石油輸出国機構

石油輸出国機構 (オペック)
Organization of the Petroleum Exporting Countries
(OPEC)
(英語)


Flag_of_OPEC.png

人類は古代から既に石油の存在を認識しており、日本でも7世紀頃に「燃える水」として皇室に献上されたことがありましたが、本格的な利用が始まったのは19世紀、アメリカで機械掘りの大量採掘技術が確立されてからです。その後、20世紀に発達した内燃機関により、輸送機械(航空機、船舶、自動車)の燃料や発電など様々な近代産業に必須の戦略資源となり、各国で需要が急増しました。それに伴い、帝国主義の時代に世界中に植民地を築き、脱植民地化の時代に入ってからも技術力、資本力、政治力、そして何より本国の軍事力の高さを利用して、産油国から利権を奪いながら世界中の石油を寡占状態に置いていた欧米の国際石油資本(石油メジャー、注1)から、自国の石油利権を取り戻そうという動きが産油国で活発化。1950年代に相次いで大規模油田が開発され、石油の供給過剰が起き、国際石油資本が石油価格を引き下げたことで、本来大きな収入資源となるはずの石油収入が更に先細りとなり、危機感を強めた産油国は遂に動き出します。1960年、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの産油5ヶ国によって石油輸出国機構(OPEC)が設立されたのです(現在は14ヶ国にまで拡大)。

当然、石油利権の奪還を目指すOPECは国際石油資本と真っ向から対立し、それらの企業が本社を置く欧米諸国との外交問題にまで発展しましたが、OPEC加盟国は一致団結した行動により国内の石油関連産業を次々と国有化。帝国主義時代の残滓を清算するかのような強硬かつ大規模な政策に、欧米諸国も1970年代には自国資本による石油支配を断念しました。こうして石油利権が産油国自身のものになり、以後OPECは石油の国際価格の決定に多大な影響力を発揮する重要機関となったのです。1986年には再び過剰供給の時代が訪れ、OPECは価格決定権を市場の動向に委ねる路線にシフトしましたが、それでも生産量の調整によって石油価格を実質的に動かすことが可能となっており、2000年代には中国、ブラジル、インドなど新興工業国の勃興で需要が飛躍的に伸びたことで、OPECは再度生産量調整と輸出先の選別を実行。日本のような資源に乏しい石油輸入国はOPEC加盟国に頭が上がらない状態となり、高値でも石油を買わざるを得ない状況が続き、現代国際経済の活力の源泉たる石油(加盟国全体で世界埋蔵量の2/3、生産量で4~5割)を牛耳るOPECは、その地位を更に高めています。

OPECの旗は1970年に制定されたもので、国連旗にあやかった水色の地色に、図案化された「OPEC」の文字を白抜きで配置したデザインになっています。ただOPECは国連の関連機関でもなければ、国連におけるオブザーバー資格(国連に加盟していない主権国家や、国際機関の代表が総会に出席して発言する。ただし投票権は無い)も持っていないため、何故わざわざ国連旗に合わせた意匠にしたのかは不明です。国際機関の代表たる国連と同じぐらい、大きな影響力を持つ機関にしたいという意向でも込められているのでしょうかね。

縦横比:2対3


【加盟国】
OPEC_Member_nations.png
14ヶ国。
イランイラククウェートサウジアラビアベネズエラ(原加盟国)
カタール(1961年加盟)
インドネシア(1962年加盟、2009年脱退、2016年再加盟)
リビア(1962年加盟)
アラブ首長国連邦(1967年加盟)
アルジェリア(1969年加盟)
ナイジェリア(1971年加盟)
エクアドル(1973年加盟、1992年脱退、2007年再加盟)
ガボン(1975年加盟、1995年脱退、2016年再加盟)
アンゴラ(2007年加盟)

本部:オーストリアのウィーン(注2)
公用語:英語

(注1)
欧米の先進国に本社を置き、世界中の石油関連産業を牛耳っていた7つの大企業のこと。かつては世界各地に存在する石油利権を確保していたが、1970年代に産油国に吹き荒れた石油産業国有化の波により、油井や精製施設などが次々と接収されたため、往年の影響力は持っていない。ただし現在でも会社の統廃合を経て、石油の販売路や新規油田の開発技術などで一定の関わりは持っており、石油の安定供給の面では今なお世界有数の国際企業群となっている。
▼米国資本
  スタンダード・オイル・ニュージャージー(現在はエクソンモービルに)
  スタンダード・オイル・ニューヨーク(同上)
  スタンダード・オイル・カリフォルニア(現在はシェブロンに)
  テキサコ(同上)
  ガルフ・オイル(同上。一部はBPに)
▼英国資本
  アングロ・ペルシア石油(現在は英国石油=BPに)
▼英国・オランダ共同資本
  ロイヤル・ダッチ・シェル

(注2)
本部所在地がOPECのリーダーと見なされかねず、それに伴う指導権争いや内部分裂を避けるため、本部は加盟国の中に置かないこととなり、永世中立国として国際機関の誘致を進めていたオーストリアの首都ウィーンが本部所在地として選ばれた。

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

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