カナダ

カナダ
Canada (キャナダ) (英語)
Canada (カナダ) (フランス語)

Flag_of_Canada.png

カナダは北アメリカ大陸に位置し、ロシアに次ぐ世界第2位の広大な領土を有する連邦国家です。その国土は北極圏内にも達し、豊かな自然を持ちながらも概して寒冷なため、人口の多くは比較的温暖な南東部に集中しています。伝統的にカナダ経済は農林と畜産が主体で、今なお世界の食料・木材需給に大きな影響を与える生産量がありますが、20世紀以降は鉱工業も発展し、先進工業国の1つとしてG8にも参加しています。時に保守的な人種主義や宗教観が社会問題となる隣のアメリカと異なり、カナダ人はリベラルな気風と移民にも寛容な土地柄を誇りとしており、アメリカ人との国民性の相違を強調する傾向があるとか。また、よく公用語が複数ある国の例としてインドと共に取り上げられますが、カナダの場合は言語・文化の違いによりケベック州(カナダ全土で唯一、フランス語のみを州公用語に指定)で分離運動にまで発展したこともあり、極めてセンシティヴな問題としてしばしば政治的議題となります。

1603年にフランス人探検家サミュエル・ド・シャンプランがヨーロッパ人として初めてカナダに到達して以降、この地への植民は主にフランスによって成され、ケベック地域を中心に「新しいフランス」を意味するヌーヴェル・フランスと名付けられました。しかし程なくしてカナダの南(後のアメリカ)に植民地を築いたイギリスも勢力を伸ばし、度重なる戦争で疲弊したフランスは1763年のパリ条約で北米大陸からの撤退を表明。ヌーヴェル・フランスはイギリスに割譲されました(この時、代わりにフランスが与えられたのがサンピエール・ミクロン)。19世紀に入ると植民者の間にも徐々にカナダ人という新たなアイデンティティが生まれ、本国の意向と異なる動きを見せるようになったため、1867年に本国議会はイギリス領北アメリカ法を制定。カナダに置かれていた各植民地を1つの連邦として統合した上で、内政自治権を付与しました。更に1931年には自治領に対して本国と対等な地位を認めるウェストミンスター憲章が本国議会で通過し、外交権と国防権も獲得したことで、事実上の独立を達成。その後も名目上続いていたイギリスの宗主権も、1982年にカナダ初の独自憲法が制定されたことで消滅し、今では名実ともに完全な主権国家としての権利を有しています。その一方で、カナダは自らの意思で現在もイギリス国王を自国の形式的な国家元首と定めており、同国との伝統的な紐帯を維持しています(このような国を英連邦王国といい、オーストラリアやニュージーランドもこれに該当します)。

カナダは長らくイギリス国旗を配したレッド・エンサインと呼ばれる旗に、独自の国章を組み込んだ旗を便宜的に使ってきました。しかしフランス系住民を中心にイギリス国旗を用いないデザインの旗を制定してほしいという声が大きく、1925年に国旗の制定作業を開始。議会で議論が重ねられ、時に紛糾しながらも少しずつ作業は進み、制定作業開始から40年後の1965年、遂に現カナダ国旗が制定されました。The Maple Leaf Flagと呼ばれるこの旗には、その名の通り、メイプルシロップの原料となるサトウカエデの葉が配されています。甘いサトウカエデの樹液はメイプルシロップに加工されカナダ東部の特産品として販売されているほか、樹木の部分はカナダの主要産業の1つである林業でも重要です。また、赤は1921年以来カナダのナショナルカラーとされており、2つの赤い帯は太平洋と大西洋を象徴します。海を青ではなく赤で表現するのは珍しいケースです。白は北国カナダの雪と、2つの海に挟まれたカナダの国土を表します。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Former_Canada.png
1965年まで用いられた国旗です。イギリスの旗のうち、カントン部にユニオン・フラッグを配し、赤い地色を持つ旗はレッド・エンサインと呼ばれます(オーストラリア国旗のように地色が青いものはブルー・エンサイン)。現国旗を制定した1965年まで、レッド・エンサインはカナダ国旗として翻りました。

フライ側には国章が配されており、イギリス系(赤地の獅子)、スコットランド系(黄地の獅子)、フランス系(青地の百合)、アイルランド系(金色のハープ)をそれぞれ象徴する4つの意匠の下に、カナダの象徴であるカエデの葉が配されています。レッド・エンサインは1965年まで不変でしたが、国章は度々変更されています。この国章は1957年に制定されたものです。


カナダ
Canada

Map_of_Canada.gif

統計データは原則として2015年時点のもの。

[地理]
位置:北アメリカ (大陸部)
面積:約998.5万km² (日本のおよそ26倍)
人口:約3587万人
都市人口率:81.8%
首都:オタワ (英・仏:Ottawa)
最大都市:トロント (英・仏:Toronto)
主要民族:ヨーロッパ系白人(イギリス系とフランス系が主)77%
       南アジア系(インド人とパキスタン人が主)4%
       中国系4%
       先住民4%
       アフリカ系黒人3%
       東南アジア系(フィリピン人が過半数)2%
       南米系1%
主要言語:連邦レベルでは英語とフランス語が公用語で、両言語の
       地位は平等なものとして扱われるが、国民の6割は英語
       を母語とし、第二言語として用いる住民を含めると8割半
       が英語話者となっている。一方、フランス語話者はケベッ
       ク州を中核とする東部に集中し、理解率は4割前後となっ
       ている。他に中国語やイタリア語、ドイツ語などの移民系
       の言語もそれぞれの家庭内、ないしはコミュニティ内では
       よく話される。先住民固有のイヌイット系諸言語は、主に
       北部で使用される。
主要宗教:キリスト教67%
        ローマ・カトリック教会39%
        カナダ合同教会6%
        聖公会5%
        バプティスト派2%
        少数のルター派、長老派教会など。
       無宗教24%
       イスラム教3%
       ヒンドゥー教2%
       他にシク教、仏教、ユダヤ教が約1%ずつ。

[政治・軍事]
独立:1867年7月1日(連邦結成)、1931年12月11日(主権国家化)
国連加盟:1945年11月9日(原加盟国)
政治体制:立憲君主制(英連邦王国)、議院内閣制、連邦国家
元首:国王
    イギリスの国王が兼任、世襲制。
    国王の名代として総督が元首の権限を代行。
    総督は現地人有識者の中から首相が推薦し、国王が任命。
    任期は無いが、慣例的に5年ごとに交代するものとされる。
政府:内閣
    総督が下院最大会派の指導者を首相に任命。
    閣僚は首相が任命。
議会:二院制の国会
    ●元老院(上院)
     105議席。議員は首相の助言に基づき、総督が任命。
     任期は無いが、75歳までの定年制である。
    ●庶民院(下院)
     308議席。直接選挙制(小選挙区制)。任期4年。
政党制:カナダ保守党とカナダ自由党による緩やかな二大政党制だが、
     新民主党やケベック連合など、第三勢力相当の力を持つ政党も
     存在する。
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:192億3000万米ドル
軍組織:カナダ軍
     陸軍3万4000人
     海軍1万4000人
     空軍1万7000人

[経済・その他]
中央銀行:カナダ銀行
通貨:カナダ・ドル (dollar, CAD)
国内総生産(GDP):1兆5505億3700万米ドル
1人当たりGDP:4万3251米ドル
GDP構成比:農林水産業1.6%
        鉱工業28.9%
        サービス業70.5%
労働人口:1930万人
失業率:6.9%
輸出額:4110億米ドル
輸出品:原油、自動車、機械類、精製石油、天然ガス、金、医薬品、穀物
輸出先:米国77%、中国4%、日本3%、英国2%、メキシコ2%
輸入額:4287億米ドル
輸入品:機械類、自動車と部品、医薬品、原油、鉄鋼、精製石油、ゴム製品
輸入元:米国53%、中国12%、メキシコ6%、ドイツ3%、日本2%
固定電話回線数:1590万2000回線
携帯電話回線数:2939万1000回線
国別電話番号:1
ccTLD:.ca
インターネット利用者数:約3212万人
車両通行:右側通行
平均寿命:81.9歳 (男性79.2歳、女性84.6歳)

[日本との関係]
国交樹立:1928年1月
相手公館:大使館 (東京)
       領事館 (名古屋)
駐日相手国人数:1万6528人 (永住者3126人、特別永住者117人)
相手輸出額:105億7800万米ドル
相手輸出品:菜種、銅鉱石、石炭、小麦、肉類、木材、魚介類、医薬品、大豆
日本公館:大使館 (オタワ)
       総領事館 (トロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリー)
在留日本人数:6万6245人 (永住者4万1411人)
日本輸出額:87億2300万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、鉄鋼、精密機器、ゴム製品、化学薬品
現行条約:1954年 通商協定
       1955年 航空協定
       1960年 原子力平和利用協力協定
       1961年 請求権解決取極
       1964年 査証(ビザ)相互免除取極
       1965年 租税条約 (2000年大幅改正)
       1976年 繊維製品貿易取極
       1977年 文化協定
       1978年 オーロラ等観測計画協力協定
            漁業協定
       1986年 科学技術協力協定
            ワーキング・ホリデー査証協定
       2005年 反競争的行為に係る協力協定
       2007年 社会保障協定 (発効は2008年)


《国歌「おお、カナダ」》
制定:1980年 (1880年より事実上の国歌。1980年に法制化)
作曲:カリサ・ラヴァレー
作詞:ロバート・ウェア(英語版)/アドルフ=バジル・ルーチェ(仏語版)
備考:英語版と仏語版で歌詞が異なる部分があるため、
    以下には両言語版を併記した。

英語版
おお、カナダ!
我らの故郷、我らの祖国!
汝の息子たち全てが持つ真の愛国心。
立ち上がる祖国を見守る、我らの熱き心。
この真の北国は、強く、自由である!
おお、カナダ。
広き彼方より来たれし我ら、汝を守らん。
神よ、輝かしく自由な我らの土地を護りたまえ。
おお、カナダ。
広き彼方より来たれし我ら、汝を守らん。
おお、カナダ。
広き彼方より来たれし我ら、汝を守らん。

仏語版
おお、カナダ!
我らの祖先の土地。
汝、栄誉の花冠を戴かん。
その腕は剣を振るい、十字架を持たんとす。
汝の歴史は輝かしき偉業の叙事詩なり。
厚き信仰がもたらす汝の勇気により、
我らの故郷と権利を守ろう!
我らの故郷と権利を守ろう!

《国名の由来》
セントローレンス川(大西洋と五大湖の間を流れる川)周辺の先住民であるイロクォイ族の言葉で「居住地」や「村落」を意味するカナタに由来。16世紀、イロクォイ族の2人がフランス人探検家ジャック・カルティエを自分の村、つまりカナタに案内し、これをカルティエが地名だと勘違いしたのが始まりとされる。

旧国名
1867-
1982
 カナダ自治国
(英)Dominion of Canada (ドミニオン・オブ・キャナダ)
(仏)Dominion du Canada (ドミニオン・デュ・カナダ)

コメント

非公開コメント

プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と1女1男の4人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

【タディの国旗の世界】
【駐京雑記】
【ぷらずま式改】
QRコード
QRコード
検索フォーム
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

Flag counter