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カタール

カタール
قطر (アラビア語)
Qatar (英語)

Flag_of_Qatar.png

西アジアのカタールは、世界最大の半島であるアラビア半島の東部に位置し、ペルシア湾に向かって突き出るような形で存在しています。かつてはオスマン帝国の間接支配を受けていましたが、第一次大戦で同帝国が湾岸地域から撤退したことにより、1916年にこの地域にある他の君主国と同じくイギリスの保護国となりました。また、国内的には地元の豪族サーニ家と、隣のバーレーンの支配者であるハリーファ家が長らく勢力争いを展開していたものの、19世紀半ばよりサーニ家の支配権が確立し、イギリスの保護国時代を経て現在も君主の座を守っています。イギリスは1960年代後半から段階的にアジアからの撤退を行い、カタールもいずれは独立する予定でしたが、当初はバーレーンやアブダビ、ドバイなど地域内の各首長国と共に連邦を結成する計画でした。しかし後述するようにエネルギー資源に恵まれたカタールとバーレーンには、既に単独で独立できるほどの経済基盤が整っていたため、程なくして連邦構想から離脱。1971年に晴れてカタール国の名で独立を達成しました。

経済的には、長らく真珠の採取と漁業が細々と行われるだけの貧しい地域でしたが、1920年代から30年代にかけて日本の安価な養殖真珠が世界を席巻し、真珠の価格は大暴落。天然物に頼っているため数が限られているカタールの真珠産業はたちまち衰退してしまいます。カタール人はもはや真珠の輸出では生活に必要な収入すら得ることが出来なくなり、砂漠気候で農業も振るわないため、一時は飢餓も発生したとのこと。そんな状況を宗主国イギリスからの補助金でなんとかしのいでいたカタールを救ったのが、1940年代に発見された石油です。石油の輸出で得られる莫大な富はカタールの経済構造や社会に大きな変化をもたらし、寂れた漁村に過ぎなかった首都ドーハでは一気に都市開発が進みました。今ではカタールの人口の8割近くがドーハとその周辺に集中し、高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みが形作られているほか、国民所得も世界トップクラスの水準を誇っています。また、クリーンエネルギーとして近年注目を集めている天然ガスも豊富で、小さな国土ながらロシア、イランに次ぐ世界第3位の埋蔵量を持ちます。カタール政府は石油輸出国機構(OPEC)のような天然ガス輸出国による国際組織の設立を度々提案しており、2001年にはその準備段階としてドーハに本部を置くガス輸出国フォーラム(GECF)が樹立されるなど、主にエネルギー分野で国際的地位を高めています。

白とエビ茶色で構成されるカタール国旗には、変わった逸話があります。もともとカタールを含む湾岸地域の君主国では、伝統的に赤を使った旗が使われてきました。これは宗主権がオスマン帝国からイギリスに移った時も変わらず、特にカタールとバーレーンの旗は、ぱっと見ただけでは区別がつかないほどその意匠も似ていたそうです。しかし1949年のある日、カタールに降り注ぐ激しい太陽光によって旗の赤がエビ茶色に変色してしまう事件が発生しました。この珍事に対し、カタールを支配するサーニ家の首長は「周辺国との区別がつくし、色自体も悪くない」として変色したままの旗を国旗として採用。1971年に独立した後も、引き続きエビ茶色の旗がカタール国旗として翻っています。現在では、白は平和を、エビ茶色はもともとは赤だったため戦いにおける血を表します。9つの頂点を持つギザギザの線は、かつてイギリスの保護下にあった9つの首長国(現アラブ首長国連邦の7首長国、バーレーン、カタール)を表すとも、カタールがかつて9つの行政区で構成されていたからだとも言われます。国旗の縦横比は11対28で、現在用いられている国旗の中では最も横長です。

縦横比:11対28


カタール国
دولة قطر
State of Qatar

Map_of_Qatar.gif

統計データは原則として2016年時点のもの。

[地理]
位置:アジア
面積:約1.2万km² (岐阜県とほぼ同じ)
人口:約268万人
都市人口率:99.4%
首都・最大都市:ドーハ (ア:الدوحة‎ 英:Doha)
民族:住民の8割半は外国人労働者で、インドやネパールなどの南
   アジア系が過半数を占める。他にイラン人、フィリピン人、
   非カタール国籍のアラブ人、アフリカ系黒人など。一方でカ
   タール国籍保有者は全住民の1割半前後であり、そのほとん
   どがアラブ人である。
言語:アラビア語が公用語で、カタール国籍保有者やアラブ諸国か
   らの出稼ぎ労働者にとっての母語となっているが、それ以外
   の人々は自らの属する国や民族の言語を母語としている。
   国籍をまたぐ共通語として英語が広く使用されており、大半
   の住民が家庭・自コミュニティ外では英語を話す。
宗教:イスラム教68%
    スンナ派(国教)55%
    シーア派13%
   ヒンドゥー教14%
   キリスト教13%
    ローマ・カトリック教会8%
    少数のコプト教会、聖公会など。
   仏教3%
   ※カタール国籍保有者はイスラム教スンナ派がほとんど。

[政治・軍事]
独立:1971年9月3日(外交権の回復。内政権はそれ以前より保持)
国連加盟:1971年9月21日
政治体制:立憲君主制、君主に実権
元首:首長
   サーニ家による世襲制。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
   首相と閣僚は首長が任命。
議会:一院制の諮問評議会
   35議席。首長による任命制だが、2019年までに選挙を実施
   する予定。それ以降は議席が45議席に拡大され、30議席が直
   接選挙、15議席が首長による任命枠となる。
政党制:無党制 (政党禁止)
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:志願制
国防費:38億1000万米ドル (2015年)
軍組織:首長立カタール軍
    陸軍8500人
    海軍1800人
    空軍1500人

[経済・エネルギー]
中央銀行:カタール中央銀行
通貨:カタール・リヤル (riyal, QAR)
国内総生産(GDP):1524億6900万米ドル
1人当たりGDP:5万9331米ドル
GDP構成比:農林水産業0.2%
      鉱工業50.3%
      サービス業49.5%
労働人口:195万人(うち8~9割は外国人労働者)
失業率:0.6%
輸出額:551億9000万米ドル
輸出品:天然ガスが約6割、他に原油、精製石油、有機化合物、アルミ製品
輸出先:日本20%、韓国16%、インド13%、中国8%、UAE7%
輸入額:319億3000万米ドル
輸入品:機械類、自動車、航空機、鉄鋼、医薬品、アルミ原料、宝飾品、穀物
輸入元:米国14%、中国10%、ドイツ9%、UAE9%、日本7%
発電量:390億1000万kWh
    (火力99%、再生可能エネルギー1%)
電力消費量:365億3000万kWh (1人当たり1万3630kWh)
電力輸出量:0kWh
電力輸入量:0kWh

[通信・その他]
固定電話回線数:46万7000回線
携帯電話回線数:355万3000回線
国別電話番号:974
ccTLD:.qa
インターネット利用者数:約211万人
車両通行:右側通行
平均寿命:78.9歳 (男性76.8歳、女性81.0歳)

[日本との関係]
国交樹立:1972年5月
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:25人 (永住者無し)
相手輸出額:109億1000万米ドル
相手輸出品:天然ガスが6割、原油が3割、他に精製石油と精錬アルミ
日本公館:大使館 (ドーハ)
在留日本人数:956人 (永住者無し)
日本輸出額:21億4000万米ドル
日本輸出品:自動車と部品、機械類、鉄鋼、ゴム製品、化学薬品
現行条約:1998年 航空協定
     2015年 租税条約


《国歌「首長よ平和なれ」》
制定:1996年
作曲:アブドル・アジズ・ナセル・オバイダン
作詞:ムバラク・ビン・サイーフ・アル=サーニ

天を創造せし神(アッラー)の名において誓う。
光明あまねく神(アッラー)の名において誓う。
カタールが絶えず自由であることを。
清らかなる魂によって、高みに昇ることを。
祖先の教えを守り、預言者の導きに寄りて進まん。
我が心には、カタールは栄光と尊厳の叙事詩に映る。
苦難の時には我らを守り、平和の時には純潔であり、
戦(いくさ)の時には犠牲を受け入れる。
カタールとは、斯(か)くの如き祖先を持つ国である。

《国名の由来》
北西部の街ズバラーの旧名カタラ(カトゥラ)にちなむ。古代、同地は交通の要衝として栄え、やがてこの一帯を指す地名となった。カタラという言葉自体の由来は古アラビア語に由来するとされるが、意味は「点、部分、小さい」、「噴出する」など諸説ある。

日本語では慣例的にカタールと長音が入るが、アラビア語での発音はカタルに近く、かつては日本外務省もそのように表記していた。

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嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と2女1男の5人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

ツイッターやってます。基本的に更新情報はここでつぶやいてます。

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