カザフスタン

カザフスタン
Қазақстан (カザフ語)
Казахстан (ロシア語)
Kazakhstan (英語)

Flag_of_Kazakhstan.png

中央アジアに位置する草原の国カザフスタンは、世界第9位の広大な面積を誇る内陸国です。6世紀頃からトルコ系諸民族の版図とされ、13世紀にはモンゴル帝国による一時的な占領を経ながらも、騎馬民族としての独自の文化を開花させてきました。1469年に建国されたカザフ・ハン国時代には、他のトルコ系民族と異なる文化を持つ「カザフ人」という概念が成立し、現在まで独特な民族文化を受け継いでいます。一方、19世紀に入ると、騎馬民族の兵法では北方に位置する強大なロシアの勢力を抑えることができなくなり、北部から順にロシア領化。1917年のロシア革命に伴う混乱を受けて、一時はカザフ人による自治運動が盛り上がりましたが、新たに成立したソ連はそれを認めず、連邦を構成する共和国の1つとして引き続きロシア文化の強い影響下に置かれました。ソ連時代のカザフ人は、中央アジアの諸民族の中で最もロシア化と世俗化が進んだ民族として知られ、イスラム教が主流でありながら飲酒が公認されたほか、1991年のソ連崩壊によりカザフスタン共和国として独立してからも、カザフ語と並んでロシア語が公用語に指定され、ロシアとの緊密な関係の維持により経済発展を優先させる政策を採るなど、他の中央アジア諸国と比べてもとりわけロシアとの関係を重視している感があります。特に都市部では民族的にはカザフ人でありながら、カザフ語ではなくロシア語を母語とする人々も多いとか。

ソ連崩壊後、連邦を構成していた各共和国では体制の急激な変化に伴う経済的・社会的混乱が起こり、長らく停滞状態を引きずったまま新国家を運営することを余儀なくされていました。しかしカザフスタンは、旧ソ連諸国の中では例外的にそういった事態をほとんど経験せず、石油など多種多様な天然資源の支えを受けてスムーズな国家建設を実行。初代大統領ヌルスルタン・ナザルバエフのもとで紛争とは無縁かつ安定的な政治情勢を享受し、今では中央アジア最大の資源大国としての地位を確立しています。さすがにソ連崩壊から25年以上が経った現在、ナザルバエフが未だに大統領を続けている体制を「独裁」として批判する声が大きくなってきているものの、経済成長と治安維持を優先する声も根強く、強権と成長という「アメとムチ」のバランスが上手く機能していることから、当面は現状の国家体制が維持される見通しです。

国旗は独立翌年の1992年に制定されました。カザフスタンはトルコ系カザフ人を主体とする国であり、青はカザフ草原の青空を表すと同時に、トルコ系民族の伝統色でもあります。ホイスト部にはカザフ人が古くから用いてきたアラベスク(唐草)紋様が配されています。中央には自由の象徴である鷲と生命の活力を表す太陽が描かれています。この鷲は中央アジアの草原を自由に飛び回るソウゲンワシ(ステップ・イーグル)であり、その原型はチンギス・ハーンのモンゴル帝国にまでさかのぼることができるとのこと。前述のように中央アジアの民族の中では最もロシア化が進んだ国ですが、国旗には草原の民カザフ人の伝統が色濃く反映されていますね。

縦横比:1対2

【旧国旗】
Socialist_Kazakh.png
ソ連を構成していた15共和国の1つ、カザフ・ソビエト社会主義共和国の国旗です。1952年から1992年まで用いられました。ソ連時代の各共和国の国旗はソ連国旗にそれぞれの意匠を盛り込んだものでしたが、この旗には現国旗にも用いられている青が配されています。



カザフスタン共和国
Қазақстан Республикасы
Республика Казахстан
Republic of Kazakhstan

Map_of_Kazakhstan_.gif

統計データは原則として2016年時点のもの。

[地理]
位置:アジア
面積:約272.5万km² (日本の約7.2倍)
人口:約1799万人
都市人口率:53.2%
首都:アスタナ (カ・露:Астана 英:Astana)
最大都市:アルマトイ (カ・露:Алматы 英:Almaty)
民族:カザフ人(トルコ系)64%
   ロシア人(スラヴ系)23%
   ウズベク人(トルコ系)3%
   ウクライナ人(スラヴ系)2%
   ウイグル人(トルコ系)1~2%
   他にタタール人、ドイツ人など。
言語:カザフ語が国語、ロシア語が公用語に指定されている。カザ
   フ語は住民の6割半が母語としているが、ロシア語が国内の
   各民族をまたぐ事実上の共通語となっており、住民の9割が
   理解する最大言語となっている。政府はロシア語の公用語指
   定は維持しつつ、カザフ語を普及させていく方針を採ってお
   り、ロシア語が支配的な分野でも徐々にではあるがカザフ語
   への置き換えが実行されている。他にウズベク語などの各民
   族語。
宗教:イスラム教70%
    スンナ派69%以上
    極少数のアフマディーヤ教団など。
   キリスト教26%
    正教会24%
    他にドイツ系住民が信仰する少数のローマ・カトリック教
    会とルター派が存在。
   無宗教3%

[政治・軍事]
独立:1991年12月16日
国連加盟:1992年3月2日
政治体制:共和制、大統領制
元首:大統領
   直接選挙制、任期5年、3選禁止。
   ただし現任のヌルスルタン・ナザルバエフ初代大統領のみ、
   憲法が定める再選制限は適用されず、事実上の終身大統領と
   なっている。
政府:閣僚評議会(内閣に相当)
   首相と閣僚は大統領が任命。
議会:二院制の国会
   ●元老院(上院)
    47議席。40議席は各州議会が選出。7議席は大統領が任命。
    任期6年。各州議会選出枠は3年ごとに半数ずつ改選。
    ●民会(マジリスとも。下院)
    107議席。98議席は直接選挙(比例代表制)により選出。
    残る9議席はカザフスタン民族会議(注1)が選出。任期5年。
政党制:ヌル・オタン(輝く祖国)党による一党優位制
    (形式上は多党制)
国政選挙権:18歳以上の国民全て
兵役制度:徴兵制
国防費:15億1000万米ドル
軍組織:カザフスタン共和国軍
    陸軍2万人
    海軍3000人(内陸国だがカスピ海警備要員として保有)
    空軍1万2000人
    共和国防衛隊4000人

[経済・エネルギー]
中央銀行:カザフスタン国立銀行
通貨:テンゲ (tenge, KZT)
国内総生産(GDP):1336億5700万米ドル
1人当たりGDP:7510米ドル
GDP構成比:農林水産業4.8%
      鉱工業34.4%
      サービス業60.8%
労働人口:915万人
失業率:5.0%
輸出額:441億1000万米ドル
輸出品:原油、天然ガス、精錬銅、鉄鋼、有機化合物、精製石油、穀物、銀
輸出先:イタリア20%、中国12%、ロシア10%、オランダ9%、スイス7%
輸入額:310億9000万米ドル
輸入品:機械類、鉄鋼、医薬品、自動車、航空機、精製石油、砂糖、ゴム品
輸入元:ロシア36%、中国15%、ドイツ6%、米国5%、イタリア3%
発電量:1004億kWh
    (火力86%、水力13%、再生可能エネルギー1%)
電力消費量:952億6000万kWh (1人当たり5295kWh)
電力輸出量:16億1400万kWh
電力輸入量:16億1800万kWh

[通信・その他]
固定電話回線数:393万1000回線
携帯電話回線数:2539万5000回線
国別電話番号:7
ccTLD:.kz
インターネット利用者数:約996万人
車両通行:右側通行
平均寿命:71.0歳 (男性65.9歳、女性76.0歳)

[日本との関係]
国交樹立:1992年1月26日
相手公館:大使館 (東京)
駐日相手国人数:329人 (永住者42人)
相手輸出額:5億7400万米ドル
相手輸出品:鉄鋼、原油、精錬金属(タンタル、銅、チタン、アルミ)
日本公館:大使館 (アスタナ)
在留日本人数:165人 (永住者13人)
日本輸出額:1億8600万米ドル
日本輸出品:機械類、鉄鋼、自動車と部品、精密機器、ゴム製品、紙類
現行条約:2005年 技術協力協定
     2009年 租税条約
     2011年 原子力協定
     2015年 投資協定

(注1)
1995年制定の現行憲法において新たに設けられた国家機関。カザフスタン国内の少数民族の利益を調整・代弁すると同時に、「カザフスタン人」という1つの国民意識の醸成に必要な政策上の助言を大統領に与える諮問機関として機能する。構成員は350~400名程度で推移しており、大統領が任命する。


《国歌「我がカザフスタン」》
制定:2006年
作曲:シャムシ・カルダヤコフ
作詞:ジュメケン・ナジメデノフ/ヌルスルタン・ナザルバエフ
備考:元の歌はカルダヤコフの作曲、ナジメデノフの作詞によって
   1956年に作成された、カザフ人の民族歌。2006年に民族歌
   が正式に国歌として採用されることになったが、その際、初
   代大統領ナザルバエフが一部の歌詞に修正を加えた。

黄金の太陽を戴く空、
黄金の穀物が実る草原、
英雄の伝説。
我が国でそれを見よ!

古くより培われた我らの栄光。
我らは決して誇りを捨てはしない。
我がカザフ人は強大なのだから!

我が祖国、我が祖国。
我はそなたが育てた花。
我はそなたから流れ出る歌、我が祖国!
我が故郷、我がカザフスタン!

《国名の由来》
「カザフ人の国」の意。国内の最大民族カザフ人の民族名に、ペルシア語で「○○の土地」を意味するスタンを組み合わせた国名。カザフスタン(Казахстан)とはロシア語に基づく発音であり、カザフ語ではカザクスタン(Қазақстан)と呼ばれる。

カザフ(カザク)はカザフ語で「自由の民」や「放浪の民」を意味する。

旧国名
1936-
1991
 カザフ・ソビエト社会主義共和国
(カ)Қазақ Кеңестiк Социалистiк Республикасы
(露)Казахская Советская
  Социалистическая Республика
(英)Kazakh Soviet Socialist Republic

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プロフィール

嫁ドリル

Author:嫁ドリル
国旗と酒をこよなく愛する関西女。
カイロ、ドバイ、カルガリー駐在員を経て、現在は関東で働きながら旦那と2女1男の5人暮らし中。

国旗に関しては、まずは基礎知識カテゴリを熟読して下さい。

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