キリバス

キリバス
Kiribati (キリバスィ) (キリバス語)
Kiribati (キリバス) (英語)

Kiribati_flag.png

太平洋中部に位置する島国キリバスは、赤道付近の広大な海域にある熱帯の環礁を領土としています。国土は西からギルバート諸島フェニックス諸島ライン諸島の3地域に大別されますが、約10万の総人口のうち8割強が首都タラワを抱えるギルバート諸島に住んでおり、他地域の人口は希薄です。特にフェニックス諸島には有人島が1つしかなく、その島の人口規模も極めて小さいため、ほぼ無人と言って良いでしょう。一方、東端に位置するライン諸島は、日付変更線のすぐ西に位置する地理的特性から、世界で最も早く新年や新世紀を迎える土地として知られます。その中でも日付変更線に一番近いカロリン島は、記念すべき西暦2000年を迎えるに当たってキリバス政府がミレニアム島と改称するなど、自国の観光PRに向けた広告塔となりました。ココナッツを乾燥させたコプラや魚介類の輸出以外にとりたてて産業が無いキリバスにとって、観光業は経済発展の切り札であり、同国政府は積極的にその振興に力を入れています。もっとも、ミレニアム島は無人島のため、宿泊場はおろか空港や港湾施設も無く、観光客は最も近い有人島で国際空港もあるキリスィマスィ(クリスマスのキリバス語読み)島で新年を迎えざるを得ないのですが…。また、国土の総面積は小さいものの、東西数千キロにわたって幅広く環礁が散らばっているため、世界トップクラスの非常に広い排他的経済水域(200海里)を持っています。キリバスはこれを生かして日本を含む各国と漁業協定を結び、入漁料の名目で貴重な現金収入を得ています。

キリバスの中核を成すギルバート諸島には古くからミクロネシア系の先住民が住んでいましたが、18世紀後半にイギリス人がヨーロッパ人として初めてこの地を訪れ、以後継続的に海域の調査を進めます。帝国主義が勃興し、欧米諸国が世界中に植民地を築こうと躍起になっていた19世紀には、太平洋にもその食指が伸ばされ、1892年にイギリスの保護領と宣言されました。1916年には南隣のエリス諸島と共にイギリスの直轄植民地へと地位が変わり、その後は長らくイギリス領ギルバート・エリスの名で一元統治されてきましたが、ミクロネシア系住民が主体のギルバート諸島と、ポリネシア系民族に属するエリス諸島の人々では文化・風習の違いが目立ったため、1974年に住民投票を経てエリス諸島はツバルとして分離。ギルバート諸島は改めて単独の地域となり、自治権の拡大を経て1979年にキリバス共和国の名で独立を達成しました。他方のライン諸島はというと、ギルバート諸島がイギリスの保護領になった頃にアメリカが領有を宣言し、太平洋航海の拠点として統治されていましたが、航空機による輸送が主流となった1970年代にはそれを維持する必要も無くなり、独立に際してキリバスに譲られています(一部はアメリカ領として残留)。残るフェニックス諸島は、イギリス領とアメリカ領の間に挟まれていたことから両国の共同統治とされ、ライン諸島と同じく独立と同時にキリバス領となりました。

キリバスの国旗は1979年の独立と同時に制定されましたが、その原型は植民地時代の1937年にイギリス領ギルバート・エリスの紋章として既に取り入れられていたことから、独立に伴い国旗に流用したとも言えます。南の島らしい、とてものどかな意匠を持つこの旗は、世界で最も朝が早い国キリバスを象徴しており、太平洋から昇る太陽をあしらっています。この太陽から放たれる17本の光は、国の中核であるギルバート諸島を構成する16の環礁と、その西に浮かぶ孤島バナバ島を表現しています。太陽の上を悠然と飛ぶ国鳥のグンカンドリは、海を制御する力強さと、キリバス国民の自由を表します。一方、その下にある海は青と白の3本の波線が折り重なるように描かれており、ギルバート、フェニックス、ラインの3諸島から国土が成り立つキリバスの地理を示しています。

縦横比:1対2


キリバス共和国
Ribaberiki Kiribati (リバベリキ・キリバスィ)
Republic of Kiribati (リパブリック・オブ・キリバス)

Map_of_Gilbert_Islands_in_the_Republic_of_Kiribati.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:オセアニア
面積:約811km² (佐渡島より少し小さい)
人口:約10.5万人
都市人口率:44.3%
首都・最大都市:タラワ (キ・英:Tarawa)
主要民族:ミクロネシア系キリバス人99%
主要言語:キリバス語と英語が公用語。英語は首都タラワと観光地の
       キリスィマスィ島以外で用いられることはあまり無く、ほとん
       どの国民はキリバス語を母語として用いる。
主要宗教:キリスト教92%
        ローマ・カトリック教会56%
        キリバス連合教会(国内プロテスタント諸派の連合体)34%
        セブンズデー・アドヴェンティスト教会2%
       モルモン教5% (キリスト教に含める場合もある)
       バハーイー教2%

[政治・軍事]
独立:1979年7月19日
国連加盟:1999年9月14日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
    直接選挙制だが、候補者の選定は議会が行う。
    任期4年。4選禁止。
政府:内閣(首相職なし)
    閣僚は大統領が任命。
議会:一院制の国会
    46議席。44議席は直接選挙(小選挙区と大選挙区を併用)で
    選出。残る2議席はバナバ島(3諸島に属さない自治区)代表と、
    司法長官の議席。任期4年。
政党制:多党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:なし (正規軍なし)
備考:オーストラリアとニュージーランドが防衛責任を持つ。

[経済・通信・その他]
中央銀行:無し
通貨:オーストラリア・ドル (dollar, AUD, 注1)
国内総生産(GDP):1億6700万米ドル
1人当たりGDP:1318米ドル
GDP構成比:農林水産業20~25%
        鉱工業5~10%
        サービス業65~70% (2014年推計)
労働人口:不明 (4~5万人と推計される)
失業率:統計なし
輸出額:1億2000万米ドル
輸出品:魚介類が9割以上、他はほぼ再輸出品
輸出先:タイ66%、ベトナム9%、韓国8%、日本7%、中国3%
輸入額:1億6100万米ドル
輸入品:船舶、精製石油、機械類、自動車、石材、穀物、肉類、衣類、鉄鋼
輸入元:中国28%、日本23%、フィジー22%、豪州8%、韓国7%
固定電話回線数:1500回線
携帯電話回線数:4万1000回線
国別電話番号:686
ccTLD:.ki
インターネット利用者数:約1.5万人
車両通行:左側通行
平均寿命:66.3歳 (男性63.7歳、女性68.8歳)

[日本との関係]
国交樹立:1980年3月
相手公館:無し (駐台湾大使館が兼轄)
駐日相手国人数:8人 (永住者4人)
相手輸出額:845万米ドル
相手輸出品:魚介類のみ
日本公館:無し (駐フィジー大使館が兼轄)
在留日本人数:16人 (永住者無し)
日本輸出額:3620万米ドル
日本輸出品:船舶、自動車、機械類
現行条約:1978年 漁業協定 (イギリス領時代の協定だが現在も有効)
       2007年 青年海外協力隊派遣取極

(注1)
硬貨のみキリバス・ドル(dollar, 通貨コード無し)が存在するが、実際に貨幣として流通しているわけではなく、もっぱら外国人旅行客の土産品として、もしくは海外の収集家向けの小規模な発行に留まる。


《国歌「立ち上がれキリバス」》
制定:1979年
作曲・作詞:ウリアム・タムエラ・イオテバ

立ち上がれ、キリバスの民よ!
歓喜と共に歌え。
責任を受け入れる覚悟をせよ。
そして互いに助け合うのだ。
公正さを貫け!全ての民を愛せ!
公正さを貫け!全ての民を愛せ!

《国名の由来》
首都タラワのあるギルバート諸島(Gilbert Islands)に由来。キリバス語はA、B、E、I、K、M、NG、O、R、T、U、Wの計12個のアルファベットしか持たないため訛りが顕著であり、Gilbertはキリバス語ではKiribatiへと転訛する。更にキリバス語のtは英語のsの代用文字としても使われるため、キリバスィ(キリバシ、キリバス)と読むようになった。こうした事情を知らない英語話者の中には、この国をキリバティと誤読する者も多い。

キリバスの語源であるギルバートは、18世紀のイギリス軍艦「シャーロット号」の艦長トーマス・ギルバートが、この海域の島々の多くを発見したことによる。

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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