オーストラリア

オーストラリア
Australia (オーストゥレイリア) (英語)

National_flag_of_Australia.png

オセアニアに位置するオーストラリアは、世界で唯一、1つの国家が1つの大陸全土を領有する例として知られます。大陸の面積は世界の六大陸の中で最も小さいのですが、それでも日本の20倍もあり、更にタスマニア島など周辺の島々も含めて、領土面積は世界第6位にランクインしています。オセアニアにある全陸地の90%がオーストラリアの領土であることからも、その大きさが見て取れるでしょう。一方、人口は2400万人程度と、面積と比較して非常に少なく、その大半は沿岸部に集中しているため、この大陸で独自に進化したカンガルーなどの固有の生態系や、エアーズロック(先住民言語ではウルル)といった手つかずの自然が数多く残されています。また、経済的には南半球で最も発展が進んだ国であり、地域の交通・金融・情報拠点として重要な地位を占めつつ、その規模の大きさで有名な農業(麦類)と畜産業(羊毛、肉類)は世界の食糧事情に大きな影響をもたらし、資源大国として石炭、鉄鉱石、ウラン、金、ボーキサイト、各種レアメタルといった鉱産物の主要輸出国にもなっています。

オーストラリア大陸には既に5万年ほど前からアボリジニと呼ばれる先住民が独自の文化と共に暮らしていましたが、1606年にオランダ人が白人として初めての上陸を果たして以降、ヨーロッパにもその存在を知られるようになりました。その後、長らく不毛の大地と見なされ放置されていましたが、囚人の流刑地として適切と考えたイギリスが1770年に領有を宣言。後に経済的に有用な土地であることがわかると、イギリスは積極的な支配に乗り出しました。イギリスはアボリジニを駆逐しながら次第に領土を西や内陸に拡大し、1828年には大陸全土がイギリス領となっています。1901年に大陸に置かれていた全ての州が連邦を結成し、ほぼ完全な内政自治権を獲得。1931年にはイギリス本国の議会で、海外の自治領に対して本国と対等な地位、すなわち独立国としての地位を認めるウェストミンスター憲章が制定されたものの、当初はイギリス国王への忠誠からオーストラリア連邦政府はこれを拒否していました。しかし第二次大戦中に日本軍がオーストラリア付近まで南進したのを機に、独自の外交権と国防権を獲得してアメリカと緊密な関係を構築し、共同でこれを撃退したいという意見が連邦内で主流になると、連邦政府は1942年にようやく憲章を批准。これにより、オーストラリアは名実共に独立国になりました。その後もオーストラリアはイギリス系住民を支配層とし、移民も白人のみに限定した白豪主義のもとで、太平洋諸国とは一線を画した地位を保ってきましたが、人種差別的であると非難されたうえ、数少ない従来の白人国民だけでは広大な国土の経済開発がままならないという実利的な面もあって、1973年に移民法を改正しました。それからは世界各国から様々な人種・民族がオーストラリアに移民するようになり、現在の多様な文化を内包した新たな国家体制が築かれることになったのです。

オーストラリアは主権国家でありながら、国家元首の地位は今でもイギリス国王が兼ねています(このような国を英連邦王国といいます)。イギリスとの結び付きの強さがうかがえる政治制度ですが、国旗にもそれが表れており、青地のカントン部にユニオン・ジャックというイギリス軍艦旗(ブルー・エンサイン)を基調としています。フライ側には南半球の国の象徴である南十字星があり、ユニオン・ジャックの下にはオーストラリア連邦を構成する6州と1準州を表す7稜星が描かれています。近年、オーストラリアではイギリス国王を元首として戴く英連邦王国から、独自の大統領を持つ共和制へと移行する議論が活発に行われています。もし将来的に共和制に移行した場合、ユニオン・ジャックを使わない国旗を制定することも考えられていますが、歴史的に支配層を成してきたイギリス系白人を中核に、イギリスとの伝統的な紐帯を重視する国民も多く、現状では英連邦王国に留まる意見が多数派となっているようです。

縦横比:1対2

【旧国旗】
National_flag_of_Australia_1901-1909.png
1901年の連邦結成時に公募により採用された初代国旗です。この頃はユニオン・ジャックの下の星が6稜星ですが、これは北部準州がまだ南オーストラリア州の管轄地とされていたため、州の数が全部で6州だったことによります。また、南十字星の星の光も数が異なりますね。1909年に現国旗に移行。


オーストラリア連邦
Commonwealth of Australia (コモンウェルス・オブ・オーストゥレイリア)

Map_of_Australia.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:オセアニア
面積:約774.1万km² (日本の約20倍)
人口:約2392万人
都市人口率:89.4%
首都:キャンベラ (英:Canberra)
最大都市:シドニー (英:Sydney)
主要民族:ヨーロッパ系白人88%
        イングランド系36%
        アイルランド系10%
        スコットランド系9%
        イタリア系5%
        他にドイツ系、ギリシャ系、オランダ系など。また、系統に
        こだわらない、または混血である「オーストラリアン」を名乗
        る人々も相当数存在する。
       アジア系9%
        中国系4%
        インド系2%
        フィリピン系1%など
       先住民(アボリジニ諸民族、トレス海峡諸島民)3%
主要言語:公用語を定めた法的規定は無いが、国民の7割半以上が
       英語のみを母語とし、他の言語話者も公的な場では英語
       を共通語として使用するため、事実上の公用語は英語と言
       える。他に移民言語として中国語、イタリア語、ベトナム語
       など。かつて700近く存在したという先住民系の諸言語は、
       英語に淘汰された影響で話者が激減したが、現在でも内
       陸部を中心にアラーンテ語やワールピリ語など約200言語
       が存在する。
主要宗教:キリスト教61%
        ローマ・カトリック教会25%
        聖公会17%
        オーストラリア連合教会(会衆派系)5%
        長老派3%
        正教会2%
        他にペンテコステ派、バプティスト派など
       無宗教22%
       神は信じるが特定の信仰を持たない9%
       仏教3%
       イスラム教2%
       少数のヒンドゥー教、ユダヤ教、シク教など。

[政治・軍事]
独立:1901年1月1日(連邦結成)、1942年10月9日(主権国家化)
国連加盟:1945年11月1日(原加盟国)
政治体制:立憲君主制(英連邦王国)、議院内閣制、連邦国家
元首:国王
    イギリスの国王が兼任、世襲制。
    国王の名代として総督が元首の権限を代行。
    総督は現地人有識者の中から首相が推薦し、国王が任命。
政府:内閣
    総督が下院最大会派の指導者を首相に任命。
    閣僚は首相の指名に基づき、総督が任命。
議会:二院制の連邦議会
    ●元老院(上院)
     76議席。直接選挙制(比例代表制)。任期6年。全6州から
     12名ずつ、首都地域(キャンベラ)と北部準州から2名ずつが
     選出される。3年ごとに半数ずつ改選。
    ●代議院(下院)
     150議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期3年。
政党制:オーストラリア自由党とオーストラリア労働党による二大政党制
国政選挙権:18歳以上の国民全て (義務投票制)
兵役制度:志願制
国防費:236億2000万米ドル
軍組織:オーストラリア国防軍
     陸軍2万9000人
     海軍1万4200人
     空軍1万4100人

[経済・通信・その他]
中央銀行:オーストラリア準備銀行
通貨:オーストラリア・ドル (dollar, AUD)
国内総生産(GDP):1兆3395億3900万米ドル
1人当たりGDP:5万6330米ドル
GDP構成比:農林水産業3.7%
        鉱工業28.9%
        サービス業67.4%
労働人口:1250万人
失業率:6.2%
輸出額:1883億米ドル
輸出品:鉱石(鉄、銅など)と精錬品、石炭、天然ガス、金、肉類、小麦、羊毛
輸出先:中国32%、日本16%、韓国7%、米国5%、インド4%
輸入額:2077億米ドル
輸入品:機械類、自動車、精製石油、原油、医薬品、鉄鋼、衣類、化学薬品
輸入元:中国23%、米国11%、日本7%、韓国6%、タイ5%
固定電話回線数:908万1000回線
携帯電話回線数:3176万9000回線
国別電話番号:61
ccTLD:.au
インターネット利用者数:約2068万人
車両通行:左側通行
平均寿命:82.3歳 (男性79.8歳、女性84.8歳)

[日本との関係]
国交樹立:国交は存在するが、樹立時期は不明 (注1)
相手公館:大使館 (東京)
       総領事館 (大阪、福岡)
       領事館 (札幌)
駐日相手国人数:3万6873人 (永住者2473人、特別永住者116人)
相手輸出額:321億1000万米ドル
相手輸出品:天然ガス、石炭、鉄鉱石、銅鉱石、アルミ製品、肉類、木材、小麦
日本公館:大使館 (キャンベラ)
       総領事館 (シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース)
       他にケアンズに領事事務所が置かれているが、駐ブリスベン
       総領事館の管轄下にあり、独立した公館としての地位は持た
       ない。
在留日本人数:8万9133人 (永住者5万1651人)
日本輸出額:150億8000万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、精製石油、機械類、鉄鋼、ゴム製品、化学薬品
現行条約:1956年 航空協定
       1957年 通商協定 (1964年改正)
       1968年 漁業協定
       1969年 査証(ビザ)相互免除取極
       1976年 文化協定
       1977年 友好協力基本条約
       1979年 200海里漁業協定
       1980年 科学技術協力協定
       1981年 渡り鳥等保護協定
       1982年 原子力平和利用協力協定
       2008年 租税条約
            (1970年の旧租税条約を置き換える形で締結)
       2009年 社会保障協定
       2010年 物品役務相互提供協定
       2012年 情報保護協定
       2014年 防衛装備品及び技術の情報に関する協定
       2015年 経済連携協定(EPA)

(注1)
1896年の日本からの公館設立を以って始点とする場合もあるが、1942年のウェストミンスター憲章批准までのオーストラリアは、国際法上の地位が「主権国家」なのか、「イギリスの自治領」なのかという点が曖昧なまま、徐々に独自の外交権を拡大していった経緯があり、日豪関係も「国同士の関係」、すなわち国交と呼べるものなのかどうかが不透明だった。そのため、公式に日豪両国が国交を樹立した時期は、両政府とも明確には定められていない。

ただ、そういった部分はあくまでも外交儀礼上のことであり、実際には活発な往来や、緊密な貿易関係といった実務的な二国間関係は、遅くとも1900~1920年代頃に掛けて既に築かれていた。第二次大戦中は関係も断絶されたが、1952年のサンフランシスコ平和条約締結を以って国交を正式に回復している。

なお、そうした事情から、他国のように公式資料上の国交樹立時期が明確ではないため、一般に日豪両国の国交に関する祝賀行事は、1977年の日豪友好協力基本条約を節目として行われる。


《国歌「進め、麗しのオーストラリア」》
制定:1984年
作曲・作詞:ピーター・ドッズ・マコーミック
備考:イギリスの国歌にもこの歌と同等の地位が認められている

全てのオーストラリア人よ、歓喜せよ。
我らが若く、自由であることに。
労働に報いてくれる黄金の土地と、富を持つことに。
我らの故郷は海に囲まれ、
大地は自然の恵みに満ち溢れている。
比類なき豊かで美しき自然。
歴史のページのあらゆる舞台で、
進め、麗しのオーストラリア!
喜びに満ちた声で、さぁ、歌おう。
進め、麗しのオーストラリア!

《国名の由来》
ラテン語で「未知の南の大陸」を表すterra australis incognita(テラ・アウストラリス・インコグニータ)のアウストラリス(南)から。古代ギリシャ・ローマ時代から長らく、西洋人はインドの南に未知の巨大な大陸があると信じており、オーストラリアを発見した際に伝説の大陸に由来するこの名を付けた。

日本語では略称として豪州、もしくは単にと書かれる場合も多い。


【おまけ:トレス海峡諸島
英:Torres Strait Islands (トーレス・ストゥレイト・アイランズ)

Torres_Strait_Islands.png  Location_of_the_Torres_Strait_Islands.gif

オーストラリアの北東部にはヨーク岬半島と呼ばれる大きな半島が突き出ていますが、この半島とパプアニューギニアの間に横たわるトレス海峡には274の小さな島々(うち有人島は14)が存在し、トレス海峡諸島と総称されます。行政上はヨーク岬半島と同じくクイーンズランド州に属しますが、ここには1994年より自治政府が置かれており、トレス海峡諸島民(単にアイランダーとも)と呼ばれるメラネシア系先住民による自治が行われています。

地域旗は自治政府成立2年前の1992年、諸島文化祭と呼ばれるイベントにおいてバーナード・ナモクという現地人が考案したものであり、1995年には自治政府の正式な旗として認められました。緑は大地、青はトレス海峡、白は平和、黒は住民を象徴します。中央の意匠は、諸島民の伝統的な踊り子が被るダーリと呼ばれる帽子の中に星を配したもので、ダーリは諸島民自身を、星は諸島を構成する主要な5地域と航海者を表します。

面積:566km² (オーストラリア全土の0.007%)
人口:約4000~5000人
政庁所在地:木曜島 (英:Thursday Island)
主要民族:メラネシア系のトレス海峡諸島人が約8割。
       他は大半が本土の白人。
主要言語:英語が事実上の公用語だが、日常ではパプア
       ニューギニアのトクピシン語に似たクレオール言
       語が広く使用される。
主要宗教:キリスト教が大半。

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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