西サハラ

西サハラ
الصحراء الغربية (アラビア語)
Sáhara Occidental (スペイン語)
Western Sahara (英語)

Flag_of_the_SADR_(Western_Sahara).png

アフリカ北西部の西サハラは、1884年以来スペインの植民地統治下に置かれてきましたが、植民地主義に対する国際的非難のため1975年に放棄され、領域は隣国であるモロッコとモーリタニアに分割併合されました。しかし西サハラの独立を目指す武装組織ポリサリオ戦線が勢力を拡大し、1976年に支援先のアルジェリアにて亡命政府「サハラ・アラブ民主共和国(SADR)」の建国を宣言します。1978年にはモーリタニアがポリサリオ戦線との戦闘拡大に危機感を覚え、西サハラから手を引きました。

モーリタニアが撤退した部分は程なくしてモロッコが併合し、現在、西サハラはモロッコとSADRの係争地となっています。1988年に国連の仲介で両者は和平合意に至り、モロッコへの併合か独立かを問う住民投票を行うことになりました。しかし遊牧民が多いこの地域では投票資格を持つ住民の選定が難しく、投票は毎年のように延期されていき、その間にモロッコはインフラ整備を通じて西サハラ併合の既成事実化を進めています。主要都市がある沿岸部を含む2/3の領域はモロッコが占有しており、SADRは内陸の不毛な砂漠地帯しか統治できていません。

旗は1976年のSADR建国宣言に伴い制定されたもので、赤、黒、白、緑の汎アラブ色が用いられています。同じく独立運動を展開しているパレスチナの旗と似ていますね。それぞれの配色は歴代のイスラム王朝を象徴し、中央の三日月と星はイスラム教のシンボルとして組み込まれています。正式な独立を勝ち取った暁には、黒と緑の順番が入れ替えられる予定です。

縦横比:1対2


サハラ・アラブ民主共和国
الجمهورية العربية الصحراوية الديمقراطية
República Árabe Saharaui Democrática
Sahrawi Arab Democratic Republic


Map_of_Western_Sahara.gif

統計データは原則として2013年時点のもの。以下のデータでは政治についてはサハラ・アラブ民主共和国(SADR)のものを、それ以外については支配国に関わらず西サハラ全体としての統計を掲載している。

[地理]
位置:アフリカ
面積:約26.6万km² (本州の約1.2倍)
人口:約54.8万人
首都・最大都市:エル・アイウン (El Aaiún, 注1)
主要民族:アラブ人とベルベル人がほとんど。ベルベル人の多くはアラ
       ブ化しているが、内陸部では伝統的なベルベル文化を保持
       している部族も少なくない。
主要言語:アラビア語かベルベル語を母語とする者が多いが、地域に
       関わらず、ほとんどの住民はアラビア語を民族をまたぐ共通
       語として習得している。SADRはアラビア語とスペイン語を公
       用語としているが、スペイン語の使用者は旧スペイン植民地
       時代に教育を受けた世代にほぼ限られる。モロッコ支配地域
       ではフランス語も、ある程度の教育を受けた者であれば通用
       する場合が多い。
主要宗教:イスラム教(スンナ派がほとんど)ほぼ100%
       極少数のキリスト教)など。

[政治・軍事]
独立:1976年2月27日(独立宣言)
国連加盟国からの国家承認:45ヶ国
政治体制:共和制、半大統領制
元首:大統領
    ポリサリオ戦線総書記(党首)が大統領職を兼任。
政府:内閣
    首相と閣僚は大統領が任命するが、議会の承認が必要。
議会:一院制のサハラ民族評議会
    53議席。ポリサリオ戦線の指揮下にある軍、独立を目指す
    各種社会団体と難民の中から代表者を選出。任期4年。
  ※大統領や議員の直接選挙制を定めた憲法も存在するが、
    完全独立を果たすまで「凍結」されており、それまでは独
    立運動をポリサリオ戦線の指揮下で行う事とされている。
政党制:ポリサリオ戦線による一党制
国政選挙権:選挙は完全独立を果たすまで凍結
兵役制度:不明
国防費:不明
軍組織:サハラ人民解放軍(ポリサリオ戦線の軍事部門)
     総兵員6000~7000人。陸軍と空軍の二兵種で構成されるが、
     大半は陸上戦力と推計される。

[経済・その他]
中央銀行:不明 (ポリサリオ戦線の経済部門が代行)
通貨:サハラ・ペセタ (peseta, EHP, 注3)
国内総生産(GDP):不明 (10億米ドル前後と推計される)
1人当たりGDP:不明 (3000米ドル前後と推計される)
GDP構成比:不明
労働人口:不明 (14~17万人前後と推計される)
失業率:不明
輸出額:不明 (100万米ドル前後と推計される)
輸出品:魚介類(イカとタコが大半)、リン鉱石、再輸出品
輸出先:日本が約半数。他にアジア諸国、米国、南欧など。
輸入額:不明(50~70万米ドルと推計される)
輸入品:機械類、食料品、石油製品、繊維製品、建築資材
輸入元:中国が約4割。他にロシア、北米諸国など。
ccTLD:.eh (独立派の予約枠)/.ma(モロッコ支配地域で使用)
インターネット利用者数:不明
車両通行:右側通行
国別電話番号:212

(注1)
SADRは域内最大都市のアイウンを首都と宣言しているものの、実際にはアルジェリア南部の砂漠地帯にあるティンドゥーフ・キャンプに政庁を置いた亡命政府となっている。そもそもエル・アイウンはモロッコの支配地区にあり、SADRの統治が及んでいない。

(注2)
1976年2月のSADR独立宣言から現在までに、84ヶ国がSADRを国家として承認したが、モロッコとの外交関係など様々な理由を考慮し、39ヶ国がSADRとの外交関係を「凍結」もしくは「撤回」している。そのため実質的には、SADRと国交を維持している国は45ヶ国に留まる(ほかにアフリカ連合にも加盟している)。

なお日本、米国、EU諸国、ロシア、中国など多くの主要国、並びに国連などの国際機関はSADRの独立宣言を認めていないが、一方でモロッコによる西サハラ併合も不法占拠と見なしており、地図上では独立国でも植民地でもない「無主地」のように書かれることが多い。

(注3)
サハラ・ペセタの有効範囲はSADR支配地区だけで、国土の2/3を占めるモロッコ支配地区ではモロッコ・ディルハム(dirham、MAD)が流通している。また、SADR支配地でもサハラ・ペセタの有効性は象徴的なものに留まり、実際にはアルジェリア・ディナールが日常貨幣として用いられる。なお、サハラ・ペセタには硬貨しか存在しない。


《国名の由来》
アラビア語ではالصحراء الغربية(アッ=サフラー・アル=ガルビーヤ)と表記される。文字通りアフリカ大陸北部にある世界最大の砂漠、サハラ砂漠の西部に位置することから。

サハラとはアラビア語で「砂漠」を意味するため、サハラ砂漠という表現は本来ならば重語である。

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はじめまして

はじめまして。daikuboと申します。
自分はサッカーに関するブログをやっております。

西サハラについて読ませていただきました。

サッカーの視点から依頼させていただきますが、
管理者様はサッカー西サハラ代表チームの画像
をもっていらっしゃいますか?
国際的人脈のある管理者様でしたら、何かしらの
手掛かりはあるとお察ししますが・・・。

もしその画像の手掛かりをご存じでしたらご一報
頂けると助かります。
よろしくお願いします。

サッカー西サハラ代表に関して

当ブログを訪問して下さり、ありがとうございます。

ご要望の件ですが、英語のほかにも西サハラの旧宗主国であるスペイン語、域内の主要言語であるアラビア語等で検索してみたものの、それらしき画像は発見できませんでした。唯一、http://www.fedefutbol.net/fed.aspx?id=WSH こちらのサイト(スペイン語)でホーム用・アウェー用ユニフォームが確認できた程度です。

また、検索するうちにチラホラと散見されたのが、今年の3月25日にSADR(サハラ・アラブ民主共和国)亡命政府の青年スポーツ省が初めて設立を宣言するまで、西サハラには公式な代表チームというものは存在しなかったという新聞記事です(http://www.spsrasd.info/en/content/establishment-saharawi-national-football-team-minister-youth-and-sport)。

一方で、これまでもNF-Board主導の非公式な国際戦をいくらか行った実績があるようで、公式・非公式の区分けが非常に不透明です。もし上述の記事が本当ならば、それから1ヶ月ほどしか経っていない現在、まだ公式を試合行っていないため画像が無い、ということも考えられます。
プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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