますが、他の旧連邦構成国が青と白を横帯で配置しているのに対し、グアテマラ国旗だけは縦帯を使い、強い独自性を発揮しています。白地の中央には国章が配されており、オリーブの葉は平和、交差した銃は自由を守るために武器をとる決意、その下にある交差した剣は名誉の防衛を意味します。その中にはスペインの植民地支配から解放された時を記念する「1821年9月21日・自由」と書かれた巻物があり、その上にグアテマラの国鳥ケツァール(和名カザリキヌバネドリ)という鮮やかな羽毛を持つ美しい鳥がとまっています。ケツァールはアステカ文明の農耕神であるケツァルコアトルの御使いとして古くから奉られてきた存在で、自由を奪われると死ぬという伝説があり、実際に人工的な飼育が極めて困難です。それだけに、何者にも縛られない鳥として知られ、グアテマラでは自由を表す神聖な鳥として愛されています(通貨の名称にも用いるなど)。ちなみに一般的な民間旗では、中央の国章は省かれます。

縦横比:5対8

【旧国旗】
Guatemala (1843-1851)
1838年のホンジュラス離脱を契機に中米連邦は解体し、グアテマラは1843年にこの旗を制定。当時はまだ青と白のストライプが横帯でした。中央の国章には「中央アメリカのグアテマラ、1821年9月15日」と書かれています。1851年廃止。

Guatemala (1858-1871)
1851年、親スペイン派勢力により国旗にスペイン国旗の赤と黄が組み込まれ、1858年にはこのデザインとなりました。当時のグアテマラは内戦状態にあり、国情は混乱していましたが、1871年に内戦は終結。同時に国旗は現在のものへと移行しました。


グアテマラ共和国
República de Guatemala (レプブリカ・デ・グアテマラ)
Republic of Guatemala (リパブリック・オブ・グワテマーラ)

Map_of_Guatemala.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (大陸部)
面積:約10.9万km² (本州のおよそ半分)
人口:約1547万人
都市人口率:51.6%
首都・最大都市:グアテマラシティ (西:Ciudad de Guatemala)
                     (英:Guatemala City)
主要民族:ラディーノ(白人と先住民の混血, ※)41%
       先住民(マヤ系インディオ諸部族がほとんど)40%
       ヨーロッパ系白人(※)18%
       他にカリブ海沿岸に住むアフリカ系黒人など。
       ※ラディーノは他の中南米諸国で言うところのメスティーソに
        対する、グアテマラ独自の呼称。自身の出自をラディーノと
        するか白人とするかは当人の意思に委ねられており、実際
        には白人人口の相当数がラディーノであると見られている。
主要言語:スペイン語が公用語で、メスティーソが母語としているほか、
       先住民も若年層を中心に用い、総人口の9割がスペイン語を
       話すことができる。ただし先住民の母語はキチェ語、カクチケ
       ル語などのマヤ系諸言語であり、先住民言語の総数はマヤ
       系21、その他2の総数23言語にのぼる。
主要宗教:キリスト教79%
        ローマ・カトリック教会47%
        ペンテコステ派16%
        福音派9%
        正教会3%
        セブンズデー・アドヴェンティスト教会1%など
       無宗教18%
       モルモン教1% (キリスト教に含める場合もある)
       伝統宗教(マヤ系諸部族固有の精霊信仰)1%
       少数のユダヤ教、イスラム教、仏教など。

[政治・軍事]
独立:1821年9月15日(スペインから)、1839年12月3日(中米連邦から)
国連加盟:1945年11月21日(原加盟国)
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制、任期4年、連続しての再選は禁止。
政府:閣僚評議会(内閣に相当、首相職なし)
    閣僚は大統領が任命。
議会:一院制の共和国議会
    158議席。直接選挙制(比例代表制)。任期4年。
政党制:多党制。小党乱立の傾向が強い。
国政選挙権:18歳以上の国民全て (軍人を除く)
兵役制度:徴兵制
国防費:2億6400万米ドル
軍組織:グアテマラ国民軍
     陸軍1万6000人
     海軍900人
     空軍900人

[経済・通信・その他]
中央銀行:グアテマラ銀行
通貨:ケツァール (Quetzal, GTQ)
国内総生産(GDP):637億9400万米ドル
1人当たりGDP:3904米ドル
GDP構成比:農林水産業13.5%
        鉱工業23.8%
        サービス業62.7%
労働人口:635万人
失業率:2.4%
輸出額:108億3000万米ドル
輸出品:バナナ、砂糖、コーヒー豆、衣類、パーム油、金、天然ゴム、豆類、鉛鉱
輸出先:米国35%、エルサルバドル8%、ホンジュラス7%、ニカラグア5%、カナダ5%
輸入額:163億8000万米ドル
輸入品:機械類、精製石油、医薬品、自動車、繊維原料、鉄鋼、穀物、紙類
輸入元:米国38%、中国13%、メキシコ12%、エルサルバドル5%、パナマ3%
固定電話回線数:171万9000回線
携帯電話回線数:1812万1000回線
国別電話番号:502
ccTLD:.gt
インターネット利用者数:約441万人
車両通行:右側通行
平均寿命:72.4歳 (男性70.3歳、女性74.4歳)

[日本との関係]
国交樹立:1935年2月20日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:160人 (永住者51人)
相手輸出額:1億8100万米ドル
相手輸出品:コーヒー豆、油性種子、砂糖、バナナ、亜鉛鉱、鉛鉱、衣類、野菜
日本公館:大使館 (グアテマラシティ)
在留日本人数:411人 (永住者120人)
日本輸出額:2億7200万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、鉄鋼、ゴム製品、機械類、化学薬品、精密機器
現行条約:1971年 貿易取極
       1976年 査証(ビザ)相互免除取極
       1978年 技術協力協定
       1987年 青年海外協力隊派遣取極


《国歌「グアテマラ国歌」》
制定:1897年
作曲:ラファエル・アルバレス・オバージェ
作詞:ホセ・ホアキン・パルマ

幸福なるグアテマラ!
そなたの祭壇を汚す者も、
奴隷としてくびきを受け入れる者も、
そなたの顔に唾を吐きかける暴君も、
二度と表れることは無い。

もし明日、そなたの神聖なる土地が、
侵略者によって脅かされるならば、
風の中で自由に、美しく翻(ひるがえ)る旗が、
自由か死か、と呼びかけるだろう。

風の中で自由に、美しく翻る旗が、
自由か死か、と呼びかけるだろう。
そして民は魂をたぎらせながら、
奴隷となる前に死を選ぶだろう。

《国名の由来》
大航海時代にスペイン人がこの地にたどり着いた際、現地人にこの地の名をたずねたところ、先住民ナワトル族の言葉で「木の多い場所」を意味するCuauhtemallan(クアウテマラン)との返答があったことから。現に当時から現在に至るまで、グアテマラの国土(特に北部)は熱帯雨林に覆われた緑豊かな地として知られる。古い日本語表記ではガテマラとも書かれた。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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